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めっきり見ない菊人形の聖地/少年隊の悲劇、今も感じさせる/二本松市

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★城郭 二本松城

 今や絶滅危惧イベントとなっている菊人形展。若い人の中には菊人形を知らない人もいる。二本松はその最後の牙城である。
 毎年10月初めから11月末まで開かれる「二本松の菊人形」は、菊花の展示本数3万本と、現在残る全国の菊人形展では最大の規模を誇る。
 そもそも菊人形は、江戸時代末期に江戸の団子坂、今の文京区で始まった。明治に入り旧両国国技館での菊人形展が大人気となり、全国に広まる。商品ディスプレイや博物館展示などで有名な乃村工藝社は、この時に菊人形展を全国に広め、会社も大きくなった。今も関連会社が菊人形の製作を担っている。
 しかし、特に戦後は娯楽の多様化とともに菊人形の人気は廃れ、3大菊人形展と言われた一つ、大阪・ひらかたパークの大規模展はなくなってしまった。
 しかしここ二本松では、開催地が少なくなったからこそか、まだまだ賑わっている。会場はまさに城内の一角。江戸時代風に復興された城門をくぐって入ると会場だ。人形は、毎年テーマに沿って何体かの展示場面が多数ならぶ。
 人形の顔は極めてリアルで、花との通り合わせはシュール。これは幕末の誕生時から、生き人形師と言われる人たちがリアルな頭部を作って、それに

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