【ナツモルデッキ紹介】黒歴史再録(全殿堂対応)
くろまいです。
いつも通り旧裏界隈のブログをチェックしていたところ、こんな記事を見つけました。
自分は遠征できるほどの時間的余裕もない上、そもそも進行役のいる大会形式じゃないとロクに他人へ声かけできないコミュ障なので、フリプ専用のデッキを作ってもおそらくそんなに使わないんですが、
『全てのレギュレーションの殿堂をフルに使った上で、ある程度相手と対話可能なデッキを作る』
という構築条件は非常に面白く、勝率の追求とはまた違ったベクトルでの魅力があるな、と感じました。
自分が使ってるナツモルデッキは環境によるパワー差が激しく、白星を増やすためにはメタ読みして構築をちょくちょくいじらないとダメなんですが、勝率は二の次で構築も固定、だけどデッキのコンセプトはどのレギュであろうとちゃんと押し付ける、という視点は今まで持ったことがなかったので、後学のためにも一度チャレンジしてみようと思い、今回記事にしました。
※自己満や思考実験に近いデッキなので、『解説』ではなく『紹介』の体でいきます。
デッキレシピ
2024年9月現在、稼働している全ての殿堂に準拠
殿堂内訳
新殿堂:
バリヤード(ジャングル)★★
エレブー(第一弾)★★
ププリン(neo2)★
ムチュール(プロモ)★
鋼エネルギー×2★★
8/8点
ハレツー殿堂2302:
バリヤード(ジャングル)★★★
ミュウ(コロコロプロモ)★
わるいクロバット×2★★
鋼エネルギー×2★★
8/8点
高槻殿堂2304:
バリヤード(ジャングル)★★★
わるいクロバット×2★★
ムチュール(プロモ)★
鋼エネルギー×2★★
8/8点、ポケモン15枚以上
クラシック2016:
バリヤード(ジャングル)★
エレブー(第一弾)★
ププリン(neo2)★
ムチュール(プロモ)★
4/4点、ポケモン20枚以上
うずまき殿堂2311:
バリヤード(ジャングル)★★★
ミュウ(コロコロプロモ)★
わるいクロバット×2★★
鋼エネルギー×2★★
8/8点
プレイジム殿堂2401:
バリヤード(ジャングル)★★
鋼エネルギー×2★★
4/4点、ポケモン15枚以上
名古屋殿堂2409:
バリヤード(ジャングル)★★★
わるいクロバット×2★★
ププリン(neo2)★
鋼エネルギー×2★★
8/8点
概要
いつものやつです。忙しい方のために3行で説明すると、
序盤を壁で凌ぎ
ナツモルとヤドランで遅延し
アタッカーで〆るかそのままLO
というカンジのデッキになります。
長文記事もあるのでよかったらどうぞ。
今回は先述のとおり、勝敗よりも相手を対話のテーブルにつかせる、というのを第一目的として構築しました。
完成までの流れ
条件達成にあたり、当然ながらまず最初にやるべきはレギュレーション毎の殿堂ランクを比較することです。
執筆時点(2024年9月)で稼働しているのは下記の7つ。
・新殿堂
・ハレツー殿堂
・高槻殿堂
・クラシック2016
・うずまき殿堂
・プレイジム殿堂
・名古屋殿堂
これら7レギュレーションのうち、全殿堂フル使用にあたって最大の鬼門となるのがクラシック2016です。上限4点で微調整がきかない上、ポケモン下限20枚+全ベイビィとエレブー・エビワラー・ストライク・ブーバーに1点というのが非常にきつく、デッキによっては相当な縛りプレイを強要されます。パソ通とエネエネとゴース&コダックが0点という長所も、他レギュと共存させる前提では空気です。
またハレツー殿堂とほぼ同じ内容なのに上限だけは4点、というプレイジム殿堂も、ハレツーを基準にすると細かく刻めた点数配分が通用せず、結果としてデッキ内容のダウンサイジングになりがちです。
今回みたいな組み合わせ最適化問題は、人力ならナンプレやシフト表作りよろしく選択肢の少ないところから先に埋めるのが鉄板なので、自分のデッキのメインギミックを上記2レギュに適応させたのち、残りを比較的融通がきく他のレギュと照らし合わせて調整、という順番でいくことに。
