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ファーストシューズ 製作日記 3

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靴作りを仕事にしています。子供のファッションに並並ならぬ意気込みを持つ妻に促されてファーストシューズを作ることになりました。新しいことにはなるべくチャレンジしたくない性格なので、しぶしぶ始めた作業でしたが型紙ができたころには作業に勢いがついてきました。

型紙が出来たら次は革の裁断です。使った革はステアという去勢されたオスの成牛の革です。革は鞣(なめ)し方の違いによって硬くなったり柔かくなったりするそうです。硬い革は靴の形に成形するときに難しいです。難しいことは避けて通りたい性格なので柔らかい革を選びましたが、きっと赤ちゃんも柔らかい革の方が好きなんじゃないかと思います。型紙通りに革を刃物で裁断し、革が重なるところは刃物で薄く削ります。この作業を「革すき」といいます。

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革をすいた量は表地、裏地、芯を合わせるとこのくらいになります。約2年前の写真です。作業台に虫眼鏡がのっています。靴作りは虫眼鏡を使わないといけないほど細かい作業ではありません。たぶん、蛍光灯の光で物を燃やせるか思い立ち、あきらめたんだと思います。いざという時に備えて火起こしを身につけておきたいと思います。

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すいた後は組み立てます。ゴムのりをつけて革の端を折ったり、ミシンで縫い合わせたりします。カカト部分には芯を入れて硬くします。上の写真は表地に芯を縫い付けているところです。

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紐穴の部分には穴が広がらないように補強の革を入れています。補強の革の固定と飾りをかねて縫っています。

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さらに紐穴の補強と飾りをかねてハトメをつけました。裏地は紫色です。何色の革にしようか迷っていたとき、妻に紫はどうかと聞いたら、紫は好きだ、といったので紫にしました。でも本番の靴では無色の革にしました。無色の革と紫の革、両方見せたら無色がいいと言ったのです。最初から両方見せればよかったです。

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アッパーの完成です。ハトメが付いていてハードな感じがかっこいいと思いました。でも赤ちゃんが履く靴にはハードすぎるかな、と思い直して本番では付けないことにしました。次回は釣り込みの作業です。

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