人間の価値と真価、二極化する心。その狭間でルールを考える。

世の中には様々な人がいるから、想像を絶するほど言葉がかみ合わない事態に遭遇することがある。非常時だと叫ばれている今だからこそ、それは如実に二極され、何が原因なのかわからないがとにかく両者の溝は深まる。

溝を深めたいわけではないのだが、このご時世、もう自分の身を守ることが最優先で、平和な安穏にいつまでも空想を思い巡らせても仕方がない。たしかにいつかは自然の自己修正力が働いて平和になる時が訪れるだろうが、それまで待つことにストレスを抱える。

「今まで当たり前にできていたものが、当たり前じゃなくなってきた」ことをみんなが考えるべきだと思う。今日はそんな話をする。

黒猫魔術店は2020年4月の緊急事態宣言より山形県酒田市にある店舗営業を自粛した。他の店舗が5月頃から営業再開するなか、わたしたちはマンデン占星術での未来予測もあり引き続き休業した。黒猫魔術店は県外からのお客さんが多いので、夏に開けない方がいいのではとの懸念もあった。冬にまた酷くなることも予測していたので、秋だけ開けてもなあ…となり、結局ずっと休業している。そして冬は寒さが厳しく来年2月まで酷くなることも予測しているので、結局春分まで休むことにした。

わたしとスタッフの夏目さんは対面でずっと会っていない。感染防止のためだ。しかし不便はない。電話で会議もできるし、引継ぎで困ることもない。配送業者のクロネコヤマトさんや郵便屋さんとも連携して、接触を火曜・金曜に絞った。

もちろんこれができるのは、黒猫魔術店には通販があるからだ。田舎のオカルトショップが生き残れるのも全国にユーザーがいるからだし、海外にも魔女の友達がいるからだ。つまり実店舗を休業して、通販ONLYという形態を今とっている。スタッフの夏目さんは毎日来て注文のオペレーションを行ってくれる。それでも成り立っていることに感謝しかない。

しかしこうして頑張っている中で様々なことを言われてきた。
5月頃、みんなが営業再開した時には「おたくはなぜ営業しないの?」と白い目で見られた。店舗の入り口に張り紙もしているし、スクリーンもおりている。CLOSEDの看板も出している。商品や占いは通販でもできる。何が不満があろうか?

店の電話やLINEでも「営業しないのか」という内容が多い。直接訪ねてきてドアを叩く人もいる。覗き込む人もいる。
確かに営業を再開する店舗は多いし、それは悪いことではない。でもうちは幸運なことに人同士が接触しなくて済む、安全で健康的な方法のひとつとして通販があるんだから、それを活用すべきだと思う。それができない店舗からすれば非常に幸運なことと思う。だからわたしはこの幸運を最大限に使う。何がいけない?みんな悪くない。

そして悲しいことだけど、そういう自分勝手な人はお客さんとして相手にしたくないとも思った。魔術は等価交換だ。必ず差し出すものが必要なのに、自分が困っている時だけ、悩んでいるから今すぐ占ってくれ、と言うので「占いは通販ご利用ください」と言うと、通販はやったことないからできないと言う。わたしは、その悩みの解決は、お客さんが自分自身で達成しなければ得られないのに、その努力を放棄するということは等価ではないと思ってしまう。

いつでもそうなのだ。占いをすれば答えがわかる。楽になれると勘違いしている。そこから努力が必要なのに、みんな簡単に考えている。正直、占いも鑑定もしたくないと思ってしまうが、こういう人が増えるのも時代なのだろうか。とんでもない霊感占い(イミワカラナイ)が増えているらしいしね。しかしそういう人は類は友で、きっと自分にあった占い屋を訪ねるだろう。

店には、はっきりした目的もなく訪れる人も多い。ウィンドウショッピングではなく、長時間居座る人も多い。そうするとわたしたちの仕事ができない。ということが、営業していた頃に度々問題になっていた。そういったことを全て改善すべく、黒猫魔術店の実店舗は、営業再開しない方がいいのではないかと考えた。通販だけだと逆に通販に専念できる。仕事も余裕をもって進められる。いいことばかりなのだ。

それでも来たい、直接会いたい、直接占いや相談がしたいという声もあったので、こちらのように営業してみようと思う。
入店に際して相談料(チャージ料)が発生することと、要予約で水曜・第一日曜(変更もあり)が実店舗営業となる。
だいたいのお客さんは、チャージ料の話をすると「それならいいです」と言う。わたしはそれでいいと思う。本気で自分で努力したい、改善したいというのが魔術や占いの在り方だと思うから。