ナツモルデッキは基本、
に殿堂ランク消費してメインギミック(ナツモル+ヤドラン)のパワーを担保し、残りの殿堂とアタッカーの色で見たい相手への対策を仕込む、という構造になっています。
これを上記2レギュで再現しようとした場合、クラシック2016では
とかなりの余剰が出るのに対し、プレイジム殿堂では
と、殿堂を1点超過してしまいます。
そのためコンセプトを貫くならバリヤードをミュウ(コロコロプロモ)で妥協するか、あるいはリサエネをドードリオ(ジャングル)で妥協する必要がありますが、ミニスカエンテイという理不尽が潜む新殿堂でも使う都合上、バリヤードをオミットするのはさすがにコンセプトの根幹が揺らぐこととなるため、今回はリサエネの方をドリオに変更。
ドリオの採用によってデッキとベンチの枠は圧迫されますが、リサエネと違って手貼り権は消費しないし、元々クラシック2016のルールでポケモン下限は20枚なので、それを満たすためだと思えば一概にデメリットとも言い切れないです(元々ナツモルは盤面作成型のコンボデッキなので、採用ポケモンが多くなりがちでドリオなしでも実は普通に20枚超えそうなのは内緒)。
またこれでプレイジム殿堂は4点分が全て埋まったので、ここを基準に他レギュとの調整をしていきます。
まずはプレイジムと内容が非常に似かよっているハレツー殿堂・うずまき殿堂との調整です。この2レギュではともにバリヤード★★★、鋼エネルギー×2★★なので、8点フルに使うならハレツー/うずまきでは殿堂ランクがついていて、プレイジムでは殿堂なしのカードを3点分採用する必要があります。
この条件を満たすのはわるいマタドガス、わるいクロバット、ミュウ(コロコロプロモ)、くいしんぼカビゴンの4種ですが、これらのうちコンセプトとの相性が良いのはわるクロとミュウなので、前者を2枚、後者を1枚の合計3点採用することとします。
この時点で今回のデッキは草軸になることが確定、過去の構築を参考にできそうなので、完成形のイメージを今のうちから持っておくこととします。
(去年9月にハレツーで使ったやつ)
ポケモンの枚数は20枚を超えているため、このまま進めてよさそうです。
これで7つのうち3つのレギュで殿堂を全て消費したので、残る4レギュの現状について確認します。
高槻殿堂、名古屋殿堂が残り1点ですが、これら両レギュともに殿堂1点で、かつプレイジム/ハレツー/うずまきでは0点、というカードは存在しません。そのため高槻では1点だけど名古屋では0点のカードと、高槻では0点だけど名古屋では1点のカードを組み合わせる必要があります。
前者に該当するのはピィ(プロモ)/ムチュール(プロモ)/ストライク(ジャングル)、後者に該当するのはププリン(neo2)/ドンファンです。これらのうちドンファンはピン指ししてもあまり意味のないカードなので除外し、名古屋殿堂の残り1点はププリン(neo2)に決めます。
あとは限られた選択肢の中から最適解を選ぶだけです。高槻殿堂は先述の3枚のうち1枚にするとして、その上で残りの新殿堂・クラシック2016ともに点数をフルに使え、かつ他レギュとも矛盾しない組み合わせは以下の4通りしかありません。
①ピィ(プロモ)+エビワラー(第一弾)
②ムチュール(プロモ)+エレブー(第一弾)
③ムチュール(プロモ)+ブーバー(化石)
④ストライク(ジャングル)+エビワラー(第一弾)
今回のデッキは相手を対話のテーブルに乗せる、というのがメインコンセプトなので、それを最も遂行できそうなものを上記の中から選ぶこととします。
対話のできるデッキ、というのは諸説ありですが、個人的には
(1)相手のデッキを問わず何かしらの回答か、それが無理でも最低限の誤魔化しを用意できる
