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下手の横スキー31

第31回 苦しまぎれのボツネタ集

 ぐぎゃああああああ。
 すみません、すみません。長編原稿の〆切が目前に迫り、のっぴきならない状況となっております。
 そんなわけで、今回の「下手の横スキー」はよっぽどさぼっちまおうかとも思ったんですが、いやいや、このエッセイを毎回楽しみに待ってくれている全国8人の読者(をを。このくらいの数字だと、ギャグになってないな。なんだかものすごくリアル)に申し訳ないと考え直し、必死こいてキーボードを叩いている次第。

 とはいえ、計10枚の原稿を一から書いている暇などないので、なにか使えるネタはないかなあと、以前ボツにした原稿をチェック。それをそのままコピペすることを決めました。
 うーん、プロにあるまじき行為か?
 え? 風呂でアルマジロ交尾?
 ……駄洒落で、うまくごまかしましたところで(ごまかせてない)、では落ち穂拾いシリーズ、行ってみましょう。

 ▼ハイウェイで見かけた謎の標識

 積雪地のハイウェイを通行していたところ、道路脇に黄色と青で表示された小さな標識を見つけました。
 どんな標識かというと、うーん、言葉ではちょっと説明しにくいのですが、二重に描かれた正方形……これでわかってもらえるでしょーか? ちなみに、内側の正方形は青、外側の正方形は黄色にペイントされとります。
 なんの標識だろう? と思いながら何百メートルか進むと、今度は十字型の標識が。内側の正方形は青、それを取り囲む4つの正方形は黄色。大きさといい色合いといい、先ほどの標識と対になっているのは明らかです。
 そこからさらに1キロほど進むと、また同様の標識が現れました。そのあとも、いたるところに同じ標識が立っていることが判明。必ず、二重正方形→十字型→二重正方形→十字型と交互に現れ、同じ形の標識が続くことはありません。設置されている距離も一定ではなく、何キロにも渡って見当たらないこともあれば、わずか50メートルほどの間隔で並んでいることもあったり。
 はて? これは一体、なんの標識なんでしょう?
 いくつも標識を見ていくうちに、どうやら二重正方形~十字型でひとつの区間を表しているらしいことがわかりました。さらに観察を続けると、二重正方形~十字型の区間の下には必ず一般道路が走っている(あるいは民家が建っている)という事実を発見。
 なるほど。
 ってことは、この標識は「下に一般道路が走ってますよ」という案内表示なのか?
 しかし、ハイウェイを走行中のドライバーにそのことを報せて、なにがどうなるわけでもないよなあ。その区間で空き缶のポイ捨てなどをすると、下を走っている車に当たって危険だから気をつけろってことか? いや、一般にはこの標識がなにを意味するか報されていないのだから(たぶん)、そもそも標識の役割を果たしていないよーな。
 あれこれ推理してみたのですが、結論が出ません。この標識が「下に一般道路が走ってますよ」という案内であることはほぼ間違いないと思うのですが、じゃあ一体、なんのために(誰のために?)そんな標識が立っているのでしょう?
 ……で、困ったときのネット頼み。早速、検索して調べてみました。
 この標識は「投雪禁止区域指定標示板」といって、ハイウェイの沿道に民家が近接していたり、交叉道路などがある場合、行き来する人や車に除雪した雪が当たらないようにするための投雪禁止区域を表しているんだそーな。つまり、一般ドライバーではなく除雪車を運転するドライバーのための標識だったわけですね。あ、だから積雪地以外では見かけないのか。納得。

*ボツにした理由
 どうやら、これは一般常識らしい。知らない人のほうが圧倒的に少なかった……(恥)。

 ▼ビンゴ大会

 50名を超える大所帯で2泊3日のスキー旅行。
 夜は大宴会。ビンゴゲームで見事3番目にビンゴを勝ち取り、賞品としてTシャツを頂戴しました。うわーい、やったあ。え……Sサイズ? 着られるかいっ!
 そのあとも、ビンゴ続出。賞品も底をつき、「ええ? もう終わりなのお?」とブーイングがあがったところで、急遽、僕の本が賞品として登場。サイン入りでの進呈となり、をを、こりゃみんな大喜びするだろうと思ったら、おい。どうして、急にビンゴが出なくなるんだよ(怒)。
 なかなか、次の勝者が現れないもんだから、あせった主催者がひとこと。
「では、このポテトチップスも一緒につけましょう」
 途端に活気づく会場。おいおい。

*ボツにした理由
 あまりにも虚しかったから。そもそも、スキーとあんまり関係ない話だし。

 ▼2月13日の出来事

 某スキー場へ友人2人と出かける。雲ひとつない晴天。やっほー。
 途中、スキーはこれが3回目というI君が行方をくらまし大騒ぎとなったが、「きっとどこかで休んでるんだろう、わははは」と笑ってごまかし、ひたすら滑り続けました。
 もしかしたら崖下に転落していったんじゃないかとか、そんなこともちらりと考えたんですが、とことん天気がよかったから、とにかく滑らなきゃもったいないと思って……。はい、私はそんな奴です。
 このI君。前回スキーに出かけたときもやはり、みんなとはぐれてしまったそーな。たまたまやって来た圧雪車の前に飛び出し、無理矢理相手を停止させて、「俺のツレ、知らない?」と運転手に尋ねた強者。今回もそんな無茶をしなければいいが……と、だんだん心配になってきます。
 結局、リフトが止まるまでI君とは合流できませんでした。おいおい、こりゃマジでやばいのでは? ホントに崖から落ちちゃったんじゃないの? あるいは圧雪車に飛び込んで轢かれちゃったとか?
 彼の安否を心配していると、「ふわあ」と呑気なあくびを漏らしながら、本人が現れました。
「ごめんなさい。トイレへ行った帰りに突然眠気に襲われちゃって、そのまま売店そばの柱にもたれて、ひたすら眠り続けていました。あはっあはっあはっ」
 おまえなんて、崖から落ちちまえええええっ(怒)。
 ちなみにもう1人の友人T君は、
「明日はバレンタインだねえ。誰かからチョコもらえるの?」
 と尋ねたところ、
「え? バレンタインって24日じゃなかったでしたっけ?」
 と答えました。
 そのひとことで、君がこれまでの人生、どんな暗いバレンタインを送ってきたか、よくわかったよ。くじけず頑張れ、T君。

*ボツにした理由
 そのあと、2人とも僕よりたくさんのチョコレートをもらったことが判明。えーい、腹の立つ。

 ▼うんちく

・17世紀頃、イギリスの医師コントンが魚の浮き袋をヒントに製作したものが始まりだといわれている。
・1909年(明治42年)に国産第1号「ハート美人」が販売された。
・香港では「防弾チョッキ」、ポルトガルでは「ビーナスのシャツ」と呼ばれている。
・国内トップシェアはオカモト株式会社。

*ボツにした理由
 スキーのうんちくを語るつもりが、間違ってスキンのうんちくを語ってしまいました。

 ……ごめんなさい。次回はちゃんと書きますです。はい。

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