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The Long Game | Dorie Clark 著


0. はじめに

書籍備忘録の第一弾として残しておきたい書籍は
『The Long Game』です。
ドリーラーク氏が書いたこちらの書籍は戦略的思考と長期的な視点を持つことの重要性を説いたビジネス書になっています。
短期的な成果にとらわれず、長いスパンで成功を収めるための思考法やアプローチを私たちに問いかけてくれています。
特に現代の社会では、即時の成果や速成の成功が求められることが多い中で、著者はあえて「長期的視野」を強調し、その価値を示してくれているという内容になっております。

私がこの本を手に取ったのは、2023年の年末?に書店で平置きで紹介されており目に止まったことがきっかけでした。
その当時は私自身まさに長期的なキャリアを見つめ直している時期ということもあり、そのタイトルに惹かれたのかもしれないです。

内容を掻い摘む形で私自身が感銘を受けたポイントを抜粋する形で紹介していければと思います。


1. パート1:余白

第1章: 私たちはなぜこんなにも忙しいのか?
この章では、現代社会で多くの人が忙しさに追われている背景を探ります。多くのタスクや情報に圧倒され、本当に重要なことに集中できなくなっている現状が指摘されます。このような状況から脱却するためには、まず「余白」を意識的に作り出し、自分の時間とエネルギーを大切にすることが重要だと説かれています。余白があることで、長期的な目標を見据えた計画を立てる余裕が生まれ、真に価値のある活動に集中できるようになります。

まさに、マルチタスクが求められる現代社会人の多くが抱える悩みだと思います。膨大に情報にアクセスが可能な世界で情報を処理しきれないとか。
人手不足でミッション外の仕事をやっている人など。
本来自分が目指したいベクトルに対して正しくパワーをかけることができていない感覚。感じることってありますよね?
そんなときにドライな判断をしつつも自分の目的に対して正しい方向にパワーかけることができているか?を説いている章になります。

第2章: 魅力的なことに対しても「ノー」と言う
この章では、魅力的に見える機会やオファーであっても、自分の長期的な目標に合致しないものであれば「ノー」と言うことの重要性が語られます。すべてに「イエス」と答えてしまうと、自分の時間やリソースが分散し、結局はどの目標も達成できない可能性が高くなります。長期的な視野を持ち、優先順位を明確にすることで、自分にとって本当に価値のあることに集中する力が養われます。

魅力的な誘惑。まーたくさんありますね。
人手が不足している社会でチャンスはいたるところに転がっているとは思います。ただし、大きなことを成し遂げようとするには。自分の長期的な目標を実現するために計画したマイルストーンがあるなら、目先の利益ではなくて本来自分自身がリソースを投下するべきところに投下するべき。ということを言っています。
そのためにここでもドライな判断をする必要があるかもしれない。ということですね。


2. パート2:集中

第3章: 正しい目標を設定する
この章は、成功を収めるために最も重要なステップである「正しい目標設定」について述べています。短期的な満足や周囲の期待に流されず、自分にとって本当に価値のある長期的な目標を見極めることが求められます。そのためには、自分の価値観やビジョンを明確にし、それに基づいて目標を設定する必要があります。こうすることで、長期的な成功への道筋がはっきりと見えてくるのです。

ここで私が感じたことは言語化能力の大切さです。
おそらく、やりたいことやモヤモヤと感じていることはある人や
解像度が低いゆえにやりたいことがわからなかったり、そのために正しいリソースの使い方ができていない人が大勢いるんだろうなと思います。
かく言う私自身も最近までそういう状態でした。
本書とは別ですが、言語化に関連する書籍を読み漁って共通して言えることがあったので書いておきます。
「とにかく、紙に思っていることを書き出すこと。」
「頭の中にあるモヤモヤしたことを抽象的にでもいいからまずが書く。」
「書き出したた言葉をグルーピングして抽象化する。」
「このトレーニングを日々やることで言語化力が向上する。」
ということです。
私自身も日々実践中です。

