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VOCADOL 45

FILE.007 時の館殺人事件(6)

▼MAP007-3 時田邸(承前)

(時の間)

【kokone】
「さらにもうひとつ。車のそばには大量の吸殻が落ちていた。妹さんがシガレットケースにしまっていた煙草と同じ銘柄です」

「吸殻に付着した唾液を調べればはっきりするでしょうが、おそらく妹さんが吸ったものに間違いないでしょう」

「車を降りたあと、妹さんはすぐにこの家へ向かおうとはせず、駐車場で何本も煙草を吸っています」

「なぜ、そんなところで? もしや、誰かと待ち合わせをしていたのでは――」

【星霜】
「あなたがなにをいいたいのか、よくわからないのだけど……」

【kokone】
「これは強盗事件ではありません。妹さんと顔見知りの人物が、強盗の仕業に見せかけて殺害したのではないでしょうか?」

【星霜】
「……素晴らしいわ。噂どおりの名探偵ね」

「あら、ごめんなさい。そろそろ9時ね。ぜんまいを巻く時間だわ」

「そのあともスケジュールが詰まっているから、あとのことはメイドのメイちゃんに訊いてもらえるかしら」

「メイちゃんならたぶん、キッチンで明日の朝食の準備をしているはずだから」

【メルリ】
「時田さん……途中から急にそわそわし始めて、なんだか怪しくなかった?」

【kokone】
(確かに、メルリのいうとおり)

(……時田さんが新社長を殺したのかな?)

(キッチン)

【kokone】
「あ、メイさん。お仕事中にすみません」

「昨日のパーティーについて、少しだけお訊きしたいことがあるんですけど」

【メイ】
「はい。なんでしょうか?」

【kokone】
「パーティーが行なわれている間、時田さんはずっと大広間にいたのでしょうか?」

【メイ】
「ええ。お客様のお相手をされていたと思いますが」

【メルリ】
「一度も席をはずすことはなかったの?」

【メイ】
「トイレへ行ったり、飲み物を取りに行ったりで、数分間なら大広間を離れることもあったでしょうけど……それがなにか?」

【メルリ】
「長時間、いなくなることはなかったのね?」

【メイ】
「はい」

【メルリ】
「それは確か? あなた、ずっと時田さんのことを見ていたわけではないでしょう?」

【メイ】
「それはそうですが……時田様は車椅子に乗っておられるんですよ。部屋からいなくなれば、さすがにわかります」

【kokone】
「私たちは先に帰ってしまいましたけど、パーティーは何時頃終わったのですか?」

【メイ】
「時田様の毎日の就寝が午前1時なので、午前0時の終了を予定しておりました」

「しかし結局は、とくに親しい何人かの友人を引きとめて、明け方まで談笑されていたようです」

「あの……もうよろしいでしょうか? そろそろ時田様の寝室のベッドメイキングをしなければいけませんので」

(戦闘モード パターン2)

【ディスコード】……敵D
「お姉さんたち、こんにちは。またお会いしましたね」

【kokone】
「こんなところにまで現れるなんて……」

【メルリ】
「はいはい。よい子はもう寝る時間ですよ。おうちへ帰ろうか?」

【ディスコード】……敵D
「お姉さんたちと一緒に眠りたいなあ」

【メルリ】
「残念だけど、あたしたちはまだ眠くないから」

【ディスコード】……敵D
「だったら、あたしがお姉さんたちを眠らせてあげようか? 永遠に」

※戦闘モードに突入

【kokone】
「この人たち、いつも大口をたたくわりには弱いよね」

つづく

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