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下手の横スキー36

第36回 2002年夏NZ旅行記(4)

 9月6日(金)
 ニュージーランド・スキーツアー7日目。
 スキーを楽しめるのも今日が最後。ああ、もうこれっきりなのね、と寂しく思っている我々を励ますかのように、朝から雲ひとつない快晴の青空が広がりました。
 一昨日出かけたカドローナスキー場で、渡辺一樹&伊東秀人両デモによる、ちょっと風変わりな講習。その名も「ものまね王座決定戦レッスン」。
 一緒に講習を受けてきた仲間たちのフォームを真似て滑り、その長所と短所を確認し合うという斬新な試み。デモの2人はもちろんのこと、皆さん、それぞれの滑りの特徴を実に的確に捉えていて、すごいなあと感心することしきり。真似をすることでスキーの操作は洗練されていくし、真似をされた人は普段なかなか客観視できない自分の滑りを間近に見られるし、うーん、ものすごくためになる講習でした。
 午後からは、「いかにすれば、自分の滑りを、ビデオにかっこよく収められるか」という、これまた様々な撮影をこなしてきたデモンストレーターならではの講習。果たして、「SKI NOW」のようなかっこいい映像に仕上がっているかどうか。
 ラストは一樹&秀人両デモにコブ斜面を滑っていただき、ふええええ、やっぱりかっちょええええ! と感動に打ち震えた僕たちなのでありました。
 クイーンズタウン最後の夜は、中華料理店「メモリーズ オブ ホンコン」で大宴会。
「スラロームレースができなかったことだけが心残りです。せっかくバニーちゃんセットを用意したのに、無駄になっちゃっいました」
 と愚痴をこぼしたら、
「じゃあ、この宴会で披露してください。個室だから大丈夫です」
 といわれ、
「え? ホント? じゃあ、脱いじゃおうかな。ぐふふふふふ」
 すっかりその気に。
 上半身は裸。下は黒の網タイツに、キーウィ柄のセクシーパンティ。胸にはニップルウォーマー(第34回参照)をくっつけて準備完了。
 場が盛り上がってきたところで、「オリーブの首飾り」を口ずさみながら、セクシーダンスを披露。
 個室とはいえ、窓から覗けば中の様子は丸わかり。「おー。くれいじーじゃぱにーず」という声が、部屋の外から聞こえてきました。それはそれでまた快感(←変態)。
 楽しいニュージーランド旅行が、これで一気に台無しになってしまった方も、おそらくいらっしゃったことでしょう。本当にごめんなさい(謝るなら最初からするなよ)。
 素敵な(?)ショーのあとは、バニーちゃん姿のまま、2人のデモと記念撮影。超有名デモンストレーターお2人に乳を揉まれながらの撮影なんて、なかなか体験できるもんじゃありません。これはもう一生の宝物です。一樹&秀人ファンにはカミソリの刃でも送りつけられそうですが……。

 9月7日(土)
 ニュージーランド・スキーツアー8日目。
 せっかくニュージーランドまでやって来たんだから、スキーだけじゃなくって、ここでしかできないこともやらなくっちゃもったいない、とまずはジェットボートに挑戦。
 岸壁スレスレを猛スピードで駆け抜けていくジェットボートはスリル満点。気を抜くと、ボートの外へ振り落とされてしまいそうで、マジでちびりそうに。
 こんなにも危険だっていうのに、シートベルトもなんにもないんだもん。ま、ちびったところで、どーせびしょ濡れだからわかんないんだけど。
 運転手のお兄ちゃんは、
「日本からハネムーンにやって来たカップルが、このボートに乗ったんですけど、旦那さんが振り落とされ、岩に頭を打ちつけて死にました。だから、あなたも気をつけてくださいね。はっはっはっ」
 と陽気に笑ってるし。
 さて。ニュージーランドといえば、バンジージャンプ発祥の地。だけど、高いところが苦手な僕は絶対チャレンジできません。ってなわけで、勇気ある義兄が挑戦することに。僕はカメラマン役に徹します。
 飛び降りる前に現地スタッフからあれこれ注意を受ける義兄。しかし英語だから、なにをいってるのかさっぱりわからない。義兄は適当に、「オッケー、オッケー」と答えているが、いいのか? そんなことで本当にいいのか?
 義兄の保険金の使い道を考えているうちに、バンジージャンプは呆気なく終了。結局、義兄は生きてました。ちっ。保険金で新車を買おうと思ってたのに。
 ちなみに、僕の撮った写真はすべてピンぼけ。だって、撮影場所に立ってるだけで怖いんだもん。高い金払って、こんなことする奴らの気が知れねえ。気が知れねえ。寿司食いねえ。
 最後はローラーリュージュ。車輪のついたソリで、専用コースを滑り降りていくニュージーランド生まれのスポーツ。
 地面スレスレを走っていくので、体感スピードはかなりのもの。ウェーブを乗り越えると、ソリが宙に浮くこともあって、これまたスリル満点。僕はカーブを曲がりきれず、ガードレールに激突。激しく流血しました(涙)。
 どうやら、このローラーリュージュ。日本にもあるみたいですね。またやってみたいなあ。
 思う存分楽しんだ我々は、クイーンズタウンに別れを告げ、飛行機でクライストチャーチへ。最後の夜を、みんなでわいわいと過ごしました。
 気がつきゃ、日付も変わって午前1時。
 明日は午前4時起きで飛行機に乗らなきゃなりません。ホントに起きられるのか?

 9月8日(日)
 ニュージーランド・スキーツアー最終日。
 といっても、今日はニュージーランドを離れて、ただただ海の上を飛んでいるだけ。
 日本時間の午後4時半に成田へ到着。楽しかった9日間も、ついにこれでおしまい。
 日本に降り立った途端、むわあっとものすごい湿気を感じました。かびくさいにおいも漂ってきて、ああ、これが日本のにおいなんだなあ、としみじみ。
「いつかまた、会いましょう!」と、今回のツアーで知り合った皆さんに別れを告げ、僕たちは名古屋行きの飛行機に乗り込んだのでありました。べべん。

 ってなわけで、9日間の出来事を4回にわたって書き綴ってきましたが、うーん、読み返してみると、書き忘れたことがまだまだたくさんあるような。
 食事については、まったく触れることができませんでしたし(ワナカ湖で食べたドーナツ、ホテルのそばの日本食スタンドで食べたサーモン丼は、とくに美味しかったなあ)、夜のワカティプ湖で南十字星を眺めたこと、羊の大行進を追いかけたこと、あ、それからインド映画の撮影現場を見学したり……エトセトラエトセトラ。
 海外スキーはクセになるというけれど、ホントこのままはまってしまいそうです。ばりばり仕事をして、こつこつお金を貯めて、さあ、次はどこへ滑りにいこうかなあ。

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