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VOCADOL 07

FILE.002 5億円盗難事件(4)

▼MAP002-3 コーポ凡美102号室(承前)

※ひととおり調べ終わったら

【ラピス】
「犯人の足跡は押入れにまっすぐ続いていますね」

「犯人はそこに大金が隠されていることをあらかじめ知っていたのだと思います」

【鳥音】
「となると、頻繁にこの部屋を訪れていた3人がやはり怪しいことになるけど」

【ラピス】
「犯人の目星はつきました。たぶん、あのかただと思います」

【鳥音】
「ええ? もうわかったの? じゃあ早く、そいつのところへ行って自白させちゃおうよ」

(戦闘モード パターン2)

【ディスコード】……敵A
「あいやあ、待たれえっ!」

【ラピス】
「え? こんなところにまで登場しちゃうのですか?」

【ディスコード】……敵A
「神出鬼没。どんなところにもしつこく現われる。それがディスコードでござる」

【ラピス】
(ゴキブリみたいですね)

【ディスコード】……敵A
「いざいざ、勝負!」

【鳥音】
「この人、キャラが固まってないんじゃない?」

※戦闘モードに突入

【ディスコード】……敵A
「くっ……敗れたでござる!」

【ラピス】
「あの……私たち急ぎますので、あとかたづけをお願いしてもよろしいでしょうか?」

▼MAP002-4 世田谷区(MAP002-2と同様)

(三軒茶屋)

【ラピス】
「まどかさんは金庫を開けるときに暗証番号を口に出すクセがありました」

「おそらく、犯人はそれを盗み聞きしたのでしょう」

【鳥音】
「口に出すといっても、部屋の中でつぶやいただけでしょ?」

「壁はかなり分厚かったし、そんなものが聞き取れたとは思えないんだけど」

【ラピス】
「あるものを使えばできたのですよ」

「テレビ、ビデオデッキ、こたつ、電気ストーブ。室内には4つの電化製品が置いてあるにもかかわらず、あの部屋にはコンセントの差し込み口が2つしかありませんでした」

「あまりにも不自然だと思いませんか? これではテレビとビデオデッキだけで差し込み口がいっぱいになってしまいます」

「でも、寒がりのまどかさんなら、こたつや電気ストーブも使わずにはいられなかったはずですよね?」

「コンセントには差し込み口を増やすタップが取り付けられていたと考えるべきでしょう」

「犯人は事前にこの部屋へ忍び込み、もともとあったタップをタップ型盗聴器とすり替えていたのですよ」

「盗聴器があれば、うっかりつぶやいてしまった暗証番号も容易に知ることができます」

【鳥音】
「あ、そうか。犯人は5億円を盗んだとき、タップも回収したんだ」

「盗聴器の存在がばれて、入手ルートを調べられたら、自分が犯人だとわかってしまうから」

「でも、そのせいで不自然な状況が生まれてしまったわけね」

【ラピス】
「そういうこと。つまり、犯人はタップを持っていた兼子唯さんということになります」

「彼女の持っていたタップを調べたら、きっと中から盗聴器が見つかるはずです」

※《三軒茶屋》を選択しなかった場合は、戦闘モード後に以下のセリフをランダムに。

「まどかさんにはちょっとしたクセがありましたよね。あれって事件に関係があるのでは?」

「まどかさんの部屋から消えたのは5億円だけではないのかもしれません」

「寒がり屋のまどかさんは、こたつと電気ストーブなしでは生きていけなかったみたいですけど」

「容疑者の持ち物にヒントが隠されているのだと思います」

▼エピローグ

(鵜鳥芸能プロダクション)

【鳥音】
「見事、事件を解決したっていうのに、お礼が宝くじ1枚ってどういうこと?」

【ラピス】
「金庫から盗まれたのは、5億円ではなくて、将来5億円になるかもしれない紙切れだったってことですね」

【鳥音】
「それならそうと最初からちゃんといってほしかったよね」

「とんだ時間の無駄使いじゃない」

【ラピス】
「そんなことはないでしょう? いろいろと貴重な体験ができたではありませんか」

【鳥音】
「それはまあ……そうだけどさ」

【ラピス】
「それから、私が立て替えた電車賃も、忘れないうちに返してくださいね」

【鳥音】
「……この宝くじが当選する日まで待ってもらっていい?」

夢を売るのが私たちの仕事。そう考えると、私たちって宝くじに似ているのかもしれません。

今はただの紙切れでしかないけれど、いつかみんなを笑顔にさせられる宝物に変われるよう、これからもっともっとがんばっていかなくては。

それが実現するのはまだまだずっと先のお話なのですが、さて。

TO BE CONTINUED……


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