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神に「3日だけ洞口依子さんになりたい」とお願いした黒猫です。


ヨーリーさま

↑ラブレターfromカナダをありがとうございます! 『note』初心者すぎて、お返事するのがすっかり遅くなりました。

2022年のお正月に「noteを使いこなす!」と意気込んで書いた目標メモを、先ほど冷蔵庫の扉で見つけました(マグネットで貼っているのです)。

冷蔵庫の中に隠し持ったおやつを出し入れするたびに「noteを使いこなす!」がヒラヒラします。さっきもチョコレートをつまみ食いした際にヒラリズムしたので、意を決して『note』を開いてみました。

前置きが長くなりました。

ヨーリー機内誌エッセイ記事、改めて懐かしく拝読しました。そうそう、ヨーリーさまの初旅・初飛行機の行き先は「熊本」とエッセイに書かれていましたよね。確か、私が熊本出身だとお伝えした時も「阿蘇に篠山紀信さんの撮影で行ったことがあるよ。裸で草原に転がったよ」と愉快そうに笑ってお話しされたのを覚えています。

イッシマトワズ草千里。俳句のようですね。

ヨーリーさまがイッシマトワズ草千里の時、おそらく私はまだ恋を知らない知りたくもないお年頃だったはず。とにかくいろんな発達が遅くて、「私は〇〇くんが好き。はるみちゃんは?」という友人の質問の意味が本当にわからず、困っていた時期がありました。

名札の裏に「好きな人ベスト10」を書いて忍ばせるのがクラスで流行っていて、同調圧力に負けて無理やり捻り出してベスト10を書いたのですが、正直言って誰もベストではないので「アイウエオ順」で10人書きました。

それを体育の時間、体操着に着替えた瞬間にいたずらっ子から盗み見られて「こいつ、〇〇のことが好きだって! ヒューヒュー」と囃し立てられた時は、心底ダメージをくらいました。せめて「アイウエオ順」に書くべきじゃなかったな。だって、アから始まる男の子は別にイケメンでもn&%#(以下略)。

あ、またどうでもいいことを……。

お手紙に書かれていた再びの来熊、樹木希林さんと椿の花の球磨焼酎のシーン……。このあたりは流石の私も確実に成長していまして、好きな人もできて一丁前に失恋を経験していた時期だと思います。

なぜなら、その頃「洞口依子さんに3日だけなりたい」と神さまにお願いをしたことを鮮明に覚えているからです。もちろん世界の片隅すぎる田舎で、小さな恋に砕け散って泣いている私はただの平凡な女子で、女優さんに会えるような環境にはいませんでした。

失恋でメソメソしている時に見たドラマにヨーリーが映っていて、その時のヨーリーは男性を鼻であしらっていて(「役で」ですよ)、見事なほどに「The小悪魔」で、この時から勝手に私はヨーリーさまを「小悪魔先生」と崇拝し、そして神さまにこうお願いしたのです。
「3日だけ洞口依子さんにしてください。1日であの彼を落としてメロメロにして、すぐにけちょんけちょんに振ってやりたい。時間が余ったら、あいつとあいつも……」と。そんな計画妄想をして溜飲を下げ、失恋の傷を癒していました。

そんな憧れの小悪魔先生とその後、東京でご近所さんになり、カランコロン便(これについてはいずれ書きたいな)でごはんを届けてもらったり、私が東京から熊本に戻る際は、荷物を整理してガランドゥーな部屋でウクレレをつま弾いてくださったりと、本当に「ご近所のお姉さん」として大変可愛がっていただきました。それは今でも続いています。縁とは不思議なものです。

そんなこんなで「小悪魔先生、最強伝説」が私の中にあるのですが、先日いただいたお手紙で樹木希林さんに恋の相談をされるなど、小悪魔先生も男性に振り回されることがあるんだ……。そんなことを口頭でもお伝えした時がありました。決まって小悪魔先生は「あるよ! あるに決まってるでしょ!」とケラケラ。私、いまだに信じられません。だって最強伝説なのに。

あ、また話が横に横にそれてしまい、一番お返事したかった映画『ロストドーター』と、母娘の関係について、今回辿り着きそうになくなりました。

こちらはまた別便で書きたいテーマです。なにせ、私もヨーリーさまも「猫しか育ててない」ですもんね。なのに、先日、ヨーリー疑似夫(?)のカッパさんと何故か「子どものお受験」について電話で語り合ってしまいました。お互い、猫しか育てていないのに!

そうそう、疑似夫婦の写真を見て、馬事公苑のあの時の日差し、さらりとした気温、緑の香り、空模様をありありと思い出しました。あの一枚は確かジャングルジムみたいなのに登って、勝手にヨーリー夫妻の撮影を眺めながらパチリしたものです。私はその数日後に住まいを熊本に移す……というタイミングでしたので、とてもセンチメンタルかつハッピーな気分で撮影にお邪魔したのを覚えています。

機内誌エッセイ最終回の入稿も……わああああ、びっくり。3Dのように、いま目の前に光景が広がっています。夜中に携帯電話でおしゃべりしたこと、あの時住んでいた『ケルン』という極狭ワンルームマンションの出窓、そこに置かれたfax電話で校正をカタカタ送っている自分の様子が見えます。あの時のヨーリーと、あの時の自分を抱きしめたくなりました。よく頑張りましたよね、いろいろと。

なんだか全然いいこと書けないまま長文駄文になってしまいました。またお便りさせてくださいませ。

黒猫はるみより。

#往復書簡 #のら猫書簡 #洞口依子 #小悪魔 #馬事公苑  #黒猫はるみ

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