「皿そば巡り」で食べ比べ/喘いで登る山城の絶景/豊岡市
★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★都道府県 兵庫県
★城郭 出石城・有子山城
兵庫県は古代の国でいうと、摂津、播磨、但馬、丹波、淡路に、わずかに美作、備前と7カ国も含む特別な県である。また日本海側にあり山で隔てられた但馬と瀬戸内海側の播磨・摂津が同じ県というのも不思議だ。明治初年に開港場である神戸の財政力を増すため、摂津に播磨・但馬・丹波の一部を併せたのだという。
旧但馬国で見ると今は豊岡の市街地が中心だが、城はかつての出石町にしかなかった。また5万石の所領は現在の兵庫県域では姫路藩に次ぐクラスで、出石の重要性がわかる。
殿様は江戸中期に信濃上田から移った仙石氏である。移封の際に蕎麦職人を連れてきたのが有名な皿そばの始まりという。さして広くない街に、組合加盟だけで36もの皿そば店があり、蕎麦屋の隣がまた蕎麦屋など当たり前である。
皿に小分けして出るというだけでなく、大きな徳利で蕎麦つゆが出され、生卵・とろろ・大根おろし・ネギ・わさびが必ずセットで薬味として出てくる。初めて出てきたときはそのズラッと並んだ様に驚く。
食べ歩きをするなら「出石皿そば巡り」が便利だ。中心部の観光案内所で永楽銭3枚入りの巾着を買う。銭1枚で1軒の蕎麦屋で3皿のセットが食べられる。3軒で9皿。大人の男性ならちょうどいい分量か。生卵は3個食べることになるが。普通に出している皿そばは1食5皿なので、さすがに3軒回って15皿は難しい。いろいろなお店をめぐるには好都合だ。
食べる終わると記念に巾着にスタンプを押してもらえ、巾着を見せると街のあちこちの施設や買い物で割引が受けられる。またそれぞれの店の器の個性も楽しい。ご注目を。
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戦国時代からの歴史を持つ街だけに逸話も多い。高名な沢庵(たくあん)和尚は出石の出身で、街外れの宗鏡寺(すきょうじ)に、京から戻ってしば
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