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スピイベント潜入記①【2020年10月6日、7日「シンデレラ・プロジェクト」】


どうも、黒猫ドラネコ(@kurodoraneko15)です。
ネット上にはびこるスピリチュアルや自己啓発など怪しいものを観察しています。ご興味のある方は是非ツイッターのフォローを宜しくお願いします。

まず初めに。これを見てしまった信者さんへ。
私は一生懸命がんばっている人達を馬鹿にするつもりはありません。
しいて言うなら「本当にそれでいいのか」と問うために観察して考察していますので、そこだけ分かっていただいて、あなたがそれでいいのなら「これでいいのよ!」と胸を張って楽しく生きてください。

ただ、あなたの好きなその教祖様、その所業、その空間に疑問を持つ人も世の中にはたくさんいるのです。
できればいいでいいので、そういった感想も見てよく考えてみてくださいね。

それでは、おふざけのトーンをいつもよりひかえ目でレポートいたします。


◇◇

■「さあ潜入だ!」

今回は「スピリチュアル・イベント」として名高いシンデレラ・プロジェクト(以下シンプロ)に潜入した。

サイゾーウーマンの私の連載「教祖様注意報」でもシンプロ概要(潜入までの前編)の記事を公開しているので、今回のレポートとは前後するがそちらもぜひ。


さてさて、まずは事前のチケット購入から。
住所と氏名など必須。私の個人情報が全て筒抜けになる。
ちゃんとしたクレジット決済のサイトに飛んだようなので、最悪の事態にはならないとは思うけど、もしも自宅が特定されてしまったら……。
それほどあの界隈のやることは信用できない。
自宅は比較的千葉寄りの都内です。(なんでヒント出すんだよ)

チケットの値段は2日間通しで3万円など各種。
最も安い席でも1万5000円する。海外アーティストでもなかなか見ない程の高額。これを自腹で払う。
これまでnote小説を書いてきたことで、皆様にいただいたnoteサポートのお金をここで使わせていただく。いつも温かいご支援ありがとうございます。

チケットには動画視聴権も付いているが、イベント当日にようやく届いたこの配信動画のメールがこれだ。

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パスワードが個々に割り当てられたものでもなく、例えば「cinpro」みたいな感じ。「URLとパスワードの他者様への伝達は禁止させていただきます」と注意書きがある。
うんうん、禁止されていたらそんなことやる人は絶対いないもんね!
純粋な信者さんが多いのかな?(にっこり)


海浜幕張駅到着。目的地はあの幕張メッセだ。

14時15分開始の予定。混雑を避けたいと1時間以上前に着く。
駅からのルートを調べる必要は全くない。なぜなら派手な格好の女性のあとを追うだけだったからだ。
「間違いなくシンプロの客だ」とすぐに分かる。地味なシャツかと思いきや「LOVE MY SELF」みたいに書いているから、こいつは絶対にそう。普通めの格好だけど、ペンダントやカチューシャがやけにデカいからこいつも確実にそう。
まるで何かの能力者になった気分で楽しく10分ほど歩く。

13時過ぎには入場口前に長蛇の列。
自分の指定された座席用の列の最後尾につくと、見渡す限りの女性たち。
暇つぶしにざっと男性を数えてみるが、見える範囲のおよそ1000人のうち10人もいなかった。すごい比率だ。

15分ほど並び、順調に列も動いていよいよ入場。
「間隔をあけてください」とのアナウンスもあり、QRコードを持ったスタッフから千葉市コロナ追跡サービスに登録するように指示されたので従う。
さらには入り口でコロナ関連の同意書のようなものを書いて提出。さすが幕張メッセだ。しっかりしている。スタッフがたくさんいてフェイスガードなどをして対応している。

いざ入ってみるとすぐに花輪が。子宮系女子の開祖でおなじみ、子宮委員長・八木さや宛てのもの。二日目に歌や対談のステージに出演するのだ。

ぐっ、しかしこれではあまりにも寂しい。

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関係者控室には主宰者であるhappy宛ても含めてたくさん置いてあるのかなあ。


私の席は二階中央。
すべて二席ずつ空けてあり、しっかりとディスタンスがとられていた。
しかし、すごいステージだ。

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開演時間が10分遅れるとのアナウンスあり。
時間もまだあるしせっかくなのでマルシェをぶらぶら見学することにする。

