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飛行機雲の話

 青い空に伸びる白い雲の線、飛行機雲。上記の写真の右上に見える2本の線状の雲は飛行機雲です。飛行機雲はできたばかりの時は細い線状ですが、その後、写真のように線幅が広く変化することがあります。

 飛行機雲は高度6,000m以上の高度でできると言われています。飛行場の近辺で飛行高度が低い場合にはできません。また、飛行機の飛行高度は8,000m〜12,000m程度です。高度1,000mの気温は地上気温に対し約65℃低くなり、-40℃近辺となります。

 飛行機はジェット燃料を燃焼させて飛び、その排気ガス中の主成分は水分(水蒸気)と二酸化炭素です。水蒸気は大気中で冷却され、水蒸気が水滴、氷粒へと変化して雲になります。

飛行機と飛行機雲

 飛行機の後ろにできた飛行機雲は、その後、どうなるでしょうか?それは、上空の大気の状態によって異なります。上空の大気の湿度が低い(乾燥している)場合、雲を形成する氷粒は昇華して気体(水蒸気)となり空気中に拡散するため雲は消えていきます。逆に上空の大気の湿度が高い(湿っている)場合は、見出しの写真の様に雲の幅が広がっていきます。これは、最初にできた飛行機雲の氷粒と排気ガス中の微粒子が核となり大気中の水蒸気が氷粒となることで雲が増え、同時に上空の強い風により氷粒が流されるためです。

 飛行機雲を観察すると、その後の天気の変化が推測できます。飛行機雲が短時間で消えれば引き続き晴れ(高確率で翌日も晴れる)、飛行機雲が消えずにどんどん幅広になれば天気は下り坂(但し、翌日に晴れる=外れる事もある)という傾向になります。飛行機雲の変化を観察するのも面白いと思います。

4本の細い飛行機雲(8月8日)


以上