(2)小技やシナジーが豊富で、とれる選択肢が多い
(3)後攻1ターン目からの捲り手段がある
(4)対話拒否要素をさらに拒否できる
(5)相手ベンチやエネへの干渉手段がある
あたりがクリア出来ているデッキを指すのかな、と考えています。
上記(1)~(5)の役割をここまで採用したカードに当てはめると、
バリヤード→(1)(2)、ミニスカエンテイ限定で(4)
ミュウ→(1)(2)(3)、トレーナーロック限定で(4)
わるクロ→(1)(2)(5)
ププリン→(3)(4)
となり、最低限のコミュ力はあるものの、コンセプト達成のためには(3)(4)(5)をもう少し補強したいところです。
そういった前提で先述の①~④を見比べた結果、
・わるいゴルバットと併せることでププリンが機能しないベトンを誤魔化せ(1)、鋼を貼っても打点が下がらず(2)、ベイビィ判定によるターンパスが狙え(3)(4)、ベンチの弱いところをピンポイント狙撃できる(5)ムチュール(プロモ)
・わるクロで簡単に倒れず、先攻をとれば相手のわるオニを進化前に潰せて(1)、鋼を貼ることで自傷ダメージを軽減でき(2)、でんきショックでトレーナーロックに屈せずミニスカエンテイのほのおのつばさが確2の(3)(4)エレブー(第一弾)
を使える②のパターンが最もパワー向上に貢献しそうだったので、パズルの最後のピースはこの2枚に決まりました。
これで全殿堂フル使用は達成しましたが、コンセプト強化のためにもう少しだけカードを採用します。
まずは定番のサイド落ちケアですが、今回は一番落ちてほしくないバリヤードと似た枠でミュウを採用しているため、万が一の場合もそちらで代用することができます。
こんなカンジで券種こそ同じでなくても、結果的に似た役割をこなせるカード同士をペアで採用すれば、コラッタで拾う手間をかけずとも最低限の動きを保証でき、相手へのレスポンスが速くなってコミュ力が上がります。
上記の考えを実現すべく、これまで採用を決めたカードを役割ごとで2枚ずつになるよう配置すると、
・メインギミック
ナツメのコンパン×2
ナツメのモルフォン×2
ヤドン×2
ヤドラン×2
・ストッパー
バリヤード、ミュウ
・リソース保護
ドードー×2
ドードリオ×2
・メインアタッカー
ズバット×2
わるいゴルバット×2
わるいクロバット×2
・序盤の壁(高HP+1エネ状態異常ワザ持ちのたね)兼サブアタッカー
エレブー
・序盤の壁(ベイビィ)兼ロック対策
ププリン、ムチュール
となり、エレブーだけペアになるポケモンがいません。そのためこの枠にもう1枚カードを採用します。
これ以上殿堂消費せず、HP70以上で似た役割を果たせるポケモンはラプラス(サザン)かベロリンガ(ジャングル)です。今回はこれらのうち、
・虹エネ自傷をやさしいうたで軽減しつつ、れいとうビームでナツモルが受けられない炎の弱点をつける
・自己回復によりわるクロ、中打点アグロに強い
・鋼1枚手貼りでミニスカエンテイのほのおのつばさを誤魔化せ、2枚貼れば鋼ラッキーの打点をシャットアウトできる
・ドリオで逃げ0になり小回りがきく
等、メリットがより多いラプラスの方を採用することとします。
これでポケモンの数が全部で24枚になりました。先述した草軸のナツモルデッキはポケモン22枚、トレーナー25枚、エネルギー13枚という配分なので、トレーナーかエネからポケモンのために2枚分の枠を開けることにします。
上記トレーナー25枚と、エネ13枚の内訳は以下の通りです。
トレーナー25枚
オーキドはかせ 4
ウツギはかせ 4
マサキ 2
クルミ 3
ナツメの眼 2
ポケモン交換おじさん 4
夜の廃品回収 2
マダツボミのとう 1
ワープポイント 1
フジろうじん 2
エネルギー13枚
草 5
超 1
レインボーエネルギー 4
鋼エネルギー 2
リサイクルエネルギー 1
