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本とともに暗闇を歩く|「本を読むということ」受講メモ(1)

5月13日の夜は、インタビュアーの木村俊介さんのオンライン講座「本を読むということ」に参加していました。

お話を聞きながら、読んでいた岩田健太郎先生の『主体性は教えられるか』(筑摩書房)を思い出していました。

本の中で、大学のシラバスが学ぶ楽しみを奪っている、という話が出てきます。シラバスによって学習範囲を決めてしまうと「これ以上学ぶ必要がない」というイメージを与え、枠を飛び越えて主体的に学習する意欲をそいでしまうから、というのがその理由でした。

今回の講座は、枠組みはある程度決まっていたのですが、木村さんはその枠組みを気にせず、3つのトピックをひとつずつ説明しながら少しずつ「伝えたいこと」の入口へと案内してくれました。

それは、聞き手からすると脈絡がないようにも感じたのですが、少しずつ、実はそれがひとつにつながっていて、細い道から広場に案内してもらえたような気持ちになりました。

事前の案内とは違っていたけれど、だからこそ、オンラインの講座とは思えない空気が流れたのかなぁ、と思っています。と同時に、これって岩田先生がおっしゃっていた「シラバス(この講座だと事前の告知)」を飛び越えたからこそ得られたものだったのかなぁ、と。

実は少し前に、オンラインイベントだらけの状態に食傷気味になっていました。興味のあるイベントはたくさんあるけど、それを見ていたらあっという間に時間がなくなってしまう、と。

この講座に参加してみようと思ったのは、顔や声は主催者側だけで、参加者の姿は基本的に見えない(質問のときは声だけの参加)ためでした。なんとなく、ラジオ講座を聞いているような感覚で参加できそうな気がしたので。実際、最初の30分は家事をしながら聞いていました。

そのあとは映像を見ていましたが、木村さんの姿と、木村さんが紡ぐ言葉に集中できたのがとても心地よく、疲れも残りませんでした。zoomだからって、双方向じゃなくてもいいんですよね。

来週と再来週の2回も楽しみにしています。