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「嶋根歌舞伎発祥公演之地」

今は途絶えてしまった地歌舞伎の記念碑

★ジャンル【文化】
★場所 足立区島根4-4-1
★最寄駅 東武スカイツリーライン西新井駅

★解説文
「江戸時代二代秀忠三代家光両将軍の帰依をうけた当山安置の開運誦経日蓮大菩薩の尊像は 季開扉 御成跡開帳 居開帳 宝物弘通等によって近郷近在信徒の益々の尊崇を受けるにいたった 殊に宝暦十二年四月一日より牛込宗柏寺 文化元年四月一日より芝円珠寺を宿寺として それぞれ六十日間に及ぶ公許の江戸出開帳は隆盛を極めたという この間本寺中山貫主 祖林中村化主 法縁々頭 そして法類の各寺主の高座説教や霊宝開帳 加えて江戸や近在の取持講中の協力が大であった それは彼ら愛好家による宗祖日蓮大聖人御一代記を演じた郷土芸能嶋根歌舞伎の公演が特記されるのである その後上記に加え一般出物も当山龍法難会や御会式捕夜等に上演され 信仰の増進と村民生活に潤いを与えて来た 而るに第二次世界大戦をもって後継されずに今日にいたる 今少数の出演経験者は知り得る限りの先輩 同僚各位の氏名を刻しその事績を後世に伝えんとす 真に感賞すべし 天下長久山々主 合掌」

★解説
 西新井駅から環七に出て、竹ノ塚センター通りまで行き竹の塚方面に向かいます。まもなく右手に広大な国土安穏寺の敷地があります。碑はその境内にあります。
 江戸時代ごろには、江戸などで行われる興行的な歌舞伎の他に、全国各地、特に農村で地歌舞伎、地芝居というものが盛んに行われていました。中世には神事に伴う芸能だったものが、平和で生産力の増えた江戸時代には、農村の数少ない娯楽として盛んになったものです。
 嶋根歌舞伎もそうしたものの一つとして江戸時代からこの地域で行われていたようです。明治以降も盛んだったようですが、東京都心に近い当地では他の娯楽が盛んになるにつれ衰えたようで、昭和になると戦争の激化と共に途絶え、戦後に2回ほど公演が行われた後は途絶えてしまいました。
 そうした歴史を残すために碑は建てられたようです。近くの島根鷲神社にも島根歌舞伎記念碑があります。こちらの島根は「島」で、地名も「島」です。

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