「お仙泣かすな 馬肥やせ」/戦国武将の人情に思う手紙の館/坂井市
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★都道府県 福井県
★城郭 丸岡城
坂井市は2006年に4つの町が合併してできた。それ以前は城の名と同じ丸岡町が城の場所だった。丸岡町と聞けば、日本一短い手紙コンクール、「一筆啓上賞」が有名だ。
きっかけとなったのは、丸岡藩初代藩主である本多成重(ほんだ なりしげ)の母に宛てられた手紙である。成重がまだ幼い頃、父であった本多重次(ほんだ しげつぐ)、通称「鬼作左(おにさくざ)」が、長篠の合戦の陣中から送ったのが「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」という簡潔にして要を得た文面だった。
原文は「一筆申す 火の用心 お仙痩さすな 馬肥やせ かしく」だったという。この「お仙」が仙千代といったのちの成重である。手紙のやり取りは今の愛知県内で行われていたはずだが、お仙ゆかりの地ということで、丸岡城天守下には、手紙の文面が碑となって残るほか、街のあちこちで目にする。また重次と成重の墓が城南の本光院にある。
「鬼」と言われる猛将で、豊臣秀吉に反感をあらわにして蟄居させられた重次だが、領民らには公正で人情に厚かったという。そんな姿が手紙にも表れているように思う。
これをヒントに街おこしをしようと当時の町職員が考えたのが「一筆啓上賞」で、1993年に第1回の作品募集が行われた。以来130万通を超える「手
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