短歌のきろく⑤
2022年1月〜掲載短歌や歌会詠草を書き残します。これからも楽しく詠んでいきたいです。
【2022年掲載短歌】黒乃響子
■東京歌壇 東直子 選〈2022/10/9掲載〉
樹の下に眠りつづける蝉がいる 日々を目覚めてシーツも洗う
■東京歌壇 東直子 選〈2022/7/3掲載〉
雑音に紛れて街を摺り足であゆめば私も街の雑音
■角川歌壇 7月号〈2022/6/25〉
ホームにて迷い女(びと)の放送をきく空いたベンチはひとつもなくて〈林和清 選/佳作〉
■東京歌壇 東直子 選〈2022/6/5掲載〉
繰りかえしスルメのように炙られて眠れぬながい夜の寝がえり
■東京歌壇 東直子 選〈2022/4/24掲載〉
悲しみを笑って話すしかなくて切り分けたロールケーキの甘さ
■東京歌壇 佐佐木幸綱 選〈2022/3/13掲載〉
マフラーの編み目をすべて解きほどく取り戻せない時間を生きる
■角川歌壇 4月号 〈2022/3/25〉
この人は殺される運命かもしれず、闇の気配にページをめくる〈木村雅子 選/秀逸・前田康子 選/佳作〉
胸底に降りつづく20デシベルの雨音に、ねえ、気づいてほしい〈喜多弘樹 選/佳作〉
サーカスのテントの象のみる夢は夕凪の海のはるかな旅路〈内田弘 選/佳作〉
■東京歌壇 東直子 選〈2022/1/16掲載〉
中野駅の西陽のつよい構内を影踏まれつつ踏みつけてゆく
■東京歌壇 佐佐木幸綱 選〈2022/1/16掲載〉
パーテーション付きの学食で語りあう看護学生 二年目のふゆ
■角川歌壇 1月号 〈2022/12/25〉
話したくない夜もある 街中を洗いながせよコインランドリー〈水原紫苑 選/佳作〉
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?