東京市内最初の並木1

「市内最初の並木」

実は銀座の街路樹の方が古かった?

★ジャンル【産業】【文化】
★場所 千代田区大手町1−1−2 大手門タワーJXビル前
★最寄駅 東京メトロ、都営地下鉄大手町駅

これまでの東京23区発祥の地一覧

★碑文
特になし
脇の解説版文章
「明治八年『ニセアカシア』を、この道路に植えた。蘭学者津田仙翁が明治六年ウィーン万国博覧会の際に種子を持ち帰り育成したもので、外来種による東京市内最初の街路樹である。なお現在この通りの街路樹は「エンジュ」である。

★解説
 江戸城大手門のすぐ向かいです。
 現代より昔になればなるほど自然が豊かだったと勘違いしている人がいますが、そうではありません。江戸時代以前は、人が住んでいる近くの山は、ほとんどはげ山と言っていい状態でした。薪や田畑の肥やし、牛馬のエサのためです。江戸などの大都会では大きな木は珍しく、特に江戸城などは建物ばかりで木は生えておらず、今の緑豊かな皇居とは全く違うイメージでした。道路は舗装などなく雨が降ればドロドロで木陰もありません。
 明治維新以降は、ヨーロッパに倣って街路樹を造るようになりますが、では日本に全く街路樹がなかったかというとそうではありません。有名な日光の杉並木は江戸時代に植えられたものです。「街路」とは言えないかもしれませんが、八代将軍吉宗は隅田川の堤に桜を植えました。大きな神社の参道などには並木が植えられました。だから何が言いたいかというと(笑)、この発祥というのは実に曖昧なんです、という言い訳です。
 この場所には1875年(明治8年)に、農学者津田仙がヨーロッパから持ち帰ったニセアカシアを街路樹として植えました。たまに苗木を持ち帰ったと記している資料がありますが、隣の解説版にあるように1873年(明治6年)のウィーン万博の際に種子を持ち帰り、育苗したようです。このときにはほかに文京区の江戸川(現神田川)端にも植樹したようです。

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