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日本特殊陶業 20年分の決算を分析して分かったこと

高配当銘柄としても知られる日本特殊陶業

上昇基調にある日本特殊陶業の株価

配当利回り3%以上で何かいい銘柄がないか探していたところ、名古屋市に本社を置く日本特殊陶業に目が止まりました。自動車用スパークプラグ(NGKブランド)で世界トップを誇る老舗企業です。

今期の予想配当は166円で、12/9の終値ベースで見るとその利回りは5.39%と非常に魅力的です。

ただ、前期の本決算が発表された後、それまで2000円前後で推移してきた株価が一気に2300円以上に切り上がり、3000円を試す所まで上昇。直近は2600円近辺で推移しており、過去3年のスパンで見るとちょっと加熱気味な印象に見えます。

まさに開くワニの口?

各年度末の終値の推移を対理論株価で見てみると…

現状、高配当な上にPERも10倍以下、PBRも1倍前後とまさにバリュー株の代表格とも言える日本特殊陶業。

過去20年間の株価を対理論株価でみた場合、その割合がどのように推移してきたのかを示したのが上のグラフの青い線になります。

平均すると、理論株価の75%で推移してきたことがわかります。理論株価を超えたのはリーマンショックの影響で赤字転落した2009年とその翌年のみ。これらを除くと、実際の株価は年々、理論株価を大きく下回ってきており、直近は過去最低水準の30%台まで落ちてきています。

その一方で、配当額は上昇傾向にあり、特に前期から大幅に増額され、まさに開くワニの口の様相を呈しています。

ちなみに、ここで使っている理論株価は有名個人投資家の「はっしゃん」さんの計算式を用いています。

この計算式で来期の業績予想を元に計算すると、8420円という理論株価がはじき出されます。
ちなみに、ダイヤモンドZAIの最新の理論株価をみてみると4277円となっています。

対理論株価の平均が75%でしたので、とりあえずは3200円あたりを目標株価に設定できるのではないでしょうか。

脱・内燃で成長できるかが鍵

リスク要因としては、なおも売上高の約8割を内燃機関関連が占めていることでしょうか。もちろん会社としてもすでに新規事業の開拓に着手しており、医療関連や燃料電池、全固体電池などの新分野の育成に力を入れています。

中長期経営計画によると、内燃機関関連を2030年に6割、40年に4割まで下げるそうです。これが順調に進むというシナリオでエントリーしてみる価値は十分にありそうです。

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