七尾3

驚きの巨大山車「でか山祭り」/前田利家出世の地に残る優美な暖簾/七尾市

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 七尾の祭りは正式には青柏祭(せいはくさい)というが、そんな名で言う人は少ない。「でか山祭り」。ほとんどの人がこう呼ぶ。
 文字通り「山車」が「でかい」。でかいなんてものではない。恐ろしくでかい。初めて見た時は、声を出して笑ってしまった。
 都市部ではお祭りにはお神輿と思っている人が多いが、実はあれは明治以降電線が街を覆い始めてからのもの。日本の祭りの伝統は山車(屋台)の引き回し。有名な青森県のねぶた(ねぷた)も山車の変形だ。明治以降は電線が張り巡らされて山車の運行が難しくなり、代わりに手軽なお神輿が増えたのだ。
 しかし各地の山車の高さは8メートルからせいぜい10メートル。京都の祇園祭の鉾の頂上は25メートルにもなるが、あれは柱が飛び出しているだけで、屋根部分はやはり8メートルぐらいだ。
 ところがこのでか山祭り。山車の最高部高さはなんと12メートル。明治期までは18メートルもあったという。高さだけではない。山車は横から見ると上に行くに従って前後に開く逆「ハ」の字型をしており、その幅はなんと13メートル。そこに上杉謙信と七尾城攻防戦とか、義経千本桜とか、歌舞伎や伝説の場面を人形と舞台で作り込む。
 上に行くほど大きい舞台が、ただでさえ大きいでか山をさらに巨大に見せている。そして驚くことにでか山は内部に入り込め、子供らは舞台の周りに座ったまま山車は運行していく。
 山車全体の重さは20トンで車輪の直径は2メートルにもなる。前に3本の

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