見出し画像

《感想》アガサ・クリスティー著『五匹の子豚』

アガサ・クリスティーについて
おさらい

アガサ・クリスティーは、1920年代から1970年代まで活動していた作家さんで
『五匹の子豚』は名探偵ポアロシリーズ 1942年発表作品

代表作の『オリエント急行の殺人』や
『そして誰もいなくなった』も発表済み 
キャリア中期の作品です

あらすじ

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです……娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。

『五匹の子豚』あらすじより


感想

この作品を初めて読んだ20代当時
タイトルだけでは正直興味を持てなかったのですが
あらすじを読むと過去の殺人がテーマだとわかったので

「(ポアロが活躍している)その時代で過去の調査って難しいのでは?」

「このテーマをアガサ・クリスティーはどう完結するんだろうか…」

ってかなり上から目線の興味本位で読むことにしたのです(ホント生意気だね)

期待はしていませんでした でも

検察、弁護人、警察そして事件発生時
現場に居合わせた関係者5人への聴き取り(第一部)
ポアロが頼んで書いてもらった関係者5人の手記(第二部)
それのみを材料に各人物の行動と言動を脳内再生して導き出す答え…(第三部)

これは名作だと思いました


感想(ネタバレ含む)

登場人物ほぼ全ての人が彼女が犯人だと
判決通りだったと確信している状況

ついつい考えちゃう
本当に真犯人なんているの?って

この事件は
“ビール瓶の指紋”の矛盾が鍵です

“ビール瓶の指紋”を“わざと”付けたのか?だけにとらわれていると
アガサ・クリスティーにしてやられます

読み手に情報は提供するんだけど
どう受け取るのか(受け取ってしまうのか)分かっている アガサ上手いなぁ

毎度のことですが
「アンフェアなんて言わせないわよ。ちゃんと書いてあるでしょ」と
アガサに微笑みかけられた気がするんです

今回ポアロは相方のいない単独行動

名探偵ポアロの相方といえばヘイスティングズ大尉なのですが
今回ポアロは相方のいない単独行動

実はヘイスティングズ大尉は早々にイギリスを離れるので(ポアロの活動拠点はイギリスです)
大尉が相方を務める作品そこまで多くはないんですよね

彼(ヘイスティングズ大尉)の年齢をだいぶ超えてしまった今となってはあの純粋さが可愛らしいと感じる
次は彼が相方を務める作品読み直そうかな


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?