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【感想】銀河英雄伝説Die Neue These 19話「ドーリア星域の会戦」(2ndシーズン 星乱 ep7)

同盟のターン!

ヤン艦隊進撃

戦艦の音がちゃんと右後背から聞こえてくるのがいい。
あらゆる意味で大きな人が多いから、ラオの近くにいるユリアンを見るとちょっとほっとする。ラオくんの「普通」、ユリアンにも良い影響があるといいな。

クーデターを予測し、すでにビュコック司令長官からお墨付きをもらってるよ!なヤン。怖いわ。ユリアン、あの時そんなことをって気付いた顔だね。いつか分かるようになるんだろうかって考えてたけど、その結果が今ここで分かったわけで。

回想のこのシーン、ヒューベリオンの私室かな。
当たり前だけどイゼルローンのお家より簡素。床がユニットで組み上げられてるっぽいのもめっちゃ同盟艦っぽいね。
ユリアン、ヤンのやることにそのまま追従するだけではなくて、なぜそうなのかを考えたり教えてもらったりしているの、本当に素晴らしい弟子っぷり。
「敵にヤン・ウェンリーはいませんよ」
そうなんだけど、そうじゃない。ユリアンの視点からはヤンがほぼ神様のような存在感を持った、唯一の人に見えていても、ヤンの目には自分はたまたまここにいて、たまたま能力を発揮する機会があっただけの、ただの人。
平和な時代ならまず軍人になってないもんね。ひよこにすらなっていない学者のヤン。見たかったね。本当、見たかったなあ‥。でもそうなるともっと早い段階で同盟はダメになってた可能性も高いんだもんな。うまく行かないね。

研究対象にされる「英雄」の自分とは、いつまでも一線を引いて向き合ってる感があるんだよな、ヤン。だからこそ驕らずにいられるのかもしれないけれど、多分「英雄」に仕立ててくる政府も含めて、その立場は軽蔑してるんだろう。自分の才能自体を悔やんだり、その結果を他人事に思っているわけではなくて、それも自分と受け止め、結果に対しての罪の意識は確実に持っている。それでも絶対的な「英雄」などではないという意識。このバランス感覚が、ヤンの魅力・・だとわしは思ってる。

率直にすごいというユリアン、かわいい。
それにしかつめらしく応えてみせるヤンも、かわいい。
かわいい親子だ☺️肉親ではなくても、誰よりも親子なんだよなあ。素敵だ。

RRの本領発揮

シャンプールに到着してあっという間に奪還する陸戦部隊。
小粋にいなしてそうなリンツと、照れまくってるブルームハルトの対比よ!!かんわいいな、ブルームハルトぉおお!!!
絶対あれは童顔を隠すためのお髭だって。
って思ってたらマダムに熱烈なちゅーを賜ってるシェーンコップが(笑)。

若干の困り顔をしつつ丁寧に扱ってんだろうな、シェーンコップ。この色男が!!!!(なぜかキレる)

戦利品(KISS)の跡をこれでもかと付けながら、旗艦に鼻唄歌ながら帰ってくる連隊長面白過ぎるが???(笑)。艦橋の面々はそれを羨ましがったりしないと思うけど。ポプランあたりと何らかの張り合いが発生したのかな?(笑)

ハイネセンから脱出してきた情報部員。
グリーンヒル大尉の不在。
これで大体察してるあたり、やはりシェーンコップも聡い人なんだな。そういうIQが高くないと、その地位には立てないんだろうけれど。

バグダッシュ来たー!!!!
胡散臭え!!!!!(笑)。
普通っぽく見えるのがより曲者っぽい。ノイエのキャラデザ、いちいちツボなんだよ。好きだな、バグダッシュさん。ベレー取った髪型もちょっとクセがあって面白いんよね。

ハイネセンの状況を聞いてる後ろで、グエン・バン・ヒューがどう思う、みたいな感じでアッテンに目線送るのいいな。
11艦隊の情報、比較的簡単に手に入ったね。

きょろきょろバグダッシュ。ちょっと挙動不審過ぎんか?(笑)。
一般的な兵も、気にすることなのかな。そりゃそうか。クーデターの主犯の娘がいるはずなんだもんな。野次馬的というか、興味をそそられるとか、そういうのはむしろ自然なのかもな。

