どのようにしたらより聞き手を引き込むことができるか（作詞の場合）

先日こんな質問がありました。

『どのようにしたらより聞き手を引き込むことができるでしょうか』

引き込む、つまり、その曲に引き込まれる、聴き入ってしまう、ということですよね。


逆にあなたはどんな曲に引き込まれますか？

あなたが曲に引き込まれるのはどんな時でしょう。家族でいる時？1人でいる時？移動中？寝る前？


そしてその歌詞の内容は、どんな内容でしょうか？


私の考えを読む前に、
よしよろしければ、あなたの意見を考えてメモしてから先に読み進めてくださいね。

その方が気づきが多くなると思います。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


私の場合は、まるで自分のことを代弁しているかのような歌詞の内容の時、引き込まれ、耳を傾けてしまいます。

作詞家としては、面白い言葉の言い回しをしている曲、効果的な言葉の言い回しをしている曲、思わず口に出して歌ってみたくなるような曲

そういった製作者側の技術的な部分を聞き取ろうと聴いている時もありますが

1リスナーとしては　代弁してくれる　が私の１つの答えかなと思っています。




1人の人が、全ての人に好かれるのが無理なように

一つの曲も

全ての人が好きという曲にするのは無理でしょう。



歌詞が歌の詞である以上、

歌詞だけではなく、

作曲者や歌い手、奏　演奏者の表現力、全てが合わさって曲ができているので

その曲に引き込まれる要素は歌詞だけではありません。



しかし、まず、歌詞の言葉だけで引き込無用にしたいのならば、

何をしたらいいでしょうか？


さっきメモしていただいたあなたの答えを追求してください。



私の答えの　代弁してくれる　の場合

代弁するために聞き手のことを理解しないといけません。

聞き手は人間です。

自分と同じような年代、性別の人なら共感するポイントが多そうなので、まずはそこをターゲットにしてみましょうか。

自分と同じ年代、の友人Aに向けて曲を書くことにします。


友人Aであれば、仕事は何をしていて、どんな恋人がいて、何が好きで、どんな性格でという情報が既に私にはあります。

友人Aが引き込まれる歌詞を書くには

友人Aが耳を傾けたり聞きたくなってしまう要素が必要です。

どんなことに耳を傾けたくなるでしょうか。

友人Aの性格、普段の会話の内容を思い出します。



『3年間片思いだった彼が彼女と別れて、ようやく自分が飲みに誘っても来てくれるようになった』

『なんとしてもその彼と付き合いたい』

『3年間彼の彼女になるにはどうしたらいいか努力と研究してきた』

『自分からは告白できないから、なんとしても自分のことを好きになってもらいたい』

『私は、友人を長い間見守ってきて、付き合えたことに拍手喝采！おめでとう、自分ごとのように喜んだ』

どうでしょうか。なんだかその会話の内容が歌詞にできそうではないですか？

そして、友人Aには今恋人がいます。

そうです、その、3年片思いだった彼です。
晴れて付き合うことができた友人Aは幸せいっぱいです。



あなたは友人Aだけに向けた歌詞を書くのなら、内容を友人Aにしか分からない内容でピンポイントに的を絞って歌詞を練っていけばいいですよね。


しかし、友人Aのことを材料に、友人Aをもっと広く他の人とも共通する要素で見ていくと

『長く片思いをしている人』

『20代　女性　彼氏なし』

『自分からは告白できない』

『好きになってもらうため地道に努力する人』

『長年の片思いが実ってやっと付き合えて幸せな人』

という点が見えてくると思います。


つまり、

あなたが友人Aに向けて書いた歌詞でも、友人Aと共通する要素を持っている人にはその歌が刺さる可能性が出てきます。

そこで、友人Aに向けて書いた個人的な歌詞を、名前など個人が特定できるような表現は避けて、少し手直しをしたら、


聞き手のことをあまり意識せず書いたかしより、相手に届きそうな内容ようになっていると思いませんか？


そして、忘れないでほしいのは完成していなくて大丈夫です。

言いたいことが全て書ききれなくても、伝えたい思いの50%しか文字にできていなくても大丈夫です。

歌詞はメロディーにのって、歌われて演奏されて、初めて完成します。

歌詞を書くことが最終地点ではありません。

曲にして初めて完成です。

歌詞になりない部分は

演奏が、歌が表現してくれます。

もちろんそれを頼りにしてはいけませんが、

完璧を求めなくていい、そもそも歌詞に正解や完璧なんかないんです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



◆あなたが引き込まれた歌詞はどんな内容でしたか？
◆なぜ、引き込まれたと思いますか？

この2点を追求してみてくださいね。


冒頭に書いたあなたのメモのそれがきっと、

あなたにしか書けない歌詞を書くヒントになると思います。