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考える素材として│読んだ本

タイトルだけ読むと、世間に物申すというか、やや前のめりなイメージを持つかもしれないのですが、実際に読んでみた印象は立ち止まって、振り返って、考えて……を繰り返しながらゆっくり進んでいく感じの本です。

本書は知人の身に起きたことをきっかけに執筆した本、ということもあり、明快な結論があるわけではありません。書きながら浮かんできた思いを言葉にしながら話を進めていくので、読み終えてもなんとなくぼんやりした感覚が残ります。

その意味では、結論だけを知りたいという方にはもどかしく感じるかもしれないのですが、著者と一緒に善意の裏側にある心理を知り、自分はどうあるべきかを自問自答するにはとてもよい本だと思いました。

本書でたびたび引用されている『官僚制支配の日常構造―善意による支配とは何か』(畠山弘文著/三一書房)も読んでみたいと思ったら、もう古本でしか入手できないようです。この本を手元に置いて、折に触れて読み返そうと思っています。