フレデリカを連れてきてないよって嘘を吐いたヤンに、ちらりと視線だけを送るムライさん。
それに気付かせるまもなく、「おっとしまった(棒)」。飲み口からこぼしたんすか、そのコーヒー(笑)。わざとらしい小走りが面白いぞ、シェーンコップ。
むしろここで何かあると警戒させて、本体と連絡を取るかどうかとか見てたのかな。

写真!!!いきなりぶっ込んでくるのやめて・・・・!!!!!????
お母様、お墓‥うえええん。

キスマーク落として参上してるシェーンコップ。紳士。いや、紳士・・か???(混乱)。
RR有能!!!シェーンコップがフレデリカに裏取りに行ってる間に、怪しいからあいつ眠らせとけって指示出してたわけっしょ?有能だなあ。連携完璧だ。ブルームハルトが実行指揮か。
ヤンが指示を出す前にさくっと眠らせておきました!ってするRR。
そりゃなんとも仕事が早いことで、くらいしか言えんよ(笑)。

嘘を信じさせるには真実を混ぜて。
バグダッシュの持ってきた情報自体は正しかった。
11艦隊の出現ポイントを割り出して喜びのダンスを踊るヤンも見たかったけど、まあそれがなかったとは言ってないからね(全部その方式)(原作であったことが明確に否定されない限り、描写されなかっただけという認識で見てる)(原作面白いから読んでね!!!!!)。

サブタイここか。7分経ってる。結構遅めだね、この回。

同胞VS同胞

バグダッシュの本当の狙いは何だったんだろう。
ヤン艦隊の動きをスパイすること‥だけ?戦力とかそういうの知ったところで対処し得るものとも思えないんだけど、政府の発表自体に誇張や虚偽が含まれていることを知っているからこそ、ヤンの名声を虚名と侮ってる…のか?グリーンヒル大将はイゼルローンにいて、撤退を要請してきたのもビュコックだから、ヤンの暗躍は知らないし。第五次?第四次の攻略戦の時にいっぺん失望してたしなあ。フレデリカさんからの賞賛は、身贔屓に近いと思っているのかもしれないな。第十一艦隊は帝国領侵攻作戦には参加してないから、ヤンの手腕を実感としては知らない。
色々重なって、自らの正義を信じた結果、賞賛ありと踏んだのか。ルグランジュ中将‥。

この対照的な演説の違い。

救国軍事会議のメンバーが、演説を聞きながら腕章をぎゅっとする描写。命を賭す覚悟の表れではあるけど、神の視点で見ているこちらからすると、どうして・・と思ってしまう。
勇気と祖国愛。それを口にして戦闘させるのは本当に、何というか卑怯だなと思う。

祖国が指すものは何?政治体制?政府?名称が指す共同体そのもの?帰属意識の帰属先?そこに暮らす人々は祖国の中身と等値なのか。
祖国という言葉が出る場面が、愛国を強要する時か、異国の地でどうにもならない望郷の念を抱いた時かしか想定できない以上、わしには多分祖国愛はない。愛着とか、ステレオタイプ的な美徳とされる部分とか、培われた文化とか、織り成し重ねて来た時間とか。そういったものは愛しているし、できれば未来へ繋げたい。それらを破壊する方向性には断固拒否。だけれども。
政府が保証してくれるとも思えないし、むしろそういった精神や心情の部分位は踏み入るなと思う。心情を利用して政府が自分たちの立場を強化しようとする昨今の動きは、マジで危ない。仕組みを保証する枠組みでしかないものが、中にいる者に対して必要以上に干渉してはならんのよ。
あ、話が逸れた(笑)。

他者に身を賭した努力を迫る救国軍事会議。
お膳立てはしたから、個々の職責において気楽に。ひとりひとりが自分を犠牲にしてまで護らなければいけないものは、国家の枠組みなどではないというヤン艦隊。

あ、そっか。イゼルローン駐留艦隊としてはこれが初陣になるのか。第十三艦隊としてはイゼルローン攻略戦から作戦行動を行なってはいるけど。
勝つための算段は付けておいたから。これを断言してもらえることの安心感と高揚感、半端ないだろうな。こういうところ、自分の名前をしっかりと利用しているのが、ヤンの強かなところなのだと思う。自分がそう断言することで得られる効果を冷静に測っている。その効果が生まれることに苦々しさは感じていても、使えるものは使う。ヤンのそういう潔さ、好きだなあ。

