見出し画像

付句のはなし。#何度目の春なんだろう

 二回目のつけ句募集をやりました。一回目から二年経ちます。

 仕事の現場が実家の近くだったので前泊したんですよね。浮かんだフレーズを完成させる前に募集してしまいました。思ってた以上に多くのかたにご参加いただきました。ほんとうにありがとうございます。

 頂いた短歌をぜんぶ載せるつもりだったのですが思い直しまして九首ご紹介します。いただいたものはなるべく早くコメントしたのですがnoteではもう一回出会い直すつもりでご紹介したいと思います。一首目、

 3分で一首目を頂きました。「ニシオギ短歌部」の部長の眠古湖さん。速いって面白いし勇気だなと思います。生活をつまらなくするわたし自身とずっと春を迎えてるというのはもしかしたらもっと面白い生活できるって思っていることかなと思いました。本人と作中主体は別なので不満と希望のセットを持って日々を過ごす人を描いているのかもなと思いました。二首目、

 視認できた中で一番いいねがついてたカラスノさん。何度目の春なんだろうって口にしてしまってから毎年思うようになったというふうに受け取りました。リフレインに毎年感を増して感じます。twitterの不具合なのか通知がこず即時にコメントできず申し訳ありませんでした。前回に続きありがとうございます。三首目、

 寿司村マイクさん。面白いなと思ったのは階段曲がりの部分。階段降りてでも、上ってでもなくて曲がるっていうから想像した時に弟のすがたが消えるんですよね。だから面白いんだと思う。見えないから印象的。四首目、

 めーぷるしろっくさん。何度目の春なんだろうは口をついて、今年こそ君の化石が見つかるといいは胸の内。だから強い意志に見えました。化石だからずっと探してるSFみたいなイメージを受けました。壮大。五首目、

 桝枯井戸さん。叶わないではなく叶えない。桜が願いを諦めた人のため、もしくは誰かの願いを摘んだ人のためにこそ咲いてるとしたら。優しい歌にもダークな歌のようにもとれて面白いと思いました。六首目、

 中本速さん。真野の何度目の春なんだろうという問いの意味がどういうことかと掘り下げてくれて速さんの言葉で言い換えてくれたの単純に嬉しかった。自分の言葉を使うのが詩作だと思うから。「、みたいだな」を転調みたいに使うのも面白い。七首目、

 宇津つよしさん。ユーミン+春+来いで頭の中に曲が流れましたwそれがすごい気持ちよかった。どうして来いって言ったのか歌詞見て考えました。返事を待ってるのだと思いました。叶わないかもしれないけど。八首目、

 Andbooksさん。砂山からみんなとの砂遊びでなじめない幼い子どもを想像しました。なじめないのかなじまないのかいずれにせよ幼い子どもの頃の自分を見つけたくて探しに行くのすごいいいなと思いました。ラスト九首目、

 ラジオ石巻「たんたか短歌」の部長・歌集『飛び散れ、水たち』(左右社)の著者の近江瞬さん。ご参加いただけると思ってなかったので驚いたし嬉しかったです。何度目の春なんだろうという問いにコーヒーのホットかアイスかまた決めかねてと迷いを足して最後読者に結末を少なくとも二通り想像させるのいいなと思いました。「また」が特によくてそのシュチュエーションに毎回連れてってくれる。三寒四温の春にぴったりで。韻律もきれいでぜひ発声して味わってもらいたい一首。

おわりに

 たくさんのかたに付句にご参加頂き本当にありがとうございました。また2年後ぐらいに募集するかもしれないのでその時はよろしくお願いします。真野もこの歌を推敲していつか完成させたいと思います。ありがとうございました!

何度目の春なんだろうたくさんの歌人に歌を詠んでもらえた/真野陽太朗




大変ありがとうございます。