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CASE04 十字架の密室殺人事件《解決編》

「これは事故死よ。男は三日間も閉じこめられて、喉がからからに渇いていたんだわ。だから自分の首すじに噛みついて、血をゴクゴクっと……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。自分の首すじに噛みつくなんて、そんな器用なことができるわけがないでしょう?」
 黒田刑事が口をはさむ。
「あら。生きるか死ぬかの瀬戸際だったのよ。人間、その気になればなんでもできるものなんじゃない?」
 途端、銭山警部の唇がタコのようにひょろひょろと伸び、抵抗する隙も与えずに黒田刑事の唇を奪っていった。
「ね?」
 銭山警部はぺろりと舌なめずりをして嬉しそうに笑った。

                                THE END

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