「かかっているものはたかが国家の存亡だ」
これはさ、同胞同士の戦闘だから出た言葉だと思うんだよね。ろくでもない戦いで、だからこそ勝たなければ意味がない。とは言え、死力を尽くして最後の一兵になるまで戦えと命じる意思は、ヤンにはない。
国家の枠組みが変わること自体は、そう珍しいことでもないし、ましてや国自体も永遠のものではない。そういう視点があって初めて出てくることばなんじゃないかな。

なぜか国があるから自由が保障されるということを言う人がいるけど、それは何というか‥根本的に次元が違う話だと思う。ここでいう自由というのは保障されるか否かではなく、本来自由であるべきという、人間それ自体に付随す流ものの話で、それをちょっとずつ制限して公共の場での約束事を決めて一緒に暮らしているのが共同体。他との関係性を考えた時初めて「国」という顔ができる。自由も人権も、国に保障されるものではなく、国が制限する範囲を皆で決めているだけに過ぎない。むしろほっといたら公共の名のもとに、あらゆるものが制限される。そこを監視するのが共同体の主体たる人間。
制限を許容するのは国のためではなく、隣やその先にいる「誰か」のため。で、その明文化された「自由」の範囲を読み上げると、国が自由を与えているように思えてしまう…のかなあ。

帝国だと勝手が違ってくるから、その辺りは慎重にならざるを得ないのは当然のこと。それでもやはり、ヤンは誰かに死ぬことを命じることを正しいとは認識しないんだよ、どこまで行っても。それがヤン。好きだ。

あ、これはまたちょっと別だけど、銀英伝を読んで無政府主義というのも短絡的すぎるんだよなあ。市民を守るためにある枠組みであることを自覚しろやって言ってるだけで、政府があること自体、国があること自体には異を唱えていないもの。
どちらにしろ、銀英伝を読んで右も左も、どちらかに傾くのはおかしいと思うよ、わしは。まあ人それぞれなのでいいけども。少なくとも銀英伝をどちらかの思想に押し込めるのは無理があるよ。


それにしても。
演説の直前まで欠伸してるし、艦橋のデスク(なのか、あれは)の上に座ってるし。ヤン、真面目過ぎる状況を糊塗するための演出と気遣いが凄すぎる。敢えてなのだということが書かれている原作を読んでいて、ぎゅっとなるところ。

戦闘というもの

バグダッシュからの情報で数的優位な状況を作り出すヤン艦隊👍
同盟軍のビッテンフェルトの呼び声も名高い(ビッテン基準なのは許してくれ。帝国民ゆえ)グエン・バン・ヒュー。景気がよろしい(笑)。
側面から攻撃できるの強いな。

フィッシャーさんの分艦隊も活躍してるの嬉しい。
「狙いをつける必要もないぞ、精魂果てるまで撃ち尽くせ!!」いけいけどんどんなバン・ヒューさん、いいな。

ちゃんと諸々の事態に対応しようとしてるの、ルグランジュ中将も決して口だけの人間ではなかったということだよな。
でもそのさらに上をいくヤン艦隊。
アッテンボロー!!!!原作ではしっかり登場するのはもう少し後だけど、帝国両侵攻作戦のところからしっかり入れてくれて嬉しい。名前は入ってたもんね。
トリグラフかっこいい。ノイエの戦艦デザイン悉くツボにハマって大変良いのだけど、同盟艦はどうしても設計コンセプトとしてのユニットがあるから、個性があまりなくて‥群としての良さみたいなものを感じてるんだけど、だからこそトリグラフのようなアバンギャルド(で、いいのかな)な戦艦デザインがよりカッコよく見える。設計者に跳ねっ返りがいたんだなあ(笑)。

アッテンボローとラオが一緒に艦橋に立ってるだけで嬉しくなる。しっかりラオがいてくれるノイエ、大好き。
ポプランもいいね!命知らずな空戦隊の軽やかさ、矜持、いろんなものを噛み締められる。

で、戦場に初めて立ったユリアンの反応よ。こうなるのが当たり前だよね…。間接的にヤンから戦術の話は聞いていても、その爆発の中で散る命が何千何万とあること、旗艦といえどもいつヒューベリオンに被弾するかわからない極限の状態。そんなもの、話で何も伝わらんもんね。
それを察してフォローしてくれるフレデリカさん…!!!!!
うわああ。大好きだ。この気遣い。この、優しい眼差し。選んだのは自分でしょうという少しだけの厳しさも込められたような、だからと言って少年がこの場に「染まる」ことに対する懸念も持っているような…。

