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ハチと受粉とトマトと命
そろそろ散歩ネタかな。なんて思っているのですが、
近いうちに公園でもブラついてこようかなと思っております。
くろがねです。m(__)m 今日も遊びに来てくれて有難う御座います。
サムネイルと標題でお分かり頂けるかと思いますが
今日は、セイヨウ オオマルハナバチについて書きます。
昆虫が苦手な方は、読み進められない方がよろしいでしょう。
また別の記事でお会いしましょう。
また、今日は少し文字が多めになってしまいました。
約2800文字となっております。ご了解のうえお進みください。
では、スタート!
セイヨウ オオマルハナバチ は、主にトマトの受粉に利用される
特定外来種に指定されている蜂です。
セイヨウオオマルハナバチ(西洋大丸花蜂、Bombus terrestris)は、昆虫綱・ハチ目(膜翅目)・ミツバチ科に分類されるマルハナバチの一種。ヨーロッパ原産で、日本には外来種として野外に定着している。
![](https://assets.st-note.com/img/1655888164502-tBlV5q2oed.jpg?width=800)
ビニールハウスでのトマト栽培では、トマトの受粉のために
このセイヨウオオマルハナバチがハウス内に放たれます。
特定外来種に指定されているので、ビニールハウスの開口部には
ネットが張られ、ハチが外に逃げ出さないように工夫されていますが
現場の実態としては、網一枚でハチの脱出を防げるわけもなく(笑)
逃げる個体が多いです。
ハチと言えば、刺されないの?という疑問がつきものですが、
このマルハナバチは比較的温厚な性格で、こちらから攻撃するか、
巣の門番を刺激しない限りは、攻撃してきません。
※たまにですが、無抵抗でも刺される人はいます。
心配な人は、トマトのハウスに入らない方が良いでしょう。
私はトマトの手入れの時に、葉の陰に居たマルハナバチを掴んでしまい
何度か刺された事がありますが、毒は無いし、幸いアレルギーも無いみたいで、痛いだけで済みました。
大して腫れもせず、一日二日で完治しましたが、刺された時のショックは
脳天まで電気ショックの様な痛みがビーーーーーーン!!と来ました。
悪さはしていないのに、巣の門番が追っかけてきて
足首を刺された事もありました。これはかなり珍しいケースです。
見た目はクマ蜂に似ている様で、初めて見た時は怖かったですが
トマト栽培をしていればそんな弱音を言っている余裕はなく(笑)
そんな事より、40℃をも超えるハウス内でひたすら作業が続くので
「早く外に出たい・・・」が頭を占めます。
ハウス栽培のトマト、主には量産販売を目的とした営農では
その着果率と果実の個数・サイズが収支に大きな影響を及ぼす為、
着果率は非常に重要なファクターとなります。
こんな簡単な一文で書けてしまいますが、着果率と果実のサイズで
その農家が、万年累積赤字経営になるか、高級車を乗り回せるか・・・
それぐらいの振り幅が出るのです。
決して大げさな話ではないですよ。それが現実。
トマトという野菜は、ビニールハウスといった風や虫の影響が少ない場所では、意図的な受粉が必要です。
この受粉に、マルハナバチが利用されるのです。
しかし、セイヨウオオマルハナバチの利用は、免許制であり、
しかも、数年前から新規の免許取得は中止されており、
新参者の農家は、セイヨウオオマルハナバチを使う事が許されていません。
古くに免許を取得した農家だけが、このハチを使えるのです。
既得権・・・
※農業のハチ利用については、本州と北海道の運用が異なる様です。
今回の記事は北海道についての記事となりますのでご了承下さい。
え?じゃあ、新規農家はどうしているの?というと・・・
トマトトーンと言われる、ホルモン液の希釈水を
スプレーで花房に噴霧するのです。
一段の花房で、時期をズラして二回噴霧します。
10000本のトマトを栽培しますと、
概ね6段目までの栽培を仮定しまして、
10000×6段×2回=120,000回
スプレーでシュッシュと、12万回。です。
しかも、このスプレーは周りに飛散しない様に
花房を手で覆いながら噴霧する必要があるので、
ひとつひとつの花房を、手で覆い、噴霧します。
しかも、スプレーのタイミングも判断が難しく
最大効率を目指して作業を選定するので
スプレーする時間の選定や、気温による希釈濃度の調整、作業完了までのスピードも要求されるのです。
で、何が言いたいのか。
マルハナバチを使うと、この作業が不要になるのです。
マルハナバチが花粉を集めに飛んでくれるので、
勝手に受粉してくれるのです。
しかも!マルハナバチによる受粉はほぼ失敗なしに
着果します。何故だかわかりませんが、ホルモン剤による
受粉は失敗(着果しない)のケースも多く、
ハチとホルモン剤の受粉は、成果・収量にも大きな影響がでます。
※あくまで個人的な経験談ですが、ハチ受粉の果実は肥大率は低めですが、果実の形状が美しく形成され、トマトは綺麗なシルエットを描きます。対してホルモン剤による受粉は、肥大率が良く、果実は大きくなりますが、果実の姿はいびつになる事が多い様です。ボコボコした感じ。
まあ、もっと掘り下げれば書きたい内容はたくさんあるのですが
若干脱線しているし、文字も多くなってきたので、元に戻ります。
この時期、このセイヨウオオマルハナバチがあちこちに飛んでおり、
花を見ると、懸命に花粉を集めている姿をみて
ああ、また今年もこの時期が来たのだな。と思いシャッターをきりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1655891046674-aN0jyqELzA.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1655891576241-UkfV8kub0M.jpg?width=800)
小脇に抱えたオレンジの玉が、集めた花粉です。
ボール状にして持ち帰るみたいです。可愛い・・・
このまま心地よく文章を終えたい所ですが、
わたしなりに、お伝えしたい現実をひとつ記します。
受粉の作業を終えたマルハナは、
その後、どうされるでしょうか?
答えは、巣ごと焼却されます。
特定外来生物に指定されていますので、
外に放つことは禁止されています。
ひとの都合で働かせ
仕事を終え、繁殖したハチは
焼き殺されるのです。
シーズン中の脱走を完全に防ぐことはできず
実態としては、セイヨウオオマルハナバチは
大繁殖を遂げています。
わたしは学者ではありせんから、
特定外来種が生態系にどんな影響を及ぼし
その影響で固定種が滅びてしまう事の問題を
語れる程の知識はありません。
しかし、人の都合で連れて来たハチを
仕事が終わって、特定外来種と決めて?焼却するって
・・・どうよ?
現在は、他の種類のハチが活躍するように
路線も変更されている様ですが、
いままで人の都合によって焼かれたハチの魂は
報われるのでしょうか。
食料といのちを語れば、その論議は尽きる事がないでしょう。
では何ができるのか。
そのような事実がある事を知って、
感謝と謙虚さを忘れない事が
いま自分たちにできる事なのかと。
わたしはそういうふうに思います。
それでは、今日はだいぶ長くなってしまいました。
まとめ下手で申し訳ありませんが、
最後までお読みいただき誠に有難う御座いました。
では!また!
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