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学校の教育課程を変えていくことについて

あけましておめでとうございます。
昨年末、渋谷区の公立小中学校で、午後の授業は基本的にすべて「探究学習」にするという、大幅な教育課程の変更を行うことがニュースになった。

このニュースへの主な反応

すでにSNS上では賛否両論で、教育改革の舵取りの難しさを感じる。この件に関する反応をざっくり分けると、次のようなものが見受けられた。

肯定的なもの
・こういう挑戦は応援したいよね!という、「改革いいぞどんどんやれ派」
・これからの時代は、やっぱ探究でしょ!という、「謎の探究推し」

否定的なもの
・先生たちの負担が心配だ!という、「負担軽減という名の前年踏襲族」
・午前だけで教科の内容は理解できるのか!という、「教科内容至上主義」
・賢い子以外はムリゲーやん!という、「教育の効果公平論者」

瞬間的な反応と、わいてきた疑問

さて、この件について、あなたの瞬間的な反応はどれだっただろう?
ちなみに私は、「改革いいぞどんどんやれ派」だった。このニュースに触れてまず思ったのは「おもしろそう!やってみたい!」と思った。しかし、SNS上で自分と同じ感覚の人を探そうワクワクとしたら、「こんなのふざけんじゃねーよ!」的な書き込みが多くてモヤっとしてしまった。

ワクワクやモヤモヤなど、瞬間的な反応が喉元を過ぎていったら、「どうして自治体レベルでこんなことを打ち出したのか?」という疑問がわいた。なぜなら、本来教育課程の編成主体はそれぞれの学校にあるからだ。

改めて読んでみると、平成27年の論点整理で、中教審において示されたことが、いよいよ自治体レベルに降りてきたのかなという感じがする。そして、自治体レベルでこんなことをする理由を次のように考えてみた。

背景として考えられること

① 主体は学校だけど、学校単体で変えようとすると「隣の学校ではこうなっているのに・・・」という保護者からのクレームに耐え切れない。(よほどの校長でなければ)だから、教育委員会が引き取って、「うちの自治体ではこうなってますんで!」と、言えるようにしている。これなら、学校や先生は悪者にならずに済む。

② カリキュラム・マネジメントに時間を割けない学校や先生たちも、時間割そのものがこうなってしまえば、少ない教科の時数と、倍増したミライ科の時数をどう扱うのか、年間指導計画を変えざるを得ない状況が生まれる。結果的にはカリマネが、仕事上の最優先事項になる。(というか、本来は教員の最優先事項だけど)

いずれにしても、これからの社会を生きていく子どもたちのために「学校教育を探究へシフトする」ということと、「カリキュラム・マネジメントを進める」ということへの強い思いや願いをなんとなくだが感じ取った。

子どもが主語になるように

この改革にこめられた願いが、学校現場の先生たちや、何よりも子どもたちと共有されてほしいなと思っている。この改革という「プレゼント」を受け取るのは、最終的に子どもであって、先生じゃない。自分の学校での小さな改革も、自分のクラスの日々の授業も、「あなたたちに、こうなってほしいんだよ」ということをしっかり届けることを忘れないようにしたい。

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