2時間でどれだけの命が消えたのか。考えたくないね…。
考えたくないけど決して無視してはいけないんだよな。その重責を一人一人抱えてるかと思うと、胃が痛くなる。ぐええ。

トリグラフの主砲、他よりもエフェクト力入ってる?めちゃくちゃかっこいい。被弾した戦艦、爆発しなくても穴が空いたら乗員は宇宙に吸い出されるのえぐい…。宇宙服着ておこうか!?(泣)。原作では1巻時点ではパイロットスーツ?宇宙服着てたんだけど、いつの間にかオミットされたからなあ。絵面として艦橋にいるのがみんなああいうのだったら面白くないのは重々承知なんだけど(笑)。まあ、二次元だからだなあ。あるいは吸い出された時に宇宙服着てようが、放火飛び交う戦場で生きていけるはずもなく、酸素の供給もどこかで絶たれるのだからいっそ、という諦観ゆえなのかもな。


作戦の成否がかかっていた戦闘時よりも、降伏勧告を一刻も早く受け入れてくれという祈りの時間の方が、精神的な消耗が大きそう。負けてると分かっていても降伏できないの、愚かだと思う反面、簡単に降伏できるならそもそも戦端は開かれていないのだというのも分かる‥。
でも、一分でも一秒でも早く受け入れてくれれば、助かる命があったんだよ‥。勝敗が決してから、心情に折り合いをつけるまでの間の時間で散った命の報われなさには、いつも言葉にできないやるせなさを感じる。

ポプランなりの焦燥の表現、好きだな。主食が酒と女なのはまあポプランなので(笑)。彼の中の位置付けは自由なのでよし。


殉じるということ

ようやく応じてくれた…。
ちゃんと敬礼するのえらいね、ルグランジュさん。イデオロギーの違いはあれど、将としての敬意は持っている…んだろうな。敵手がヤンであったことを誇れるような人なんだもんな。

信念を語っている間は素の顔で受け止めていたヤンも、ルグランジュの自決には表情が変わる。そりゃね。折角降伏したのに。
一瞬の揺らぎで表情を消すヤンの精神力が強靭すぎる。外に出した時の他の人への影響を考えて出せないだけなんだけど。お酒の量、これ以上増やさせるな‥……。

苦い結果に終わったドーリア星域の会戦。とはいえ、救国軍事会議派の艦隊を破ったのは事実なので、ハイネセンまでの道が空いたのも事実。
どれくらい、友人や家族同士で戦った人がいたんだろうね。誰を恨めばいいのかもはやわからんやないか・・・。

空気を変えてくれる(?)バグダッシュ。
アッテンボロー、この中では年齢的に下の方だから、パトリチェフたちに敬語使ってるの何かいいな。かわいい。天性の後輩キャラなんだよな、ノイエのアッテン。
ラオが話振られて微妙な顔するの面白い(笑)。アッテンは逆に何でヤンが嗜めてくれるって思ったんだ???気安い人間に対してはある種の期待からちゃんと嗜めてくれる人だからかな。ヤン、あんまり人間に期待してなさそうだから、周りの人間以外にはそこまで強く言うことなさそう。そう言う意味で、ちゃんと意見を言うことを知ってるのは、意外と少数派なのかもしれない。

バグダッシュの飄々とした感じ、好きだなあ。ヤン、めっちゃくつろいどるやないか(笑)。
「主義主張など生きるための方便」。言い切るバグダッシュ、確かにヤン艦隊の性質に共鳴するところがあるんだよな。主義主張や立場に殉じる気のないバグダッシュ。殉じたルグランジュの後だと、胡散臭いけども軽やかでうっかり好感すらも抱けそうで怖いなあ。
帝国側にもいたな。フェルナー。あの、いけしゃあしゃあっぷりは見事だった。どこの国にもいるんだよなあ(笑)。是非ともどこかでお茶でも飲みながら話してみてほしい、この二人。

あ、バグダッシュの最終目的、ヤンの暗殺なんだっけ。そっかそっか。
来た瞬間、話などせずに殺していれば、成功だけはしたんだな。その後バグダッシュも殺されるけど。そう言う意味ではバグダッシュが、信念に殉じるタイプじゃなくて本当に良かったなあ‥。知らず知らずのうちに、歴史を変え損ねてるんだな、バグダッシュ。

