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【旅メモ 徳島】どれがいつものゴッホのひまわり?憧れの大塚国際美術館へ

鳴門の渦潮とセットでお勧めされていた大塚国際美術館。長野県から会社員の身だとそう簡単には行く機会も作れず、ようやく来れた。鳴門の渦潮は雨と強風、渦潮発生時間外で見れなかったけどね (笑) ここは名高い「陶板名画美術館」で、オリジナル作品と同じ大きさに複製されているという名画1000点余りを鑑賞できるとあり、今回は丸一日費やすつもりでやってきたというわけです。

地下3階、地上2階におよぶ巨大展示場。まず建物玄関から入ると、どこかの地下鉄にも似た結構急で長いエスカレーターが目の前に現れました。今年は開館25周年記念ということで、玄関を入ったところで紅白饅頭のセットをいただきました。今日中に召し上がってくださいね、と念押しされて若干プレッシャー。しかも「これ鑑賞中どうしよう?」と思いながらエスカレータで昇りきると、上にちゃんとありましたよ、コインロッカーが 。 ですよね (笑)  地上から入ってこのエスカレーターでかなり上まで昇るのに、着いた先が地下3階という、一瞬「えっ、どういうこと?」と思った建物です。

上まで結構時間がかかりました

とりあえず受付で音声ガイドをレンタルしました。1000点中の100点の説明が聴けます。まずは有名すぎるシスティーナホールからスタート。ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂の天井画と正面壁画「最後の審判」を再現した空間で、時間なかったらもうこれ観て帰ってもいいくらいかもしれません。天井画には天地創造からアダムとイブの誕生、ノアの箱舟と大洪水、と流れるようにドラマが描かれています。首が痛くなること間違いなしのこの芸術鑑賞。原寸大の大きさが実感できる素晴らしい空間。1日いても飽きないかも。

とにかく広い空間、鮮やかに再現された名画
最後の審判

1000点余りもある名画を1日で、全てを同じ濃さで鑑賞するのは到底無理。割り切って絞るしかないとなればやはりこれでしょう、「最後の晩餐」。復元前と復元後が同じ部屋の中で一度に観られるのはここしかありませんとガイドさんが言っていましたが、それはそうね (笑)  もう復元前の本物はないのだから。私は復元前の色味の方が好きですが、多くの人がそう言うそうです。イエス様に威厳も感じますしね。でもこの復元は非常に巧妙に行われていて、幾重にも塗り重ねられた異なる時代の何人もの修復の痕跡をでき得る限り取り除き、限りなくレオナルドの原画に近くなる復元を試みたそうです。これまで見ていた「最後の晩餐」は実は何人もの修復師の合作よね、と改めて思う私。心なしか復元後のイエス様の方が若く見えます。何度も修復を経てちょっと老化してた?

復元前
復元後

次はゴッホの7つのヒマワリ。日本の大空襲で焼失したと言われる幻の「ヒマワリ」はこの中でも特に心に残りました。おかしかったのは鑑賞中の団体のおばさま方が、「いつも見るあのヒマワリはどのヒマワリ?」と聞いていて、なるほどねぇ。恐らくだけどネット検索して出てくる代表的な?「ヒマワリ」は、1888年ロンドンで描かれた4番目掲載のものじゃないかしら?当たり前ですがヒマワリにも咲く季節があるため、7つのヒマワリの中にはすでに描いたヒマワリの絵自体を模写したと思われる絵もあるのだとか。これも、なるほどねぇ (笑) そりゃ絵の構図がそっくりでもおかしくないわ。

6輪のヒマワリ 実業家 山本顧弥太氏が1920年に購入 第二次大戦で焼失
よく見るヒマワリはこれですか??

入口にはこんなソファがありまして。おじさんが一人座っていたので全体像は撮れず。なんとなく影が見えるでしょ?このソファに座りながら、7つのヒマワリの紹介動画が鑑賞できます。

座り心地はとても良かったです♪

さて最後は「十字架上のキリスト」。この場面のキリストは目を閉じて首を向かって左下に傾けているものが圧倒的に多いのですが、この絵だけ色は煌びやかで、目をしっかりと見開き、力強く前を向いているのがとても印象的でした。イタリアのピサ、ピサ国立美術館所蔵のものです。

光の当て方もさらに表情を際立たせています
表情が心に残ります

もちろん有名すぎるモナ・リザ、真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)、デルフトの眺望、舞台の踊り子、ラ・ジャポネーズ等々、いわゆる定番はしっかり押さえました。

この日、開館と同時に地下3階から始めた鑑賞でしたが、なんとお昼になっても私はまだ地下3階にいました。集中力が尽きかけていたのでとりあえずランチにしようと1階のRestaurant Gardenへ。旅行ではできるだけご当地ものを食べたいので迷わず「鳴門刺身定食」をチョイス。鯛茶漬けも惹かれたのですがここはやっぱり王道のお刺身で。お刺身は厚切りでもちもち、とっても新鮮でした。

お刺身、鯛の煮付け、鯛のお味噌汁

ランチ後、地下2階から鑑賞を再開して頑張るも、集中力が続かず絞った中からさらに絞って鑑賞(これはもうほとんど観ていないも同然)。そして1階の現代美術にたどり着いた頃にはもう気力が尽きかけていました。結果、現代美術はほぼスキップ。はぁ~、6時間にわたる鑑賞も午後3時半に強制終了。ショップを観る気持ちにもなれず、そそくさとバスに揺られてホテルに戻りました。

色々あったけど、環境展示とテーマ展示が良かったなー。環境展示は旅行先からさらに旅行に出かけたようで楽しかったし、テーマ展示は同じテーマなのにこれだけ作風が違うんだ~と比較できて面白かった。芸術鑑賞には体力と気力が必要です。次に来るのはいつかしら?


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