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短歌をはじめたきっかけ。

はじめて短歌を詠んだのは2016年12月頃です。
お世話になっている朗読の先生が東直子さんをゲストに朗読会を開催し私も参加させて頂きました。

そのイベントの中で短歌を講評をして頂けるコーナーがあるとの事で、私も簡単な気持ちで参加しました。五行歌や詩は書いていたのですが、短歌は全くわからない。

そこで、まず、東直子さんの『短歌の不思議』(ふらんす堂)を購入しました。とにかく読んでみて、なんとなくパッと作って締切ギリギリに提出しました。なんだか、とても恥ずかしい気持ちで投稿しました!

主催の朗読の先生は、他の方の短歌と違っていたので、読んで笑ってしまったようです。

パッタパタ羽ばたくシーツつかまえて空の自由を抱いて眠ろう/黒乃響子

東直子さんからの講評は全体的に褒められた感じで、動詞が多いのが少し気になるけど、これはこのままでも良いかな、というお言葉を。

はじめての短歌で、なんだかとても嬉しい気持ちになりました。その時は短歌をつづけて行くとは全く思っていませんでしたが、この日の東さんとの出会いがあったから、私は今も短歌を楽しんでいられるのだと思います。

その後、東京歌壇にはじめて投稿した短歌が掲載されて、益々良い気分になり、投稿する日々が始まりました。でも、全然詠めなくて投稿もあまり出来ません。毎週、掲載される短歌をみて、凄いな〜と驚くばかり。

そして、すぐに東京新聞電子版を講読する事にしました。新聞の情報は今までと違ってとても新鮮でした。客観的な情報を得る事が楽しくて、知らない事を知るのに新聞て面白いなと今ごろ知るなんて。

毎週、東京歌壇を読んでいると選者の方はもちろんですが、常連の方のファンにもなっていくんです。偶然、歌会でお会いできた事もあります。東京歌壇は今も新しい方が新鮮な短歌を届けてくれて毎週の楽しみになっています。

私も毎週ちゃんと投稿できていたら、掲載の楽しみも増えるのですが、沢山詠める方じゃないので、今もポツリポツリの投稿です。それでも掲載されると、ほんと嬉しいものですね。誰かの心に残ることが嬉しいです。

私は普段、朗読していて有難いことに講座を持たせてもらっています。朗読にも朗読コンテストなどもいろいろあって、私も今まで挑戦してきています。朗読コンテストは正解を求めて、どうしても熱くなってしまいます。審査員の好みもあるとはわかりつつ、その好みがわかりづらいので、悩み模索してしまいます。

短歌をはじめてからは、朗読にも正解を求める事はしなくなった気がします。私らしく、皆、それぞれの個性を出しつつ良いものを求めていけたらと、朗読もそんな風に思えるようになりました。もちろん、生徒さんにもです。

朗読はただ文字を言葉に、声にするだけの物ではありません。作品世界の解釈、何が書かれているかを理解する事がまずは大切です。そこから、やっと表現にひらいてゆく。どこかで、短歌を詠む事にも良い影響があるのかなぁと思っています。

短歌と朗読。朗読がきっかけで短歌を詠むようになったので、これからも良い関係で続けていきたいです。昨年の東京歌壇では初めて詠んだ朗読の歌を年間賞に選んで頂けました。朗読の事を短歌にしたいと思いつつ、なかなか出来ずにいたのですがとても嬉しくて、令和二年らしい歌として私のなかでも大切な歌となりました。

オンライン朗読会は春の日のひかりをはこぶ 聞こえていますか/黒乃響子
(東京歌壇 2020年年間賞 佐佐木幸綱選)

今年はもうすこし、明るい未来が見れると良いですね。
もうすぐ桜も満開に、春がやってきます。



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