これらのうちリサエネの枠は確定で空きますが、それ以上エネを削ると序盤にテンポよくエネが貼れなくなるため、最後の1枠はトレーナーからこじ開けます。
ドロソサーチと夜廃の数はこれで固定、スタジアムは錯乱ジム、ワーポはカビゴン/ヤミカラス対策で抜くことはできないため、消去法で2枚あるフジろうじんのうち1枚の枠を譲ることとします。
ついでにトレーナーやエネの細かいところもいじります。まずスタジアムは相手依存かつ局所的なメタであるマダツボミのとうより、貼ったターンは必ず恩恵を受けられ、相手のダメージ計算を狂わせられる抵抗力低下ジムの方が対話というコンセプトに合致しているので、そちらと差し替えます。ワーポと併せてカビゴン/ヤミカラスをより強く見る意味合いもあります。
また元々のデッキは草5・超1の割合ですが、今回はわるクロラインの枚数を絞っていること、超を増やすことでヤドン・ミュウへの手貼り率が上がりトレーナーロック耐性も増すこと、虹エネを貼れなくても草・超の2エネがあればナツモルを起動できることなどを踏まえ、草4・超2の割合に変更します。
これで完成!と言いたいところですが、最後にどうしても採用したいカードがあります。エイパム(neo1)です。
時間無制限のフリプを想定したデッキなので、採用すればリソース切れを気にせず対話が楽しめます。役割の多いフジろうじん/虹エネ/鋼エネを回収できるのもメリットで、リサエネ不採用によるエネ事情の逼迫を緩和できます。
この役割はあえて言うなら逃げエネというリソースを保護するドリオと被っているので、対エリウツ以外でドリオを2体立てるメリットはさほどない点、そもそも2体立てるベンチの枠もない点、最悪サイド落ちしてももちさるで夜廃を回収するか、逃げ0のナツモルとわるクロをぐるぐるすればなんとかなる点を加味し、2枚あるドリオの1枚を差し替えることとします。
これでようやくデッキが完成しました。
個別紹介
環境に合わせて構築を尖らせメインプランの達成率=勝率を上げる、といういつものデッキとは違い、器用貧乏に毎ターンアドリブで55点ぐらいの出力を維持し続けるデッキなので、プレイングのコツや対面ごとの相性は今回意識していません。代わりに相手とのコミュニケーションの質を上げるため、各カードができることは1枚残らず隅々まで把握しておく必要があります。
そんな小ワザを覚えておくための備忘録がわりの項目になります。
ポケモン24枚(たね15枚)
・ナツメのコンパン×2、ナツメのモルフォン×2、ヤドン(neo1)×2、ヤドラン(化石)×2
メインギミック。
メガバナ・カメックス・グドラ・ハガネール・鋼ラッキーなどの逃げエネ重め中打点が役割対象。メインと言いつつ使うのは大体3試合に1回ぐらい。
コンパンはリムーブワザを持っているので、バリヤードやミュウが通用しない場合、ベイビィを盾に育ててエネエネ相手にワンチャン狙う、というプランが一応あります。
モルフォンは先述のとおり、このデッキなら夜廃で回収可能な草エネと超エネ手貼りで起動できるので、虹エネが全部落ちても一応動けます。
ヤドンは対話拒否の筆頭であるコダック/ゴースを咎めるためにneo1一択。一応進化ができなくても抵抗力低下ジム+虹エネ2枚みずでっぽうでヤミカラスを殴れるのは覚えておくべきです。
ヤドランは60打点を受けるために理想は2体立てたいですが、この枚数だとギリギリなので、足りない分はナツモルに鋼を2枚貼ったりバリヤード/ミュウを適宜噛ませたりして頑張ります。ちなみにヤミカラスを抜けるには抵抗力低下ジム+ねんりきの他に、だましうちの打点をへんなこうどうで自身に集めてから虹エネで自傷きぜつ、というサクリファイスエスケープもできます。
・バリヤード(ジャングル)、ミュウ(コロコロプロモ)
ストッパー役。
