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インボルク(節分・ブリギッド祭)サバト儀式のやり方と蜜猫的考察。

インボルク。別名イモルグ、ブリキッド祭、バッカス祭などと呼ばれる、冬の炎の祝祭。日本では節分にあたり、2月2日頃に行われる祭だ。キリスト教圏では聖燭祭として、主の奉献と聖母マリアの御潔めの日だ。
インボルクは、12月のユールで復活した太陽の男神が順調に成長する様子を表している。乳飲み子~みどりごの子供がすくすくと成長する時に、わたしたちは「古いものは外へ、新たなるものは内へ」と言って招き入れる。これはいずれオスタラで種蒔く新しい季節にも繋がる。
今回はこの季節行事を儀式化した魔女のインボルクのサバトについて、わたしが実際にやって感じたことや、気付いた点を深堀りしたいと思う。

昔は狩猟や農耕を営む者(自然信仰者)にとって、インボルクはなくてはならないものであった。まもなく冬が終わりを告げ、春の種蒔きに向けて太陽の男神が成長することは、希望の光だったからだ。その特徴をはじめに挙げておく。

1)太陽が成長していく

自然信仰では、大地の女神と太陽の男神に例えることが多い。人間と同じように自然の神々も生み育て死んでいくということや、食べ物やエネルギーの享受と恵みに感謝をするといった信仰だ。わたしたちのエネルギーにとって代わるのが太陽である。太陽はサウィン(10月)に一度死に、ユール(12月)で誕生する。そしてインボルクでは母に大事に育てられながら成長する。この時、まだ幼子の太陽を、大地の女神である母の乳をもって育てるのだという。それゆえサバトの中でも一番「浄化」の意味合いが強い。

2)新しきを取り入れるサバト

インボルクではサバト儀式中に「古きものは外へ、新しきものは内へ」と唱える。まるで節分の「鬼は外、福は内」のような呪文だ。新たな春はスタートや種蒔きの季節だから、その前に古いもの(捨てた方がいいもの)は外へ、新たにしたいもの(運なども含む)は内へ呼び込むのだ。
これを行うことで内側から浄化(=リセット)されて清々しい気分で新年度を迎えられる。

インボルクサバトをやってみた

正月も過ぎ、まだまだ寒さ厳しい頃。1月も中旬にさしかかるとインボルクの準備が始まる。日本では節分で、近年では恵方巻が流行のようだが、魔女の慣習にならって供物を用意していく。(もちろん恵方巻も美味しくいただく)

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