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息子が「おとぅ↓さあー↑ん」と呼ぶ時

ゲーム大好きな息子(6)

6才になる息子。良い時代に生まれたもので、彼の周りには楽しいメディアが溢れている。隙あらばゲームをしたいお年頃。頭の中は大好きなゲームと銃器のことでいっぱいになってる。普段僕のことは「おとうさん」と呼ぶ。

そんな息子だが、時折僕に「おとぅ↓さあー↑ん」と話しかけてくることがある。なぜか、この時は決まって、ゲームや銃器の話をする。

それもかなり取り留めのない内容で、「ボルトアクションスナイパーライフルはヘッドショットで262ダメージだから…」など、大抵はゲーム内の武器について事細かく説明される。

彼はこの「おとぅ↓さあー↑ん」の後に会話において、特にこちらのリアクションは求めていない。ただただ、自分の武器に関する知識を展開させ、それに対してふーんと聴いて欲しいのだ。かわいい。

だが、何せKYな部分もあり、ご飯の時などにこの「おとぅ↓さあー↑ん」が来ると大抵は話に夢中でご飯が全然進まないなどという弊害が起きるため、注意を受ける。

リアリストで、動物愛好家で、破滅願望な娘(10)

さて、それとは相対して、リアリストなお姉ちゃん。絵に描いたようなお姉ちゃんのため、すごくしっかり者。非常に大人びた考え方をしており、弟に比べ、どこか現実主義である。

最優秀賞を取った作文では「何かができないことは、目的に向かって進むことの権利がなくなることではない」という旨の主張をしており、マジかこの子と、ぶったまげた(語彙力)。

そんな彼女はその思考の深さ故、時折考え過ぎることがある。彼女は動物を愛してやまない。特に猫を愛して止まない。動物図鑑など眺めてはその生態を知ることを愉悦としている部分もある。

そうした動物愛から、彼女はyoutubeなどで情報収集を行うこともある。すると、現代の人間と動物の立ち位置、関係性に関してまで知ることとなった。その結果、やはり地球温暖化の問題までたどり着いてしまったのだ。そして何やかんやあって「猫を守るために人間が滅ぶべき」という思考となりかけた。

そういう訳で、彼女は突然スケールの大きい話を真剣に振ってくることがあり、親としてどう応えるべきかと冷や汗をかくシーンも存在する。

温度差に巻き込まれる父

そんなある日、夕飯を作る僕に、娘が浮かない顔で南極のシロクマの話を持ちかけて来た。そう、氷が溶けているのである。その日はシロクマ生存と人間の利便性が天秤にかけられ、やはり彼女はシロクマ側にいた。

「シロクマが生き残るためには人間の数を減らすしかないんだよ…」と小三ながらに断腸の思いを語る娘の話を、豚肉を切りながら聞くのは非常に忍びなかった。どう応えるべきか…これはナイーブな問題だ…動物愛護の精神は大事にして欲しいが、人間自体を否定することは今後彼女にとってどう影響を及ぼすか…僕が豚肉を鍋に入れながら答えあぐねていたその時だった。



「おとぅ↓さあー↑ん」



息子である。しかも「おとぅ↓さあー↑ん」である!今はだめだ!娘がこの世の終わりのような顔でシロクマの今後を語っている!しかも父がその状況に何らかの答えを出さなくてはいけない時だ!息子よ、今は武器ごとのDPSを語っている場合では…


「サブマシンガンはさア…」



このあまりのKYと温度差に僕は笑ってしまった。

娘も大爆笑していた。息子は引き続きサブマシンガンについて語っていた。

そんな日曜日の夕方。

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