バリヤードの方が役割範囲が広く、アタッカーにもなれるので優先ですが、ワタッコライン、マグマラシ→ファイヤーブーストバクフーン、ライチュウ(neo3)、わるゲンに対してはミュウの方が刺さるため、相手によって使い分けるのが理想。どっちでもいけるなら両方出して単発のまきベトをケアするもよし。
また鋼を2枚貼ることで、ミュウは一部の進化前たね、バリヤードはくいカビとRサンに対して鉄壁の耐性を得られるので、狙えるなら狙います。
ヤミカラスロックされてもバリヤードは抵抗力低下ジム+わるクロラインの特殊能力込みでワンチャン抜けられますが、ミュウは完全になすすべないため注意。
・ドードー(第一弾)×2、ドードリオ(ジャングル)、エイパム(neo1)
リソース保護役。
ドリオは基本出し得ですが、ピン差しになったことでエリウツ特訓ジムへの耐性がなくなったため、もしマッチしたら封印するか3エネ貼って放置し、かおりのわなで呼ばれた場合にいかりでカウンターする構えを見せておきます。一応虹エネ自傷とのシナジーもあり。
エイパムで戻したいカードは先述のとおりですが、ドリオがサイド落ちしてるなら夜廃を最優先で戻します。ちなみに山が1~2枚でその間ずっとコイン裏だと、こいつの手貼りとワザ宣言ばかりで他の動きができなくなるため、もちさるのは気持ち早めにした方がいいです。相手が混乱で止まって暇なターンが狙い目。
・ズバット(neo3)×2、わるいゴルバット×2、わるいクロバット×2
メインアタッカー。
先1どくをとばす→先2進化こっそりかみつく→ふらふらとぶという動きが極めて優秀で、HP60以下のバトル場はきぜつ、壁役であっても毒が残り、ベンチ狙撃へシフトしてベイビィやビリリダマを狩ったりもできる最強の誤魔化しです。そのため狙える場合は積極的に狙います。
ふらふらとぶのベンチへ20打点は中盤以降でも混乱と絡めて活躍の機会があり、特にベトンを4発で倒せるのはこいつだけなので、わるクロを乗せるタイミングはよく考えた方がいいです。
わるクロはLO適性が高い代わり攻撃力に難があるため、サイドを取りきりたい時は、ヨガのポーズの元本となるダメカンを適当にばらまいてからバリヤードに交代します。
鋼要塞が相手の場合は先にベンチを殲滅したのち、残ったバトル場に毒を仕込んで突破、というプランを狙います。
フジろうじん+エイパムで特殊能力を使い回すのもあり。
・エレブー(第一弾)、ラプラス(サザン)
壁役兼サブアタッカー。
エレブーは先攻で初手に虹エネがあるならわるクロラインよりも低い要求値で序盤を荒らせるので、相手バトル場のHPが低いなら優先的に対面させたいところ。特にベイビィは早いとこかみなりパンチで盤面から消したいです。
逃げ2で自傷リスクもあって回復による再利用向きのポケモンではないため、基本は使い捨てた方がその後の展開がよくなりやすいものの、弱点をつける水対面なら鋼で自傷を失くしつつ大切に守りながら戦っても可。
ラプラスは後攻を取った際の最初のサーチ先として安牌で、弱点をつかれない限り自己回復込みで相当な時間を稼いでくれます。痺れを切らして進化してきた相手アタッカーをナツモルの混乱でキャッチできれば言うことなし。ワーポ込みで相手のわるゲンを逆利用することもできます。
先述しましたが、鋼1枚手貼り+やさしいうたでミニスカエンテイのほのおのつばさを(50-10)÷2の期待値20点にして受けが成立するので、バリヤードの代役として立ててもいいかも。
・ププリン(neo2)、ムチュール(プロモ)
壁役兼ロック対策。
ププリンの採用は消去法ですが、対話拒否してくるわるラフとプテラをピンポイントでメタってくれるので、結果的にコンセプトとは合致する形になったと思います。
ムチュールはプテラ相手にププリンがサイド落ちした時の誤魔化しで、鋼貼って確定数を変えつつちまちまベンチのプテラと化石をしばきます。
