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僕は何に惹かれたの? 僕は何に期待するの?



2018年1月の頭。2017年末の様々なパフォーマンスが話題になってたであろうとされる時期。それらとは全く関係ない形で僕は欅坂46と出会った。2017年11月に録画したカラオケランキングBEST50のMVをひたすら流すCSの番組をなんとなく流し見してたらそこに現れたのが欅坂46でサイレントマジョリティーだった。もうそれはそれは本当に衝撃だった。突然出会ったそのサプライズにとんでもなく理性を失ってしまった。
最初、名前の読み方が分からなかったし46という数字があるので「あーまた何か新しいAKBグループが出来たのか」くらいにしか思っていなかった。それまでの僕はよくいる「アイドルなんて全く興味無かったのに」側の人間である。この番組自体も他のアーティスト目的で録画していた。そんな僕がなんとなくで流し見をしてたはずだったのにそれはそれはもう深く深くのめり込んでしまった。
「何この曲!何この歌詞!何このAKBグループとは思えない雰囲気!」
「何この何か分からんけどずっと惹き付けられる眼を持ったセンターの子!」

騒がしい日々に笑えなくなっていった僕の目に映る君は綺麗だ


「いや誰がお前のオタ活全史に興味あんねん」とそばのペットボトルを壁に投げてキレる人も出てくるので本題に入ります。
今僕はアニメ「推しの子」に絶賛どハマり中である。そのアニメに出てくる星野アイというアイドルと平手さんを重ね比較しながら平手さんの魅力を語ろうと思う。推しの子を知らない方も多いと思うので主題歌のMVをご覧になれば星野アイがどういうアイドルなのかなんとなく分かると思います。でもやはり推しの子を知らない方からすれば「こいつダラダラと何言ってんの?」とフェードアウトしたくなると思うのでその時はそのまま閉じてもらって大丈夫です。

ちなみにこのMV、4月13日に公開されて現在2億回再生目前のとんでもMVである。


アイを象徴する言葉として「嘘」と「愛」がある。アイはファンに沢山の嘘をつくことでみんなが理想とするアイドルになれる。例えばとびっきりに可愛い笑顔で「愛したい」「愛してる」と口にする。あるいは演出によって本来の姿以上に輝かせて見せる。「アイドルは虚像」なんて言葉が現実でもあるのでなんら普通のことだ。そしてそれを何があっても貫く完璧ちゃんなアイドルだ。どれくらい完璧に貫くかというと自分を刺したファンに向かって瀕死の状態で「今でも君のこと愛したい」と語りかけるくらいだ。しかし、それくらい完璧すぎる嘘で固めた理想のアイドルとしての姿には逆に「良くも悪くもプロの笑顔。人間臭さが無い」と言われることもある。

では平手さんはどうだろうか。平手さんはアイと比べるとかなり嘘が少ない人だと勝手ながらに思っている。例えばインタビューではよく「覚えてない」「分からない」「特にない」と口にする。何も無い時に適当に何かそれっぽいことを言うことが少ない。逆に「それアイドルとして言わない方が良くない?」みたいなことを言う時もある。個人的に好きなエピソードはSOLでおでんペンライトを買わなくてもいいと言ったことと欅カフェのメニューの名前と値段に苦言を呈したことだ。あとはシュガー&シュガーという番組で「アイドルっていう自覚あった?」という質問でキッパリと否定したエピソードも好きだ。嘘で固めることが少ないのでバラエティでのリアクションなども素であることが多いように思う。
嘘が少ないということで「プロ意識が無い」と言われることがある。そもそも論プロ意識とはなんぞやと言われるとこの世に存在しない「にょ゚」と発音する遊びと同じくらい僕にはその意味が分からないけどアイが嘘をつくことで完璧なアイドルを演じるならその逆ということになるのだろうか。