ファンの人含め、ほとんどの人はルールを守ってうちの店を利用してくれている。例えば魔術は自分で考える・選ぶところから始まるので、問い合わせがきても「自分で調べてください」「おすすめはしないので自分で選んでください」と答えている。おそらくリテラシーがあって理解できる人は質問もなく考えてくれているだろう。しかし読まずに・見ずに質問をしてきたり、批判してくる人のなんと多いことか。この多さよりも、何も言わずに理解してくれている人の方がもちろん多いんだけれど、昔よりも明らかに増えている。

記事も多いからYouTubeもやった、商品買わなくてもWeb上で説明書も販売できるようになった。見たり読んだりしてくれればいい。焦っても魔術はできない。じっくり取り組んでほしいのに、何か魔法のようなものだと勘違いされているかもしれない。

わたしが嫌っている霊感タロットや、ふわふわな詐欺&似非スピリチュアルのことも何度もブログに登場しているし、上記の動画のように、心理学(脳科学)の先生と幾度となくトークライブしている。たぶん、わたしがそのようなことを言っているのに(図星だから)反応して批判しているんだと思うけど。誰から何を言われてもそれらの人は信じきっているので、結局自分が努力して勉強して知識でもって判断しなければどうにもならない。

右から左で霊媒師や占い師の言葉を信じるのか?不安につけ込み洗脳させてくるものは、マスコミをはじめたくさんある。それは技術だからだ。無能な鴨にならないために知識と判断が必要なのに、楽な方にみんな流されてしまう。しかたがない。それは楽だから。しかし後でから困る事態になる。そしていずれ不安定な悪は淘汰される。

つまるところ、黒猫魔術店は設立当初から「わたしが願いを叶えるのではない。あなたが努力する方法として魔術を教える」ことを言い続けてきたのだが、限界を感じている。モラルが薄れてきていることも然り、カルトや詐欺や似非と、きちんとした魔術や魔女を区別できない人が多かったりする。そんな現実に絶望すら感じる。子供に教えるようなところから教えなければならないのかと。
今現在受け持っている生徒・弟子は非常に優秀で、魔女の教えであるWiccan Rudeや、カバラや魔女の生活も身についている。しかしながらそういった理由で、しばらくは新規の生徒・弟子を募集しないことにした。

これは苦悩の末の決断であることを理解してほしい。わたしだって魔女や魔術の在り方を広く伝えたい。そのために黒猫魔術店をやったも同然なのだ。しかしこうも私利私欲、エゴ、他を害してまでも自分だけがよければいいという考え、なにより信頼していないのに知識だけを盗もうとするその考えに、疲れてしまったのだ。

誤解している人も多いかもしれないので、今一度話すと、魔女や魔術の教えは生活の中にある。占いの技術や魔術の知識だけを学んでも意味がない。映画「西の魔女は死んだ」でも言われているが、はじめに魔女の修行をするとしたら

「早寝・早起きをして、植物や動物の世話をして、勉強をすること。このスケジュールを自分で決めること」なのだ。まず早寝早起きもできない、植物を育てていない、勉強もしない、それで魔術の知識だけを得ようとする人が非常に多い。肝心なのはそこじゃないのに。

この教えは、自然に生かされていること、そして自然に死ぬことの大切さを教えてくれている。時間に抗わずに。自分に抗わずに。感情に流されずに。自然の一部でいることを教えてくれるのだ。いい映画だから見て。

何にも依存せず、自分で決めることができる。知識があって判断ができる。そう生きれる方が楽じゃない?
わたしはそう教えてきたんだけど、そう思わない人もたくさんいる。けど、別に賛成してほしいわけではないし、自分がそう生きたいから、そう生きる。朝には畑でヨガして、ハーブの世話をし、午後に仕事をして、夜に手仕事や好きなことをする。それでいい。

仕事をうまくいかせたい、とか、大きな野望があるとかでもない。知識探求に従って、魔女や魔術を研究し、それをレポートしているだけ。それがほんの一部の人の役に立てばいいと思う。

サポートして頂けたら、魔術研究の支援に使わせて頂きます。皆様により良い情報とデータを開示することで生き生きとした魔女活・魔術ライフになるよう願っています。