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スピったお店がいっぱいある。すさまじい大混雑だ。ただ、お店と客の間には一つ一つシートがしっかり垂らされている。
波動、オーラ、セラピーなどの文字が目立つ。宝石やアクセサリーや下着などもある。

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ど真ん中の良い位置のブースに陣取っているのは当然、主宰者happyの取り巻き達の販売店。旺季志ずか先生(吉本興業所属、happyの親友の脚本家さん)はサイン本販売に忙しい。
こちらも長蛇の列。(わざわざ上に戻ってから撮る)

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そのお隣にはサウンドスキャンなんちゃらのブース。
こちらも旺季先生が自身のサロンで所持されているらしい。吉本はこうした謎の機器使用にも寛容なのだろうか。何やらロシア発の測定機器のようなもので、普段この機器のスキャンを受けるのはかなり高額のようだ。音波で体を探る? 免疫力が何? これはもう、病院がいらなくなるね!(錯乱)

happyの側近のデザイナー(になったばかりのご夫婦)によるパーカーなどは1万円以上する。すごいね。

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他にも、happyのことを書いた漫画や絵本やイラスト集、かわゆくデフォルメされた似顔絵グッズなど盛りだくさん。これらは別にhappyがやらせている訳ではなく、信者さんたちのオリジナルなのだ。

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ここまでリスペクトされ過ぎているとちょっと寒気がする。
既存の宗教の教祖様でも信者によるここまでのオリジナルグッズ販売はないのでは。(もしかしたらあるのか……。今度、私が応援している宏洋くんに聞いてみよう)

知り合いの編集者の男性とばったり。やむを得ず付き合いで来たとのこと。購入したという貴重なマスクをいただく。やったー! かわいいじゃんか。

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今日から信者になろ。(違うって)


■「さあ開演だ!」

14時30分頃、予定より15分遅れてスタート。
オープニングはもちろん、主宰でありここに集まったほぼ全員の「教祖」として君臨するhappy様だあ!

4人のダンサーを従えて華やかに登場。
反復横跳びのように踊りながらのオリジナルソングを披露した。
「あなただけのランウェイがある」「自分の信じた道を歩いていますか」みたいな歌詞。
このイベントを煽るためのものだろうか。

ううううむ。ちょっと音程おかしいところあったけど、割と声も出ているし頑張っているなあ。私と同い歳の30代後半というのを忘れそうだ。
会場のボルテージも急激に上がる。

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隣をみるとなんかもう泣いてる。
うんうん、来れてよかったな、おばちゃん。
(え? なんでそんなに優しいんだって?笑)

歌い終えると暗転。それが明転すると舞台中央で「いえーい、ありがとー、うふふふ」とダンサーたちをハイタッチしてから見送り。
そして一人で語り始めるhappy。
ちょっとマイクの音量がきつくて聞き取り辛いが、会場を見渡しつつ慣れた感じで。

「シンデレラ・プロジェクトというひとつのエネルギー作品を作っていきましょう」

もう観客はぐっと掴まれたね。分かるよ。ここにいるみんなで作ることに意義がある舞台だもんな。
高いお金を払って来ているとしてもな!(まさに外道のツッコミ)


「私たちは瞑想集団なので、瞑想してから本編をスタートしたいと思います。3回深呼吸をしたら音楽をかけますので……」

な!? めめめ瞑想!?

happyも観客席に降りて自分用の席に座る。
「大きく息を吸ってー。はいてー。ご自分のペースであと2回……」
「二日間どんな気分を味わってグランドフィナーレを迎えたいか……。そんなことをじっくり感じながら瞑想していきましょう……」

しゅ、しゅごい。
さすがスピリチュアルイベント…。そうこなくっちゃだけども。

瞑想開始。
照明が全て消され、厳かな音楽が流れてくる。みんな目を閉じている。

私だけ「おいおいマジかよ」とハラハラしながらお菓子(じゃがりこ)をボリボリ食べまくる。
いいじゃん何したって別に。黙祷じゃねえんだから。

でもこの人らって普段からインスタライブとかでhappyによる集団瞑想に慣れているんだよね。自然なことなのだ。私が凄まじい程の異物なだけなのだ。自分一人だけが、強い集合意識を打ち破る孤高の存在……。
おいちょっと待て、こっちの方が特別感味わえるぞ、信者さんよ!