自分のネームプレートの一部を手で隠して「愛」を強調してた志田愛佳さん

前述した通り平手さんは正直に答えることが多いからこそ何かポジティブな発言をしたりそういう表情をするとファンはそこに価値を見出して心の底から喜べる、安心して見ていられるというまるで親になったかのような気分になる。KEYAKIHOUSEでの姿だったり六本木クラスのクランクアップで竹内涼真さんとのハグだったりがそうなんじゃないだろうか。ポジティブな発言で好きなのを挙げると本当にキリがないので1つだけ紹介するならB.L.Tでの「その前に、メンバーのことを話してもいいですか?」である。そういえば話は脱線するけど平手さんはブログやSOLでメンバーのことを話す時本当に生き生きしてるしMUSIC FAIRでダンサーさんに話を振られた時嬉しそうに振り返ってた。
嘘が少ないからこそポジティブでない発言をしたり不安な表情を見せた時はもう本当にハラハラドキドキするファンの方も多いんじゃないだろうか。「みんなは欅坂をやってて楽しいですか?」と言ったり「(ドキュメンタリー映画に関して)これが全てだと思わないでほしい」と言ったりシブ5時の告知動画を見たりした時とか。
感情のジェットコースターなんて言われることもあるけどもそんな嘘が少ない平手さんはアイドルとしてではなく人として信頼出来る人なんだと思う。山口一郎さんの「平手さんはすっごい苦しいだろうしすっごいめんどくさいなぁと思ってるだろうけどその中で何か自分を保とうとするじゃん。その保とうとしているところが魅力になってたと思うんだよね。普通は迎合するからさ。売れたいとか知られたいとか気に入られたいって思うとさ人ってどんどん迎合するじゃん。でも僕は平手さんが何かアーティストだなって思うのは、自分があってそれを曲げたくないって思いながらそれをこねくり回してるところが魅力なんだと思う」という言葉が本当にそうなんだろうなと思う。僕の意見とかええから最初からこの言葉書いとけって思った人多分沢山いる。今僕も思ったもん。


ここでまたアイの話に戻る。アイの魅力としてステージでの圧倒的パフォーマンスがある。アイは嘘で固め、「愛してる」と嘘をつくことで多くの人を虜にする。さらにアイの特徴として何かを感じさせ惹き込まれる「眼」を持っている。凄いのはそのパフォーマンスと眼でファンだけでなく数多くのアーティストを見てきたであろう現場のスタッフをも魅了するところだ。そんなアイはもちろんグループの絶対的エースでセンターである。

パフォーマンスのスタイルは完全に異なる2人だけど凄さに関して言えば平手さんも負けず劣らずだ。おそらくここからはひたすら僕が好きなパフォーマンスを挙げていくだけの何の中身も無い内容になるけど許して欲しい。アイと重ねて比較するという趣旨はどこに行った。「土田です、澤部佑です、欅坂」もどこに行った。

眼でいうならJAM×ナタリーでの「それでは聴いてください、サイレントマジョリティー」はえげつなさすぎる。46SHOWの二人セゾンでの「忘れないで」の眼は本当に儚すぎる。欅共和国2017の不協和音のラストサビとか全国ツアーの月曜日の朝、スカートを切られたの振り返った時や最後なんかなんやあれ。みんな大好きベストヒット歌謡祭2019での避雷針のラストなんてあんなの見て「てちーーー!」と叫ばない人がいるのだろうか。
平手さんの場合眼が隠れて全く見えなくても惹き込まれる雰囲気もってるんだからずるい。ずるすぎる。FNS歌謡祭のノンフィクションが代表例だろうか。上記の月曜日の朝、スカートを切られたでのただ倒れているだけのあの演出はスゴすぎる。欅共和国2018のもう森へ帰ろうかの1番のサビは恐怖だ。ドキュメンタリー映画で流れたガラスを割れ!と避雷針はもはや伝説だろう。特にノンフィクションとガラスを割れ!。この2つは僕が好きな平手さんのパフォーマンスのトップ2なのだが、アイの「現場のスタッフをも魅了する」が表れているパフォーマンスの2つとも思っている。ノンフィクションではカット割り台本に「命のカット!!」と書かれ、共演した平井堅さんはこのコラボをきっかけに1曲作ったほどである。ガラスを割れ!については、突発的な事態に対してスタッフさんの「絶対に平手さんを逃すな」という執念を感じる。花道横のカメラマンさんは全力疾走で平手さんを追いかけたし照明さんも最後に食らいついてセンターステージに照明を当てている。

平手さんは、、、というより欅坂46はダンスの技術で魅せるグループではないと思っている。技術では欅坂46より凄い人はごまんといるだろう。ではそんな欅坂46あるいは平手さんの武器は何なのかと思うとやはり感情を爆発させることが出来るのと、それをするために歌詞を読み理解しその曲の人物になることが出来ることではないだろうか。曲の人物になれるということは嘘が無くその曲を表現出来るのではないか。そしてそれは多くの人の心に刺さってきた。多くの人の心を揺さぶってきた。何故か。まっすぐ見つめるその眼がストレートに訴えかけてくるからだ。今まで上の方でダラダラ書いた平手さんの人となりが初見の方が分からなくても全てが伝わってくるような全身全霊のパフォーマンスをしているからだ。それはグループを巣立っても変わらない。あの伝説の2020年12月9日のパフォーマンスを見てそれを確信した。今までも、そしてこれからもそんな平手さんのパフォーマンスが見たいし応援していこうと思う。

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