第4章: 新しいことに挑戦する
この章では、長期的な成長と成功を目指すためには、新しいことに挑戦し続ける必要があると説かれています。既存のスキルや経験に安住せず、未知の分野や新しい課題に挑むことで、自分自身をさらに高める機会が得られます。挑戦を続けることで、成長のサイクルが生まれ、結果として長期的な成功に近づくことができると述べられています。

魅惑的な誘惑に惑わされるな。といいつつも自分の目的、向かうべきベクトルに対して必要だと思うスキル習得・機会にはチャレンジするべきということですね。ここの見極めは難しいですが、私の場合は基本的にはまずはチャレンジしてみるっていうことを意識するようになりました。
チャレンジすることで失敗だったとしても目的意識をもってチャレンジするすることでなにかしらの示唆を得ることができると思うので。
そのような経験を言語化して自分の中に蓄積していくことで飛躍的な成長に繋がっていくと痛感する日々です。
特に私が関わっているマーケティング・広告の世界は昨日の常識が急に通用しなくなるようなほど変化の激しい業界です。
昨今では生成AIの対等により、様々な業種・職種において変化を感じることが多くなったのではないでしょうか?
あくまでも目線は長期。その中で必要なスキル習得・機会への挑戦は今後も続けていきたいと思っています。
(また他の解釈として、”かけ合わせ”というところもポイントだと思います。「スキル1×スキル2=オリジナルのスキル」なのか、すでに持っているスキルを更に伸ばすのか?という観点もこの章では記載されておりました。)

第5章: 波で考える
「波で考える」とは、成功には浮き沈みがあり、その波にうまく乗ることが重要だという考え方です。短期的な成功や失敗に一喜一憂するのではなく、長期的な視点を持って波を読み、タイミングよく行動することが求められます。波をうまく捉えることで、短期的な変動に左右されず、安定した成長を続けることが可能になります。

私は広告代理店で仕事をしていますが、コンペティションのような機会にお声がけいただく機会がありがたいことに多いです。
ただし勝ち負けがはっきりとつくイベントになっているので、”0”か”100”かという世界で、負けてしまった場合いままで頑張ったことが水の泡になってしまう。みたいな気持ちになることがよくあります。
ただ、ここでも一喜一憂せずにその出来事からの学びを得ることが大切だということだと解釈しております。
今回の敗戦が次の勝利につながるかもしれない。そういう不動の気持ちでいることも大切だということですね。
もちろん、多大な時間と労力をかけて仕上げた仕事がボツになる気持ちがこの上なくしんどいということは理解しているので、私は無理にということは言わないです。ただ経験を次に繋げることが大切だといういことですね。
(反対に成功した場合でも同様で、なぜ成功したのか?再現性がある成功だったのか?をしっかり言語化することも大切だということです。)

第6章: 戦略的レバレッジ
この章では、限られたリソースを最大限に活用するための「戦略的レバレッジ」について論じています。成功を収めるためには、努力だけでなく、効率的な手法や戦略を用いることが不可欠です。レバレッジを効かせることで、自分の影響力を拡大し、少ないリソースで大きな成果を得ることが可能になります。この戦略を使いこなすことで、長期的な成功への道が開けます。

「レバレッジ」という言葉は、もともと「てこ」を意味する英語「leverage」から来ています。ビジネスや投資の文脈では、レバレッジとは「少ないリソースで大きな効果を生み出す手法」を指します。具体的には、限られた資源(時間、労力、資金など)を効率的に使い、最大の成果を得ることを目指す戦略や手法を意味します。

ChatGPT参照

つまり、ここでは成果を最大化するための生産性の話をしていると解釈しました。誰にも時間や動かせる人など使えるリソースは限られているので、その中で目標を実現するためには戦略思考が必要だと著者は書いています。
人手が不足している現代において、自分のリソースをどこにBETすることでパフォーマンスを最大化できるのか?AIが対等して思考を必要としない作業はAIが捌いてくれるようになりました。使えるものは使う。でも際限なくつかえるものではない。そのときの自分の立ち回り方を今一度考えさせられる章であったと思います。