2分ほどの瞑想を終えると、再び語るhappyサマ。

「たくさんの人がずっとやってみたかったことをステージで表現する。そのエネルギーに触発されてあなたも蓋があく」
「特にオンラインの皆さんは、心が反応するシーンをノートに書き留めておいて。新しくあなたを知る大事なデータになってくる」

いい感じ。いい感じにスピってる。これよこれ。うまいなあ。じゃがりこ。(まだ食ってんのかよ)
隣のおばちゃんがまた泣いちゃうよこれ。

続いてhappyの司会のパートナーとして舞台俳優の鯨井康介さんが登場。
申し訳ないが私は存じ上げなかった。
以前からhappyと旺季氏の舞台にご出演されているらしい。

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鯨井さんには「リハーサルもしてない」「何がおこなわれるか分かっていない。ゼロの状態でリアクションを楽しんでもらいたい」とhappy。

鯨井さんは「個人で(幕張メッセは)借りる所じゃない。最初のダンスも超かっこよかった」などとひとしきりhappyを持ち上げ、「そしてすごいと思ってから、気分がガーっと上がってからの『瞑想』。ごめんなさい気分をどこに持っていけばいいか分からなかったです! 皆さんは対応できてるんですか? OKなんですね??」
これに会場はドッカーン! happyもいじられて爆笑で上機嫌だ。
3年前の第1回シンプロからの苦労話などもうまく引き出していた。
おしゃべりはすごくお上手だ。happyが是非にと依頼したというだけのことはある。


さてさて、今回のテーマとして「今この瞬間に全てを集め、魂たちよ狂い咲け!」の言葉でスタートしたいというhappy。
はい。「今この瞬間に全てを集め、魂たちよ狂い咲け」です。大事なことなので二回言いました。

いいねえ、まさにスピリチュアル文化祭っぽいよ。いや、言葉の感じでは運動会かな。
みんなで練習した後、happyが「シンデレラプロジェクト2020! 今この瞬間に全てを集め魂たちよー?」と言うと会場の皆さんも一緒になって腕を振り上げつつ「狂い咲け!」

はい、みんな叫んだ! 暗転ドン! スクリーンの煽り動画ドドドン!
(なんかhappyが仲間と打ち合わせしている様子などを編集した音楽付きのかっこいい映像)

私はピクリとも腕を振り上げなかった代わりに奥歯をグギっと噛み締めた。
まずは最初のステージだ。


「ワタシブランドSHOW」

素人さんによるファッションショーだ。
うーん。写真はちょっとにしておいた。

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それぞれ思い思いのテーマがスクリーンに映し出されていた。

「私の人生は思い通り」(おう)
「私は私を生きる」(わかったわかった)
「いつも誰かの目を気にしていた」(そうかよ)
「おかえり、私」(どこ行ってた)

みたいな感じの文章と、おそらく「冴えなかった頃の私」の画像が出て、それらをバックに奇抜な衣装をまとって登場。軽快な洋楽にノリノリで「こんなに変わったんだよ」と言わんばかりにランウェーを闊歩する信者さんたち。
みんなすごくいいキメ顔ドヤ顔で歩いていく。

客席からもペンライトが振られたり、手拍子が起こったり「ヒュー!」と驚嘆があったり。
たぶん一人あたり1分間ぐらいだろうか。

これと似たようなショーやダンスがあと4時間か。いや、正直言ってさすがに辛いよ。
音響や映像はプロでも、出てくるのが着飾った素人だもん。
しかもこの時点で既に20分以上も予定時刻より遅れているじゃないか……。


と、早くも気力を削られていたその時!
なんと、なんと!
私のほぼ真横に子宮委員長八木さや着席! 

その座席間の距離わずか5メートル!
どうやら関係者席らしい。側近の中年女性2人を従えている。マスクのせいか他のお客さんは気付いていない。
こちとらどんな変装されても見抜けるぐらいあなたのお顔を普段からネット上で見まくってるからすぐに分かるんだ。

さすがに写真は撮れないが、ちょっとテンションが上がる。
こんな広い会場で、よりによってこの御方が、数多くの批判的意見を投げ続けている私の近くに来るなんて。奇跡だ。セレンディピティとはこのことだ(意味はよく知らない)

婦人科専門の霊能者と豪語していたので、もしやその霊能力で私のことを察知してブン殴りに来たのでは……!?

以後、ステージそっちのけでチラチラと横目で見るはめに。

いやはや先は長いぞ……。


― 続く ―

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