金沢藩前田家下屋敷（加賀公園など）

江戸最大の大名屋敷

表高：103万石（加賀、能登、越中、全国１位）
所在地：板橋区加賀１、２丁目、板橋4丁目全域と板橋１、３丁目の一部
最寄り駅：都営地下鉄三田線新板橋駅

前田家上屋敷その１
前田家上屋敷その２

金沢市の話題

　筆頭大名家100万石の前田家にしては、実は屋敷の数は少ない。下屋敷も幕末期にはこの板橋区の平尾屋敷のみ。しかし本郷にしてもそうだがその広さは実に広大。この平尾屋敷が諸大名の屋敷の中で最大で、御三家の屋敷もしのぐ。面積はなんと21万8000坪。現在の加賀1、2丁目と板橋4丁目の全域、板橋1、3丁目の一部が含まれる。
　前田家の屋敷はすべて参勤交代ルート上の中山道沿いに作られた。平尾屋敷は屋敷とはいっても敷地に占める建物の割合はほんのわずかで、大部分は庭園や、江戸で必要な物資を生産するための林、竹林、畑や、貯蔵施設だった。参勤交代の際は、ここで休憩して身なりを整えるなどしたよう。
　幕末時点で前田家中屋敷は文京区本駒込６丁目、柳沢吉保の屋敷だった六義園の南東側にあった。明治以降三菱の岩崎家の手に渡り住宅地として開発されたが、遺構などは何もない。
　また蔵屋敷が江東区門前仲町1丁目にあった。深川モダン館通りのあたりだが遺構は何もない。

１）加賀公園

　下屋敷の遺跡や遺物はあまりないが、石神井井川沿いの加賀公園には大きな丘がある。これは庭園内の築山の跡。かなり巨大な山だ。

これより有料です。以下には記事全文、全ての写真、地図、関連情報リンクなどがあります。ご購入いただく場合、この記事だけで100円お支払いいただくより、マガジン「江戸の大名屋敷跡ガイド」全体を800円でお買い上げいただく方がお得かと思います。最終的に23区内にある大名屋敷跡全ての記事をご覧になることができます。よろしくお願いします。