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投稿掲載歌

 短歌を投稿して選をうけたものをここに残していきます。自分の特徴みたいなものが見えてくるといい。投稿先は好きな選者。自分の中から出てきたものは自分の短歌でそれが共有可能なものであったら嬉しい。

適正なかたちでいたいできるだけ自分のことを好きでいたくて
 2019/11/04 NHKジャーナル「ニュースで短歌 秋の大歌会」お題「ダイエット」

向けられた無邪気な笑みを見てたくて愛のかたちをザリと飲み込む
2020/02/04 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「愛」秀歌佳作

カタンって郵便受けに本が落ち遠ざかってく駆け足の音
2020/04/24 NHKジャーナル「ニュースで短歌」お題「在宅。家にいること」

ただ水を欲して押した自販機に抱きとめられて1が揃った
2020/08/04 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「水」ラジオで放送した短歌

荒川の土手から川を眺めてて小さな蟻に足を噛まれる
2020/08/18 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「川」秀歌佳作

お姉ちゃんが受かったところだったからきっと受かると妹が言う
2020/09/02 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「姉」ラジオで放送した短歌

ベランダで気持よさげにゆれている一週間のぼくの抜けがら
2020/09/17「月刊うたらば2020年9月号」テーマ「自」

先頭を走るあなたの表情は見えないけれどきっときびしい
2021/02/15 NHKジャーナル「ニュースで短歌」お題「リーダー」

思い出のままのきみでもうれしくて目覚めた後に泣こうと思う
2021/04/20 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「夢」ラジオで放送した短歌

潮干狩りだったと思う蟹をみた最初の記憶 海を見たのも
2021/05/04 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「海」秀歌佳作

終電は見知った顔の六人を終着駅にしずかに降ろす
2021/05/30 東京歌壇 東直子選 入選

六月の境内に降る長雨に絵馬の願いが溶けだしてゆく
2021/07/06 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「雨」秀歌佳作

ハードルはこえなくたっていいのだと風がならんで教えてくれた
2021/08/17 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「風」秀歌佳作

寄り道をしてるつもりが気がつけば居心地のいい場所になってた
2021/09/07 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「心」秀歌佳作

泣き跡の乾いていない微笑みを称えるための帽子を載せる
2021/09/19 東京歌壇 東直子選 入選

猫の名を春と名付けて三年目、いつの季節も春と居ります
2021/10/24 東京歌壇 東直子選 入選

人型のシミが三つも見えるのに不動産屋は見えないと言う
2021/11/20 文芸選評 木下龍也選 入選

たったままねむるキリンをあたためる夢だけにある銀のキリン舎
2022/01/09 東京歌壇 東直子選 入選

きみになら傷つけられていいかもと思ったけれどめっちゃいたいね
2022/01/18 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「君」秀歌佳作

カーテンをつける数だけ街を知り、外す数だけ街を忘れる
2022/02/11 57577展 みんなの短歌 題詠「町」 鈴掛真選 入選

あばらだと何本ぶんの愛なのと工具箱から選ぶ金槌
2022/02/04 木下龍也のための短歌 題詠「怪談」 木下龍也選 入選

真ん中のガジュマルだけが枯れてゆくおんなじ愛を受けているのに
2022/03/04 57577展 みんなの短歌 題詠「愛」 鈴掛真選 入選

持ちやすい夢にしましょうお祭りの端の屋台の取っ手屋の声
2022/07/24 東京歌壇 東直子選 入選

虹をみてうれしくなった どれくらい幸せかよりずっと大事だ
2022/11/15 短歌ラジオ「短歌部カプカプのたんたか短歌」題詠「夢」ラジオで放送した短歌

ホタルクスあたらしくした照明が毎夜にみせる青い残り火
『短歌ムック ねむらない樹 Vol.10』 内山晶太選 準特選




大変ありがとうございます。