対ロック以外でも混乱+ベイビィ判定+ベンチ狙撃の押し付けは強く、わるクロラインと絡めるとバカにならない火力が出ます。逆に相手のわるクロに弱いのには注意ですが、わるゲンなら鋼を貼ることで確1にならず、逆にベイビィ判定を押し付けることができます。
一応ベイビィが2枚採用となったことで、ひかライに対して2枚同時に出してワーポを封じつつ、後続を待ちながらなげキッスで削る、という超細い勝ち筋が残るようにもなっています。
トレーナー24枚(ドロソ15枚、サーチ4枚)
・オーキドはかせ×4、ウツギはかせ×4、マサキ×2、クルミ×3、ナツメの眼×2
いつもの。
混乱でターンを稼いでナツメの眼、という動きが強いですが、このデッキはポケモンごとのラインが細いので、盤面を作るためにはエイパム期待で強引にオーキド、という豪胆さも必要です。
・ポケモン交換おじさん×4
アドリブの中継役。ぶっちゃけ4枚じゃ足りないくらい重要。
最初の1回で必ずサイド落ち確認をし、今回の試合で取れるプラン・サーチの切り先・どこまでを素引きで許容するかをよく吟味して下さい。傾向として特に山の厚い序盤は攻め(わるクロライン/エレブー)か守り(ラプラス/ムチュール)にサーチ先を特化させた方がよく、そいつらであーだこーだやってるうちに素引きしてきたナツモル/ヤドラン/ドリオを準備し、足りない分やストッパー役へ残りのサーチ、という流れだと無駄がないです。
・夜の廃品回収×2
定番のリソース回復。
このデッキはわるクロラインを戻せば特殊能力を再利用できるので、バリューは他のナツモルデッキに比べて少し高め。とはいえ優先すべきは基本エネとストッパー役の方です。
バリヤードとミュウを相手がなんとか突破した直後、夜廃で2枚まとめて戻す、という動きができると楽しい。
・抵抗力低下ジム
スタジアム枠。
ハレツーでしか使わないならマダツボミのとうの方が強いですが、ヤミカラスも見る必要があるのでこっち。
先述しましたが、相手がスタジアムを握っていようと貼ったターンだけは絶対に効果を享受できるので、詰み防止で入れている都合上貼るのはギリギリまで我慢した方がいいです。
・ワープポイント
詰み防止その2。
ヤミカラスやカビゴンに特化するならポケモンいれかえにするべきですが、今回は相手との対話がコンセプトなので、カード1枚あたりの役割は極力多い方がいいです。
ベイビィをベンチに押し込んでからわるクロとムチュールで確実に処理、といったうまぶりも可能。
・フジろうじん
ナツモルデッキとあまりにも相性が良いパワカですが、2枚以上は必須でないことからどうしても他に枠をとられがちな悲しみのカード。
ヤドランの使い回し、わるクロの特殊能力再利用、ベンチの負け筋ポケモン回収、山札の回復とできることが多く、その全てが優秀。
序盤に仕事がないのが唯一の欠点ですが、それでも一試合中に必ずお世話になるため、オーキドからは最優先で保護します。余裕があればエイパムで使い回したい。
エネルギー12枚(基本エネ6枚、特殊エネ6枚)
・草×4、超×2、レインボーエネルギー×4、鋼エネルギー×2
リサエネをオミットしてるのでかつかつですが、一応一試合中に使う想定のポケモン達に対し、
ナツモル→虹、鋼
エレブー→虹、草
ラプラス→虹、虹
わるクロ→草、草
バリヤード→超、草
ミュウ→超
ムチュール→鋼
という貼り方でピッタリ使いきれるようにはなっています。ここから初手出したカードの逃げエネやサイド落ち、ヤドンがねんりきを使った場合の手貼り分と、プラン上使う必要がないポケモンの分を足し引きしつつ、エイパム+夜廃で使い回してやりくりするカンジです。先述しましたが、虹エネが全部落ちてもナツモルが夜廃だけでワザを使えるようになるのは地味に安心。
鋼エネはプレイジムだと8点換算で4点分もとられてるので、ナツモルを出さない試合でも極力無駄にならないよう、貼り先のポケモンはできるだけ多くしています。
デッキ名の由来
大森靖子の隠れ名盤、『黒歴史再録』が元ネタです。
