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横須賀の古民家から谷戸の眺望とスパイシーカレーを味わい

先日、横須賀の上町を歩いていると、新しい店舗がチラホラと増えていることに気がついた。前々から若い人中心に開業されているのは知覚していたが、そこから更に増えたようだ。どこも古い建物をうまい具合に利用してオシャレな雰囲気を醸し出している。いい意味で新陳代謝が行われていそうであり、もう何年かすれば街の雰囲気がガラリと変わるのではないかなと思える。
上町といえば病院も移転するし、なにやら新しいマンションも建てている最中だ。そこにうまい具合に若い人・面白い人間が面白いことを始めれば、なんてことを思わずにはいられない。


そういえば、上町を突っ切って富士見町に入ったところ……いや、むしろ県立大学から坂を登って行ったところに素敵なカレーのお店を発見した。
店名は『hatisAO』(ハチス アオ)。
発見したといっても、ネットで横須賀関連の記事を巡っていて知ったのだが。
しかし、そこはまさに『発見した』と表現したくなるような場所である。
なにせ、お店の場所は商業施設や商店街、ましてや大通りに面しているわけではない。
住宅街の中、車が一台なんとか通れるような道を辿った先にある。
店からの景観を見てもらえればどういう場所か理解していただけるだろう。

お店からは、横須賀らしい谷戸の景観が一望できる。

この景観が望めるような場所にある。
だからこそ、発見したと表現できよう。

この発見が素晴らしいものだったことを紹介するため、今回の記事にした。


では、先に最寄り駅である県立大学からお店までのルートを写真とともに案内しよう。読者の方々には是非とも訪れて欲しいお店である。これを見て迷わずに辿り着いて欲しい。


京浜急行の県立大学駅で下車


駅前は丁字路になっているが、まずは駅改札を背にして右手に進む。
すると、前方左手にファミマが
見えてくる
(反対方向にもファミマがあるので
注意が必要)


ファミマがある十字路を
今度も右手に曲がる。
すぐに京急の鉄橋が見える。


鉄橋の下あたりから
急な上り坂になっている。
この上り坂を進む。


ここは上り坂を登り切った場所
まだ直進する。


はっきりとした目印がなくて分かりにくいが、この交差点で左の道に入っていく。
右手側に『から揚げ かっちゃん』の看板が見えたら行き過ぎ。


わき道に入ると、このような風景。
ここも二手に分かれているが、写真方向、右手側に進む。


更に進むと、またも道が二手に分かれている。
今度は、ここを左手側に入っていく。
左手の道に入った風景。
こんな場所に?! と思うかもしれないが、間違いではない。


はい、お店の前に到着!
店なんかないのでは? 
と思えるが……


何やら木の板に店名と思われる表記が薄っすらと記載されている。


恐る恐る階段を上がってみると、お店への門が見えてきた。
ただの民家にしか見えないが、
立派なお店である。


門の上には、はっきりとしたお店の名が確認できる。
間違いなくお店である。


門をくぐり、右手側に進むと
お店の入り口がある。
まるで、誰かの家を訪ねている気分になる。


お店の玄関。
本当に人の家にお邪魔した気分だ。


さて、お店への行き方は理解していただけただろう。
気をつけて欲しいのは車では店付近までは行けない。写真の通り店の前は細い道で通るのも注意が必要だし、駐車場はない。有料の駐車場も、通りの方に戻らないとない。結局は歩く。

駅から店までは10分弱程度。入り組んだ道の上に途中坂道はあるものの、意外と近い。
民家しかない細道を進んでいて不安になってくるが、不安になるような道を進んでいたら正解なのだ。
あまりに不安だったので、筆者は店に入った第一声が「お店ですよね?」だったくらいだ。
むしろ、そんな場所にあるからこそ醸し出す雰囲気があり、空間込みで食事を楽しむ場所なのかもしれない。読者の方々もぜひ『発見』してほしい。

お店の人もまだ30代であり、話しかけると色々と気さくに答えてくれた。店内にはゆったりとしたBGMも流れている。決して緊張しながら食べる場所ではない。おしゃべりと空間を楽しんで欲しい。
もちろん、カレーもだ。

ここのカレーが実に美味しい。
メニューは一種類限定であり、どうやら日ごとに変わるらしい。
筆者が味わったカレーは非常に濃厚でまろやか。何度も通いたくなるような味である。

二種類の味が混じるスパイシーカレー

過去にどのようなカレーが出たのかは、インスタのハッシュタグ『#hatisao』で検索してみると確認できる。既に様々な人がお店を発見した痕跡がそこにはある。
1日1メニューだが、かなり多種なカレーが出ていることがわかる。
つまり、何度も通いたくなる理由がそこにもあるということだ。
今日はどんなカレーが出るのか、楽しみになるだろう。

カレーとギネスと谷戸の景観

ドリンクもカレーと同じく限定されている。日によって変わるようだ。お茶かコーヒー、それかアルコールも選べる。
筆者は、昼間からギネスをオーダーした。
まろやかなカレーにクリーミーなギネス。いいじゃないか。


席の種類も色々
筆者が座った窓際の席

古民家らしい店内の雰囲気。築90年と言っていただろうか?(70年? 記憶が曖昧)
席はテーブル席から座布団に腰掛けるスタイル、更に筆者が座った窓際の席など幾つかある。
これもまた、行くごとに変えてみるのもいいのではないだろうか?
カレー以外の楽しみ方を模索してみるのも面白い。

スピーカーからはゆったりとした音楽が流れる

オーナーは音楽が趣味とも言っていた。筆者が音楽に疎いので、この日はその点では全く深掘りしてこなかったのだが、音楽が趣味な人は気が合うかもしれない。

独特な天井デザイン

聞いたところによると、先住者は遊郭の建物建築に関わっていた職人さんだとか。
そのために、このような独特なデザインを施したのではという。
こういった店内の細部もまた楽しめる。


音楽関連の本も並んでいた

レジ前に書棚があり、筆者が読まないような本も並ぶ。
オーナーさんは教養がある人なのだろうか。そんな空気が感じ取れる。

そういえば、ここで読書会ができないかと会話の中で何気なく提案したら「いいですよ」とのこと。
読書会に限らず、カレー好きが集まるなど様々な交流会にも使えそうな場所だ。地域の集まりとしても利用できるのではないだろうか。
そういった仲間との集いにも利用できそうだ。そこからまた、新しい企画などが生まれてくると面白い。
オーナーさんとも、その辺の話をしたので、もしかしたら何かが生まれるかもしれないので、読者の方々はご期待をしていただければ幸い。
個人店舗を繋ぐような企画もできれば。



冒頭でも書いた通りに、横須賀は上町だけでなく色々な場所に魅力あふれる個人経営のお店が増えてきている。しかも、ちょいちょい他地域からの入居組による新しい色が流れてくる傾向があるようだ、
今回紹介したお店も、店主は岡山県津山市出身(B'zの稲葉浩志と同じだね)。
そういった他地域から横須賀の人間とは違う感性で作られる空気が交じり合うと、また新しい都市としての魅力が生まれてくると思える。
横須賀の新たな魅力が育まれていくところを筆者はもっと追いかけたいと考える次第である。


〈hatis AO〉

横須賀市富士見町2-19

営業日:水〜日
休業日:月〜火
営業時間:12〜15


支援いただけるとより幅広いイベントなどを見聞できます、何卒、宜しくお願い致します。