1城下張出

戦国の巨大城郭をハイキング/北条氏の先進性偲ぶ/小田原市

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★城郭 小田原城

 小田原では「城下」より「城周り」のハイキングをぜひ楽しんでいただきたい。というのも、全国の大名たちが真似た日本のお城のスタンダードが、しっかりと山中に残っているからだ。
 駅西口を出ると、北条五代の祖、北条早雲像が出迎えてくれる。昔は氏素性の怪しい下克上を体現した人物と思われていたが、近年の研究の結果、京の将軍側近衆で、駿河の今川家に補佐役として派遣された人物とわかっている。
 バスに乗り3つ目の「税務署前」で降りて、手前の「税務署西」という信号T字路を山側に入る。最初の角を左に登っていくと「城下張出」という巨大な城郭遺構が忽然と現れる。
 高低差10メートルはあろうかという空堀跡が、住宅街の一角に階段状に残っているのが驚きだ。そのまま坂を上り、「童謡の散歩道」案内板がある分岐を右に行くと、次々と壮大な空堀と土塁が現れる。これが総構(そうがまえ・惣構)と呼ばれる小田原城最外郭の守りだ。
 日本の城は中世の館から発展し、山城から平地に降り、石垣や堀を巡らせた城郭に発展する。戦国大名の成長につれ経済も重視され城下町が誕生する。しかし城攻めとなるとこの城下町は焼き払われ大きな被害を受けた。これを解決しようとしたのが総構だ。城下町全体を取り囲んで守ることで、領

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