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とある神宮での巫女日記①

平成23年、巫女になりました。
神宮ってそもそも何?と思っていたくらいのただの女子高生が巫女として奉職したので、最初は右も左も作法も分からないポンコツでした。

役に立たないなりに一所懸命頑張ってみたところ、色んなことを学べましたのでここに少し書いてみようと思います。

まず、神社とひとまとめにされがちですが、○○大社等、社号が異なりますので下に書いてみます。

◆神宮
単に「神宮」といえば、伊勢神宮を示す正式名称として用いられています。
「○○神宮」の社号の場合、皇祖(天皇系祖先)をお祀りしている霧島神宮や鹿児島神宮、また天皇をお祀りしている橿原神宮や明治神宮等があります。
このほか、石上神宮や鹿島神宮・香取神宮など特定の神社に限られて使われます。
「神宮」を名乗っている神社は全国に24社しかありません。

◆八幡宮
日本全国どこに行っても稲荷神社や天神さまがあるのは、稲荷という系列、天神さまという系列の神社が日本各地にあるからです。
そしてそれら系列の一つが「八幡宮」です。
尚、「八幡宮」系列の神社は「八幡宮」だけでなく「八幡神社」や「八幡社」と名乗っている神社もありますが、すべて八幡系列の神社です。

◆大社
もともと、天孫に国譲りをおこない、多大な功績をあげた大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る出雲大社を示す社号として用いられてきました。
大社とは、文字通り大きな神社という意味です。
(明治維新以前は、「大社」と言えば出雲大社だけでした。)
それぞれの系列の「本社・本店」に当たる「神社」という感じ。
(但し、すべての系列の「本社・本店」が必ずしも「大社」になっているとは限りません。)
「八幡宮」系列の神社の神様は応神天皇のため、皇室とのゆかりの深さから「神宮」であり「大社」ではありません。
神宮と同じく全国に24社しかありません。

◆神社
その略称である「社(やしろ)」とともに一般の神社に対する社号として広く用いられています。
一般的に、自然を神化し祀られたものと、天皇や皇室の祖先、人々のために偉業をつくした人物などを祀ったものとがあります。

まあこんな感じらしいです。
口頭で参拝者の方々に説明する機会が多かったので勉強になりました・・・。

それから祝祭日と呼ばれるお休みになりがちな日がありますよね。
本来、祭典と呼ばれるのですが、巫女になるまでただの国が指定したお休みの日なんだと思ってました。

一番日本人として縁深いのは「紀元祭」だと思うのですが、何月何日かご存知でしょうか。

2/11の建国記念の日、ですね!
初代天皇、神武天皇様が日本国を建国した日と言われています。
「え~祝ったら右翼っぽくな~い?」という方も中にはいらっしゃるかと思うのですが、日本のお誕生日なので覚えておくくらいは良いと思います(笑)
西暦何年という言い方をするのがポピュラーかなと思うのですが、神道マニアの方は紀元何年とか皇紀という呼び方を好む方が多い気がします。
西暦はキリスト!皇紀は日本建国からの数え方!という感じです。
今年は西暦2020年ですが、皇紀ですとなんと2680年にあたります。
660年も差があるんですね~。

後、そういう祝祭日には各神社で祭典奉仕というものがあり、
皆さんが頭に浮かぶ「お祭り」とはかなり違う厳かな儀式が行われます。

花火ドンパン屋台ズラ~って感じではなく、ピーヒョロローと鳴るような雅楽の中、神様にお供えをして祝詞(のりと)を奏上して舞を奉納する・・・というようなものです。

時々参拝者や巫女の後輩に聞かれたのは「何で舞するの?」という質問。
お答えしましょう。
「神様にニンマリしてもらうため!」これだけです!
巫女の舞になんらかのパワーがあるとかそういう系ではないです。

緊張感漂う中で祝詞で厳かに国の安泰や世界平和をお願いされても、神様からしたら「普段から叶えてるつもりやねんけど?」という感じでしょう。
と、まあそういうのに対するおべっか(こら)みたいなものです。
毎日あくせく働いてるのに働け働けと言われたら私達もしんどいですよね、休日や娯楽が欲しいですよね。
神様にも娯楽として舞を楽しんでもらって、明日からも頑張ってもらおうよというイメージで理解してもらえるんではないでしょうか。
そんな感じです。

次回、参拝方法について書いてみます。

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