ナツモル/バリヤード/わるクロというメンツが小学生の頃使っていたデッキと似ていたので、クロバットの黒と、リブートの要素を含むことから拝借しました。
当時使ってたデッキはこちら↓
成人した今でこそ陰キャを特に隠す気もないですが、当時は自分なりにコミュニケーションへの欲求と危機感があり、ポケカに触ったのもその辺を少しでも改善できれば、との思いからです。
小学生のカード資産なんてたかが知れてますが、それでも当時はやっとこさ作ったデッキにピン差ししたポケモン達で精一杯自己表現してたよな、と、同じくフリプ向けでラインの細い今回のデッキを作っていて思い出しました。
まとめ
総合的な勝率は多分50%以下ですが、どんな相手にも引きとプレイング次第で最低限ちょっかいはかけられるので、『壁とやらずにこっちへ投げろ』という強い意志だけはレシピを通して一貫できたかな、と思います。
また券種が丁度30枚、ポケモン:トレーナー:エネの配分がピッタリ2:2:1、毒・眠り・麻痺・混乱といった状態異常付与ワザをデッキ内で全て網羅している等、インテリア的な芸術点の高いデッキに仕上がったというのも自己満足度が高いです。
全殿堂フル採用デッキは殿堂が変更になったらまた一からの調整を余儀なくされる、という懸念点はあるものの(プレイヤーがデバッガーを兼任する前提であえて攻めた内容にしている名古屋殿堂が特に怪しい。ププリンなんていつ0点に戻ってもおかしくないし)、完成したパズルを眺める時みたいなQOLの高まりを実感できるので、勝負ごとに疲れた時にでもちょっと考えてみると楽しいと思います。
おまけ
今回の全殿堂フル採用レギュ、他にも作る人がたくさん出てきたら一度オフでお披露目兼対戦会とかやったら楽しそうです。内実は縛りのきつくなったクラシック2016なので、ハレツー以上に2進化が殴り合う大怪獣バトルになりそう。
自分は無人島問題みたく限られた条件下で満足度を最大化する妄想が大好きなので、こんなクソ細かいレギュでもワンチャンいけそうなやつらを最後に列挙しておきます。試してダメそうだったら消します。
・リザードン
カツラギミックであれば全ての殿堂をすり抜けられます。殿堂0点たねの中では頭ひとつ抜けて強いホウオウ(neo3)を無理なく採用できるのもポイント。
・メガバナ
メガニウムとポケセンが概ねトレードオフになっているので、これも殿堂ごとで点数にさほど差が出ません。ベイビィとかで点数を微調整する形になりそう。
→試してみましたが無理でした。ワザップ。
プレイジムに合わせるのがキツ過ぎた…。
・カメックス
1枚しか採用できませんが、それでも十分なパワー。水は単色で弱点を分散できるのも強いところ。準備に時間を要しそうなので、序盤はカスミのニョロモで速攻するか、ラプラスで粘るといいかも。
→これもワザップ。カメは値崩れが激しいので合わせ辛かったです。
・わるクロ
たねや1進化で戦う場合の選択肢。冒頭の記事でも触れられていますが、おうごんのみと組み合わせることで点数を微調整できます。
・ピクシー+リムーブ×2
たねや1進化で戦う場合の選択肢その2。殿堂によってレートが変わらない金の延べ棒。2進化対策/特殊エネ対策/ロック系置物対策を内蔵している優秀なパッケージで、これにドリオ+ラプラスあたりを加えればアタッカーがなんであれデッキになりそう。
・ピチュー(neo1)
ベトンと違って殿堂ごとでレートの値崩れが起きない安定した特殊能力メタ。このレギュは全てのベイビィが実質2点以上なので、入れるなら一番パワーのあるこいつがおすすめ。いっそのこと2枚採用でも面白そう。
こんなカンジ。ピクシー+リムーブはマイナーポケと組ませてもそこそこのパワーが担保できるので、推しで全殿堂フル採用デッキを作る際は参考にしてみて下さい。
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