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「オーロラ」(原水爆禁止運動発祥の地)

ビキニ水爆実験被曝で始まった署名運動

★ジャンル【社会】
★場所 杉並区荻窪3-47
★最寄駅 荻窪駅

★碑文
「杉並区立公民館跡地の碑」
解説板の解説文
「昭和二十八年十一月に開設した杉並区立公民館においては、区民の教養向上や文化振興を図るため、各種の教養講座が開かれ、また、社会教育の拠点として、区民の自主的活動が行われてきました。これらの活動のなかでも、特筆されるものは、昭和二十九年三月ビキニ環礁水爆実験をきっかけとして、杉並区議会において水爆禁止の決議が議決されるとともに、同館を拠点として広範な区民の間で始まった原水爆禁止署名運動であり、世界的な原水爆禁止運動の発祥の地と言われております。その公民館も老朽化により平成元年三月末日をもって廃館されましたが、その役割は杉並区社会教育センター(セシオン杉並)に発展的に継承されております。ここに、公民館の歴史をとどめるとともに、人類普遍の願いである永遠の平和を希求して記念碑を建立したものであります」

★解説
 荻窪駅の南側、徒歩8分ほどのところに杉並区荻窪体育館と杉並区立中央図書館が道をはさんであります。その体育館の角に碑は建っています。ちょっと変わった造形の下に「オーロラ」と書かれ、下に小さく「杉並区立公民館跡地の碑」とあります。
 東京23区内には、現在「公民館」と名のつく施設は、ほとんどありません。公民館は社会教育法に基づいた施設で、戦前から敗戦直後に姿を現し、福祉・健康・文化・教養などの市民活動を行う場です。
 そうした公的施設が23区内にないわけではなく、「市民センター」「社会教育センター」などと名を変えて、公民館的事業は行われています。この杉並区でも、解説版にあるように「杉並区立公民館」は廃止されましたが、「社会教育センター」が設立されています。どうして公民館を名乗らないかというと、社会教育法に基づく施設では営利事業に制限があるなど不自由な面があるため、だそうです。
 公民館は1953年に開館しましたが、これは1947年に初めて公選で誕生した新居格(にい いたる)区長が「文化区杉並」を目指して設立を進めたのが始まりで、新居の病気退任後、2代目公選区長の高木敏雄(たかぎ としお)が設立を推進し実現しました。
 その高木が、隣接する図書館長とともに公民館長を依頼したのが安井郁(やすい かおる)でした。安井は国際法学者で戦前は東京帝大教授でしたが、戦前の論文が元で公職追放され、東大を辞して法政大教授を務めていま

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