VOCADOL 解説
『逆転裁判』『逆転検事』のコミカライズ脚本に始まり、『極限脱出 9時間9人9の扉』のノベライズ、『TRICK×LOGIC』『真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)』のシナリオ、そして今現在は『青鬼』のノベライズ、とおかげさまでこれまでゲーム関係の仕事をオリジナル小説以上にたくさんやらせていただいてまいりました。
ゲームシナリオの執筆は、小説を書くのとは別の能力が必要で、毎回ひーひーと唸っておりましたが、完成したときの喜びは本ができたときのそれとはまた全然違っていて、商品を手にするのが本当に嬉しかったです。
とくに、館内回遊型アトラクション『逆転検事 in ジョイポリス』を作らせていただいたときは、実際にプレイしているお客さんたちを見たくて、何度もお台場へ通いましたよ。
あのゲーム、またやってみたいのですが、市販のテレビゲームと違って、ソフトが残らないので、今後プレイできないのが残念です。
ソフトが残らないといえば、スマホアプリもそう。
企画段階から関わらせていただいたスマホ用ゲームアプリ『VOCADOL』は既存の有名ボーカロイドたちがアイドルを結成したら……というお話。
「アイドル育成・ミステリアドベンチャーを作ってください」という、僕がやらずして誰がやる⁈ というお仕事だったため、めちゃくちゃ気合いを入れてシナリオを書き、2015年に無事リリースされたのですが、様々な事情から、半年ほどでひっそり終了してしまいました。
今はもう公式サイトもありません。当時報じられたゲーム情報サイトの記事がほんの少し残っているだけです。
アイドルなのになぜか探偵の真似事をして謎を解明したり、アイドル活動を邪魔する謎の組織が現れて事件に巻きこまれたり……最後には驚くべき真相が明かされる予定でしたが、アプリの終了に伴い、物語も中盤でストップ。
どこまでストーリーが進んでいたか僕自身もよく覚えていないのですが、シナリオ自体は8章まで完成しておりました。
というわけで、もはやプレイ不可の『VOCADOL』幻のシナリオを、今回はご紹介したいと思います。
ゲームのシナリオなので、文章のみでどこまで面白さが伝わるかわかりませんが、そこは皆さま、想像力で補って楽しんでくださいませませ💦
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