2020/02/25 情熱と理性とそのバランス

出勤前にカバンに3冊入れたけど、電車の中で読んだのは1冊(貝原益軒の『養生訓』)だけだった。

この本を読もうと思ったのは、『新・養生訓』(岩田健太郎、岩永直子著/丸善出版)で取り上げられていたから。本書にも書かれていたように、『養生訓』では「睡眠欲は抑えましょう」と書いてあった。その理由は

睡眠を少なくすると病気をしないようになるのは、元気が循環しやすいからである(p. 28)

とのこと。「元気が循環しやすい」ってどういうことなんだろう。睡眠時間が短くなると疲れてテキパキ動けないし、思考力も鈍くなるし、ミスもしやすくなるけど。確かに、「そんなに寝てないけど、いつも通り頑張れるしー」みたいなカラ元気は出るけれど。どういう意味なのか気になる。

ところで。

岩田先生の本を初めて読んだのは、前職の上司に勧められた『「患者様」が医療を壊す』(新潮選書)だった。今となっては、この本を勧められた理由がなんだったか覚えていない。ただ、当時はカスタマーサービス部にいて、お客様のわがまま(いろんな意味で)に全力で応えたり、かとおもえば予想の斜め上をいく無理難題に勝手にイラついたりしていたから、それを遠回しに諫めるために勧めてくれたのかもしれない。

その時によく言われたのが「感情と事実をいったん切り分けて、事実だけを見る」だった。人間だから、感情と事実を完全に切り分けることなんてできない。でも、事実だけを取り出して眺めれば、「なるほど、確かにそれはしょうがない」と思うことも案外多い。そのことを認識してから感情と統合すれば、そこから導き出す答えは感情の赴くままに出したものとは違うものになる(ならないときもある)。

久しぶりに『新・養生訓』を読んで、「事実だけを見る」岩田先生の変わらない姿勢にほっとしつつ、10年経っても相変わらず感情が先走ってしまう自分の変わらなさっぷりにがっかりする。私にとって岩田先生の本は、知識を得るためというより、情熱(感情)と理性のバランスをとる思考訓練のため、なんだと思う。

今日の音楽

その日に何を聞いたかも記録します。でも、普段は同じ曲ばかり聞いているから、書かないことの方が多いかもしれません。

聞き覚えがあるものと、そうでないものがはっきりわかります。聞いたことがないものが2、3ありましたが、どちらも1、2回乗ったことがあるぐらいの路線でした。

そういえば、JR西日本は発車メロディーより接近メロディーのほうが印象深いです(発車メロディー自体、あったかどうか記憶にない…)。この音を聞くと、「大阪に帰ってきたぁ」と実感します。

電車関係の音、たまに聞いてます。