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坂本町公園の歴史(東京最初の市街地小公園)

身近な公園の先駆け

★ジャンル【文化】
★場所 中央区日本橋兜町15-3
★最寄駅 東京メトロ茅場町駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
「坂本町公園は、1889年(明治22年)に東京における最初の市街地小公園の先駆けとして、この地(旧日本橋区坂本町)に開園した。開園当時は、樹木うっそうとし風雅な涼亭を備えた和風庭園だったが、関東大震災によって全焼し、震災後避難民収容施設、仮校舎等の敷地に使用され、非常時における都市公園の機能が十分発揮された。その後復興事業により区画整理され、小学校と公園とが一体的に利用できる、児童コーナーを設けた洋風の公園になった。太平洋戦争時、東京大空襲によって再び焼失。戦後、戦災者用仮設住宅の敷地として使用され、その後児童公園として、様々な改良整備が行われ現在の公園になる。」

★解説
 2020年4月現在、隣接する阪本小学校校舎改築工事のため、坂本公園は仮校舎の敷地になっています。阪本小学校完成は7月の予定なので、その後は公園に戻る予定ですが、現在は写真のような碑文を見る事はできません。
 日本最初の近代的「公園」は1873年(明治6年)に指定された東京の上野公園芝公園浅草公園深川公園飛鳥山公園ですが、これは従来の行楽地だった寺社地などを指定したに過ぎません。しかしこれ皮切りに、全国各地で「公園」が誕生することになります。
 碑文にある市街地小公園とは、都市市民の行楽地・遊興地として想定された大規模な公園とは違い、近隣住民の日常の憩いの場であり、災害時の避難場所などとして考えられたものです。江戸時代の火除け地に近い考え方です。
 こうした公園の設置が始まったのは、当時進められていた東京市の改造計画「東京市区改正」に伴うものでした。公園の設計は東京府土木掛で造園家、さらに日本初の公園デザイナーとして知られる長岡安平(ながおか やすへい)でした。のちに長岡は全国各地の公園設計を手がけ、日本の公園設計の先駆者と言われるようになります。
 長岡は東京では芝公園や飛鳥山公園などの改良や、市内の街路樹の整備な

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