VOCADOL 10
FILE.003 ラピス誘拐事件(3)
▼MAP004-1 愛知県名古屋市中区栄(承前)
(地下鉄 栄駅)
数秒間の沈黙のあと、culのスマホにラピスからのメールが送られてきました。
(ラピスから送られてきた写真……アパートの窓から撮影したもの。手前にこの部屋の壁。そこには手紙ホルダーが掛けられている。その向こう側にベランダ。ベランダにはBSアンテナが立てられている。ベランダの柵の向こうに道路。道路にはマンホール。道路を挟んだ向かい側には学校らしき建物)
【MIZKI】
「ずいぶんと高画質だね。細かいところまでくっきりと見える」
【ラピス】
『わたしのケータイ、GPSはついてないけど、カメラの性能だけはすごくて――』
突然、ラピスの声が途切れました。
電話の向こうからは激しい物音。「なにやってるの? あなた」とラピスとは別の声が聞こえます。
どうやら、見張り番が戻ってきたようです。
【敵A】
「あなた、携帯電話なんて持っていたの? こちらへ渡しなさい」
ラピスの短い悲鳴。
それっきり、通話は途切れてしまいました。
culはすぐに電話をかけ直しましたが、電源を切られてしまったのか、いっこうに繋がる気配はありません。
大変!
すぐにラピスを助けに行かなければ。
手がかりは彼女の送ってきた1枚の写真だけ。
この写真から、ラピスの監禁されている場所を突き止めることができればいいのだけれど。
【MIZKI】
「あ。壁に掛かっているこれって、もしかして……」
(壁に掛かった手紙ホルダーをクリック。ホルダーに入った郵便物が拡大される。宛先の一部が見えている)
【MIZKI】
「宛先のところに、川崎って書いてあるわ」
【cul】
「川崎って……千葉県の?】
【MIZKI】
「まさか。いくらなんでもそんな遠くには行ってないと思うけど」
「この近くに、川崎っていう地名のところがあるんじゃないかしら」
【lily】
「この先にあるタワーに名古屋市内のマップがありましたよ。ハリーアップ! そこへ行って調べてみましょう」
(戦闘モード パターン1)
【ディスコード】……敵C
「ちょっと待った。ここから先へは行かせないよ」
【MIZKI】
「貴方たちがラピスを誘拐したんでしょう? ラピスはどこにいるの?」
【ディスコード】
「教えることはできないが、心配するな。彼女は無事だ。おとなしくしていれば、手荒な真似はしない」
【lily】
「なぜ、こんなひどいことをするのです? 許せません」
【ディスコード】
「なぜ? 答えは簡単。おまえたちを優勝させるわけにはいかないからだよ」
「今日こそ、こてんぱんにしてやるからね」
【cul】
「仕方がない。ライブ前のウォーミングアップのつもりで戦うか」
※戦闘モードに突入
【MIZKI】
「先を急ぎましょう。早くラピスを見つけ出さないと」
(テレビ塔)
【MIZKI】
「マップを見つけたわ」
【cul】
「えーと……川崎……川崎……」
【MIZKI】
「あったわ! 名古屋市千種区川崎町。少し歩かなくちゃいけないけど、地下鉄を使えばここから30分くらいで行けるところね」
「すぐに向かわなくちゃ」
――ライブ開始まであと9時間。
つづく
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