絵描きが抱いている二次創作の肌感の話

肌感てなんやねん法律は法律やろ

と思わず聞いて欲しい。
法律が正しいのなんて当たり前の話。じゃそれを実際に適用すんのかしないのかはまた別の話でもある。
「大怪我負った子供を車飛ばして病院まで連れて行きました!」なんて人のちょっとしたスピード違反を指摘するか?警察に突き出すか?まぁ殆どの普通の人は「ノー」と言うわな。もちろん良くはない。
ただこんな事は警察にタレコミした所で「まぁいいじゃないの」と言われてしまう可能性もある。

基本的に二次創作もこれくらいのもんと思ったら分かりやすい。
ただ善悪どうこうの問題は全くの別で、ここで言いたいのは「わざわざ言わん」というレベルの、もしくは「告発したところで誰が困ってるの?」といった具合。

絵描きのスタンスは十人十色

自分は「ほぼ一次創作者、たまーに二次創作も描く」といったとこ。
一次創作界隈を気取る人間の大半はここに位置してる。二次創作を全く描かない人というのは数が少ないかも。
基本的に二次創作ばかりの人は、あまり一次創作をしない印象がある。

何故なら二次創作は説明無しでキャラクターを出せるから。
波平とカツオを書けば一発で親子と分かるようなもの。
一次創作の場合はここに説明が入る。少なくとも分かるようにする手間はかかる。
また、原作のファンを取り込めるのもメリットです。
一次創作の場合は作家に付いたファン(と描くテーマによってはジャンルファン)のみにしかリーチしないので平たく言えば旨味が少ないです。

気にはなるが、言うほどではない

敢えて「二次創作のほうが旨味が強い」という部分を強調してしまいましたが、当然「それってどうなん?」という視線に晒されるとしたら二次創作のほうですよね。
中には「流行りのジャンルばっか描きやがって、ガッポリ儲けてるんだろ」などと蔑む人がいますし、「ジャンルイナゴ」という言葉もある。
 
ですが自分を含めて一次創作者と二次創作者の間にそれほどの隔たりは無いです。
まず、他人の懐事情なんてこっちから見えないというのがひとつ。
もうひとつは「流行を追う二次創作者ってアレ、マグロなんですよ」という事。止まったら死ぬので走り続けてるんです。真似できねっての。

仮に訴えても全員が損で終わる

よく二次創作のマナーで言われている事ですが「印刷代を回収するまで」つまりちょい赤~ちょい黒字のトントンラインまでが許されているぞという事。現実にはそれを大幅に超えて儲けを出しているサークルも無くはないです。
しかしまぁ、人ひとりが生活できる程度の稼ぎ。それに「その同人誌を潰したところで、原作が得になる事は無い」んです。
要は「原作が売れたはずのお金を同人誌が掠め取ったと言える」時に初めて原作サイドは被害を被ったと言えるわけです。
それはつまり…

海賊版はダメ、ゼッタイ

原作をコピーしたり、似せて描く事で原作と誤認させて客を騙し、本来原作に入るはずだったお金を掠め取るのが海賊版です。
二次創作の同人誌はこちらの海賊版に当たらない可能性が高いです。
理由は簡単に言えば「絵柄が違う」から。海賊版と見做されないように、わざと自分の絵のタッチで似せないように描いているからです。(ま、どう足掻いても原作ソックリに描ける人もそれはそれでほぼ居ないんですけども)

理屈はよく分からないのですが、アクキー等のグッズ類は「公式と競合する可能性が同人誌よりも高い」との理由で厳しくなっています。
まぁ「原作漫画買わないで同人誌買う人はいない」かも知れませんが「原作絵より好きな絵描きのグッズを買って公式絵は買わない」人はそれなりにいるのかなぁと。詳しくは知りませんが。

権利者が怒ったら全部ダメ

今までの話全部ひっくり返すようですが、結局これ。
ラインが分からないという人もいるかも知れませんが、とにかく原作愛を持ち、節度を持った表現を心掛ければ普通は怒られません。
銀魂がジブリに「アレ勃ちぬ」のパロディの許可を取ったなんて話も有名ですが、怒られるよりむしろ寛大である事をアピールできるとか、気に入ったからやってみろと言われたりする事もあります。
失礼かどうかは各々の常識が決める事ですからね。
 
当然、既存のキャラクターに過激な思想や特定宗教と結びつけるような発言をさせたり、影響が甚大な場合等も訴えを起こされる場合があります。
ホント1から10まで節度節度節度。

時々ライン超えの人がしょっ引かれたりする事もあって、一応知っておかないといけない事ではあります。
グレーなので胸張って言える事か!と言われたらそれもまぁ。
ただ、そこまでの問題でもないんですね。

特に記載しようか迷ったんですけど、AI生成イラストは学習データ周りがどうとか言われたりしますが海賊版のくだりで一発アウトでしょうね。
それに出版社の著作物ではなくいち個人の物だったりしたら、どう動くかは権利者次第です。
「大手出版社は二次創作を見逃してるぞ!!!お前はどうなんだ!!!」って叫んで相手が訴えを取り下げてくれたらいいんですけどね。

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