《感想》アガサ・クリスティー著『謎のクィン氏』/第九回「死んだ道化役者(ハーリクイン)」
第九話「死んだ道化役者」です
アガサ・クリスティーについておさらい
アガサ・クリスティーは、1920年代から1970年代まで活動していた作家さん
『謎のクィン氏』は1930年発行の12篇をまとめた一冊です
人のいろいろな願いや思い、後悔などの
声なき声
クィン氏とサタースウェイト氏は一風変わった手段で協力し問題を解決します
「死んだ道化役者」あらすじ
まだ無名の若手画家ブリストウの作品展を見るためにボンド・ストリートのハーチェスター画廊へ行ったサタースウェイト氏は《死んだ道化役者》という題名がついた絵に驚きます
そこに描かれた人物と場所に見覚えがあったサタースウェイト氏はさっそくその絵を購入し、画家ブリストウ氏を夕食に招待します
「死んだ道化役者」感想
画家のブリストウ氏は上流階級への劣等感から彼らへの言葉が攻撃的
サタースウェイト氏はブリストウ氏の劣等感を理解した上で別れ際に助言するんだけど
その内容がやさしくてほっこりしたなぁ
ブリストウ氏も素直に聞き入れていたから、その後きっといい青年になって画家としても成功した。と思いたい
「死んだ道化役者」感想(※ネタバレあり)
この「死んだ道化役者」は第一話の「クィン氏登場」と似たテーマだと思うんです
過去の事件について
当時その場にいた人物から話を聞き
再検証する
というところが。
ちょっと違うのは
第一話「クィン氏登場」では
クィン氏が当時を知っている人の証言を聞き出す進行役だとすると
サタースウェイト氏は参加はしないほぼ見るだけの人でした
今回の「死んだ道化役者」では
サタースウェイト氏が進行役を務め
クィン氏はサタースウェイト氏が困った時に手助けするサポート役のような感じ
まるで2人が師弟関係で、弟子の様子を見守っている師匠のような
そう考えるとちょっと面白いなと
サタースウェイト氏が歩いた“ボンド・ストリート”
オクスフォード・ストリート側の
“ニュー・ボンド・ストリート”と
ピカデリー側の
“オールド・ボンド・ストリート”
ストリートの名前が途中で変わるんですね…
ざっくり検索した感じだと
高級ブランド店やギャラリーが多い通りで
歴史あるオークションハウスのサザビーズもニュー・ボンド・ストリートにあるようです
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