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「国産飛行機発祥の地」

実は徳川大尉ではなかった日本初飛行

★ジャンル【産業】
★場所 新宿区西五軒町12−10
★最寄駅 東京メトロ江戸川橋駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
「明治42〜43年(190〜1910)にかけて日野熊蔵大尉により最初の国産飛行機『日野式一号機』が製作された林田商会(のち日本醸造機械株式会社)跡地である。明治時代末期、飛行機が欧米各国で長足の進歩を遂げているのを見て日野大尉はその将来性に着目し、全くの独力で英・米・独・仏の文献を参考に飛行機用発動機、および飛行機の設計と製作に着手し、明治43年(1910)2月この地で完成した。一層式で翼長8メートル、全長3メートル、発動機は二衝程空冷式八馬力を登載し、完成まで3ヶ月の期間と約千九百円を費やした。大尉はこの飛行機に自ら搭乗して戸山ヶ原で試験飛行を実施した」

★解説
 江戸川橋駅から神田川沿いに飯田橋方向に進み、住友不動産飯田橋ビル先の角、小さなビルの脇にあります。
 まずご注意はこの案内板には新宿区西五軒町34番とありますが、現在このような番地はありません。地図で探しても無駄です。うしろに見える住居表示板には「西五軒町12」とあります。これが設置場所です。探すときにすごく苦労しました。
 さてこの地は正確に言えば「国産飛行機初製造の地」でしょうか。しかし飛べなかったので「「初製造挑戦の地」かな?
 日本国内で飛行機で最初飛んだのは徳川好敏(とくがわ よしとし)大尉、というのは有名な話ですが、実はこのできごとはかなり仕組まれています。私は日野熊蔵(ひの くまぞう)こそが日本初飛行のパイロットだと思います。
 渋谷区編で紹介しますが、日本で飛行機が初めて飛んだ場所(代々木公園)には「日本航空発始之地」という巨大な碑があり、傍らには徳川大尉とともにこの日野大尉の胸像が並んで立っています。つまり扱いとしてはこの二人が初飛行、という形になっています。
 初飛行の公式記録は1910年(明治43年)12月19日で、ここに記された国産飛行機の飛行試験日は同年3月でした。もし成功していればこちらの方が早かったことになります。この時の飛行失敗の原因は滑走路が200メートルし

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