20190326COMEMOシニア

【テクノロジー×シニア 変わる僕たちの働き方】で感じた、シニア問題のリアル(COMEMOセミナーレポート)

セミナーを受講するとき自分に言い聞かせているのは、「意図的に変化すること」です。
受講の前後で、考え方が変わった、行動が変わった、未来が変わったなど、変わるものは何でもよくて、その変化の大きさこそがセミナーで得た財産だぞと。

COMEMOが主催するセミナーは、時代のターニングポイントとなるテーマをうまく選定していて、アート思考やテクノロジーの活用など、知的好奇心をくすぐるものがラインナップ。

3/26に開催されたのは【テクノロジー×シニア 変わる僕たちの働き方[つながりが切り拓く未来#01]】というものでした。

このセミナーを受講してどんな変化が起きたのか、自分の身の回りのことを中心にご紹介させていただきます。


シニアの価値観も多様化している
こんなことを言うと身も蓋もないのだけど、セミナーそのものに関して言うと心が動くことはありませんでした。

それは「アクティブなシニアに活躍の場をつくろう!」という前提条件を、自分ゴト化するのが難しかったから。
https://www.facebook.com/events/364731640785364/

ちょうどセミナーの10日ほど前、法事で家族・親せきが一同に集まる機会があり、そこで身近なシニアたちと半日ほど話してみたところ、ものの見事にアクティブじゃなかったんです。

父親は65歳まで高校教師として働き、仕事はやり切った感があり、定年後に始めた居合道にハマっているご様子。

母親は専業主婦でパートに出ていたけど、体力的にキツイこともあり、いまはパート時代の仲良し5人組で映画を観に行ったり、近所のスポーツジムで水中ウォーキングをするのが楽しみらしい。

母親の妹であるミッコおばちゃんにいたっては「ひとり暮らしシニア」で、人づきあいはほどほどにし、登山や旅行など自分の好きなように生きていることが楽しいと言う。

さらにダメ押しで「孤独死してもいい」という発言まで飛び出し、いつその日が来てもいいように準備万端で、まさに誰にも迷惑かけずにあの世に行く気満々。
「あとはノリユキに任せた」と、この期に及んで事実上の喪主オファーまでしてきましたから。


アクティブでないシニアの生きがいとは
少なくとも自分の身近にいるシニアたちは、今回のテーマであるアクティブなシニアとは程遠い。
もう働く気はないし、若い人たちとつながりたいと思っていないし、新しい生きがいも求めていないし、毎日を平穏に過ごせるいまに不満はない感じで。

ただ息子としては生きがいを感じるようなアクティブな生き方をしてもらいたいと思っていて、これまでも趣味でつながるような新しいコミュニティへの参加や、自分の強みを生かしたプロボノ的な関わり方の提案も何度か。

だけど、それももう、やめようかなと。
うちの両親が何より気にしていたことは、息子であるノリユキが、
・起業なんかしてこの先ちゃんと生きていけるのか
・世の中や誰かに役立つような仕事をしているのか
・いい加減結婚してくれてもいいんじゃないか
という自分たちのことより息子のことだったんです。

それに気づいた瞬間、以前父親が「もっとお母さんに会いに来てくれないか」と、居間で母が席を外したときにボソッとつぶやいたことや、母親が「年に3回しか会わなかったら、私があと10年生きたとしても1カ月しか会えないだよ」とさみしそうに言ったことを思い出していた。


「親孝行 したいときには 親はなし」
広い視野で考えたらアクティブなシニアが活躍できる社会をつくることは大切だけど、でもその前に、シニアと親族のコミュニケーションが少ないことの方がニッポンの現実的な問題なのかもしれない。

親にとって子どもはいつまでも子どもで、子どもの幸せや子どもと過ごす時間こそが生きがいで、それに勝るものはないのではと。

「親孝行 したいときには 親はなし」
誰が詠んだか知らないが、そんな後悔をしないために、これからは月イチで実家に顔を出そうと「行動の変化」にコミットしたのでした。


次に親せきが集まる機会
懐かしい親せきたちとの時間はあっという間に過ぎ、そろそろ法事が終わりに近づいたころ、うちの父親が締めのあいさつをすることに。
前半は定型文的な話をしていたものの、なぜかオチをつけようとしたらしく

「次にこうやってみんが集まるのはオレの葬式だと思うので、そのときは、本人はいないけどよろしくお願いします」

というビミョーなギャグを口走ってしまい、ちょっぴりおかしな雰囲気に……
すかさず故人の長男であるミツヒロ兄ちゃんが
「その前に、ノリユキの結婚式があるよな」
というオトナなフォローを入れてくれ、法事は笑顔でフィナーレを迎えることができたのでした。

その一方、うちの両親からは「いまのは本気だぞ」というアイコンタクトが投げかけられ、帰りのクルマの雰囲気がちょっと重苦しくなったこともご報告させていただきます。

あなたの人生をちょっとおもしろくする、サポーターになりたいなと。