第7章: 正しい人々、正しい部屋
成功には、自分を取り巻く人々や環境が大きな影響を与えます。この章では、成長や目標達成を助けてくれる「正しい」人々や環境を選び取ることの重要性が強調されています。自分にとって最適な環境に身を置き、同じ目標に向かって努力する人々と交流することで、自分自身の成長が加速し、長期的な成功がより現実的なものとなります。

人間は環境に順応すると良く言われます。
つまり、視座が低い組織にいると自分の視座も下がってしまうということ。
競争ができる環境に身を置くことで触発されて成長角度が上がるということ。ですね。
誤解してほしくないことは、あくまでも成長するには自分の意志が必要ということです。環境だけで成長することはまずないです。自分の意思×環境で成長の角度が変わるということです。
よく環境のせいに人をみかけますが、まずは自分が変わることからはじめたいですね。(自戒)


3. パート3:信念

第8章: 戦略的忍耐
この章では、長期的な成功を目指すためには「戦略的忍耐」が不可欠であると説かれています。成功を急ぐのではなく、長期的な視点で物事を捉え、必要な時期まで忍耐強く努力を続けることが重要です。忍耐は、成功に至るまでのプロセスの一部であり、最終的に大きな成果を生むための鍵となります。

耐え。ですね(笑)
挑戦と結果と評価の時間軸はズレると良く言われますが、結果でないなかでも愚直に努力ができるか?評価されない中でも成果を出し続けることができるか?ということです。加えて本書の内容に準ずるのであれば、長期的な目標を達成させるために今正しいと思う選択をすることができているか?ということです。たしかに、周囲と差分をつけられ、相対評価をされたとき悔しい気持ちだったり諦めたくなる気持ちもわかります。私の新卒~3年目までそんな感じでしたので。
比較するなら最終的な成果のサイズで比較したいですね!

第9章: 失敗を再定義する
失敗は成功へのステップであり、成長の機会と捉えるべきだとこの章では述べられています。失敗を恐れるのではなく、そこから学びを得て、次の挑戦に生かすことで、長期的な成功に近づくことができます。失敗を再定義することで、逆境を乗り越え、より強くなるための基盤を築くことが可能です。

本投稿においても再三書いてますが、失敗から何を学ぶかということです。
PDCAのサイクルをゴリゴリ回せているか?という。
失敗から学び、次の挑戦につなげていくことで将来の長期的な目標達成の解像度をあげていきたいところです。(自戒)

第10章: 収穫する
最後の章では、長期的な努力が実を結び、その成果を享受する「収穫」の重要性が語られています。長期的な視野での成功は、努力と忍耐の結果として得られるものであり、その成果を味わうことで、さらなる目標に向かって前進するモチベーションが生まれます。この章は、長期的な成功を目指す人々にとってのゴールと、そのゴールに至るまでのプロセスの意義を再確認させてくれます。

最終的な成果(ゴール)にたどり着いたあとの話です。
自身がいままで頑張ってきたロングゲームからも学ぶことがあるということです。人生がもっとも長いロングゲームと考えるとまだ何か挑戦できることがあるかもしれないですしね!
そういう挑戦し続ける人生を歩んでいきたいものです。


4. まとめ

今回本の要約にChatGPTを活用させていただき、壁打ち相手として頑張ってくれました。限られたリソースを活用して何かを成し遂げる。これもまた一つの方法だと思います。

さて、The Long Gameの備忘録を最後まで読んでいただきありがとうございます!
大きなことを成し遂げるにはそれなりの時間を要するということと相応の覚悟が必要だということがこの書籍の伝えたいことだと私は解釈しています。
めちゃくちゃ端折っているので、興味ある方がぜひ実際に手にとって読んでいただけると私も嬉しいです。
実際の経験をもとに具体的な実例を踏まえてストーリーが展開されるので読みやすい一冊でした。

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