唯一無二の錦帯橋/たゆまず続いた残す心/岩国市
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岩国といえば錦帯橋である。日本全国唯一無二の名橋として知られる。全長193メートル、幅5メートル。橋台の高さは6.6メートルあり、橋板の最も高い部分は11メートルもある。5連の橋で構成され、中央三つのアーチ橋は35メートルの径間を一気に渡す。
あまりの美しさ、インパクトの強さのせいか、細かな事実があまり知られていないように思う。例えば錦帯橋を木造と思っている方は多いと思うがそうではない。橋を下から眺めればわかるが、木組みを要所要所で鋼で締めている。これは江戸時代から変わらない。
また「釘を一本も使っていない」などという人がいるが、ウソ。主要構造部にはないが、これも当初から和釘を使っている。「木組みを一本抜くと全部崩れる」などというのも伝説に過ぎない。
しかしなぜこんな橋を作ったのか。岩国城は錦帯橋の背景となる200メートルもの高さの山上にある。狭い麓には藩主や重臣の屋敷があり、その他の家臣や町人の街は、錦川を渡った海側にあった。この間を通行する橋が必要だったわけだが、急流である錦川の氾濫で、橋は何度も流された。
ここで登場するのが三代藩主の吉川広嘉。この人は病弱で京都で療養することが多く、そこで学問に出会い人脈も広げた。藩主となって度々流される橋に悩んでいたところ、中国から亡命していた僧の独立性易(どくりゅうしょうえき)に、故郷の杭州・西湖には、島伝いにいくつも橋を架けて渡る堤
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