ヤンの机の上の本、半分は自分が興味あるだけの本なんじゃないかと疑ってしまうな(笑)。

バグダッシュの状況認識、正しくて嫌になるな。いや、嫌ではないけど。ちゃんと事実を見られる人というのは強いんだな。
元来仕事は嫌いじゃないとか言っちゃうの、いい性格してるぜ、バグダッシュさんよぉ。

暗殺が目的だったって言ったばかりの男に銃を返すな!!!!!!??????
それで撃たなければ先ほどまで言っていたことが真実だと証明されるとは言え、危ない橋渡り過ぎだぞ、ヤン。信じることで筋を通すの一環なんだろうけど、危なっかしいな、この人は本当に。

わざわざ隙を作って、銃を向けられても横目で確認してそれだけ。口元で微笑んでさえいる。度胸がすんげえよ。自身の命への興味の希薄さ…とは思いたくないな。バグダッシュは撃たないという判断をした自分を受け入れていただけなんだと思う。

バグダッシュはバグダッシュで、ヤンの真意を探ってるんだろうし、面白いって思ったことは明白なんだけど。はらはらするぅううう。
敬礼の時に少し目で表情作ってるのがとても良い。

からの、ユリアン。いつからいた!!!!???
お茶目かました後に振り返ったら憤怒の形相で少年が銃を構えてんの、怖すぎる。自業自得はそうなんだけど。

ブチ切れてんなあ、ユリアン。そりゃそうだ。
このあたりの性質、理屈よりもまず以て、銃を向けたこと自体を「罪」と捉えるところ、ラインハルトに対するキルヒアイス、ヤンに対するユリアン、似てるんだよなあ。ユリアンの警戒心はキルヒアイスのそれよりももう少し幼くて、もっと素直で激しいものだけど、大切なものへの害意や危害に対して反応するその流れが、二人は似ていると思う。
世が世なら、仲良くなれたんだろうな。ってのをフォロワーさんと話してて、切なくなった。

将来の危険は、今人を殺める理由にはならない。してはならない。
これは肝に銘じておかなければいけないと思う。それらを排除していけば、最終的に自分以外の存在を許容できなくなる。その暴走は多分、こういうことから起こる。正当化できる事例があって、そこを許すとどんどんラインが下がっていく。だからこそ、踏みとどまる必要がある。あるんだよ。

ヤンの優しい声で諭されて、おまえになるべく人殺しはさせてくないと言われてしまってはね…。手を汚すことを、ヤンを天秤にかけたらユリアン自身は躊躇わないんだろうけど、親心としてはそんなことしてほしくはない。
ユリアンはヤンの想いを受け止められる聡明な子だからこそ、これ以上の制止はないんだなあ。
以前はユリアンが僕がお守りしますと言ったことを受け取ってはくれたけど、いざと言う時、本当に守らせてもらえるのか。そんな不安も少し頭をもたげたのではないかな。提督の命と、ユリアンが背負う罪。ユリアンにとっては天秤にかける必要すらもないことなのだろうけど、ヤン自身がそれを望んでいないという状況は、ねえ?ユリアン自身を守るためなら、反撃を躊躇うなと言ってくれそうだけど。

声を上げると言うこと

戒厳令下で集会をすることがまずおかしい。そんなポストを見て、どうにも悲しい気持ちになった。自分の命を守るには、過ぎ去るのを待つのが一番。おそらくこれが一番楽で、自分もそれを選択してしまうかもしれない。
でも、それではいけないでしょう、いいなりではダメでしょう、おかしいことにはおかしいと言わなければいけないでしょう、というのがジェシカの主張であり、民主政治のあり方なんよね。決まったことを覆すとかそういうことじゃなくて、おかしいという声を上げなければなかったことにされてしまうんよ。それこそ賛同することになってしまう。

帝国と戦っているはずの同盟が、帝国と同じようなことを言い始める派閥に取って変わられようとしている中、おまえたちを支持しないと声を上げることの勇気、重要性を過小評価して、おかしいと言う人間にはなりたくないな‥。
戒厳令下のハイネセンで、いろんなものが制限されている中で、5万人を集めることのできる「支持しない」の声。同盟の人口的に5万人は決して多くはないのかもしれないけれど、多くの人間が動いて協力して、ジェシカと共に声を上げている。すごいことだと思うよ。

写真…!!!!
語りかける先がジャン・ロベールなの、めっちゃいいな。
わしはヤンは確かにジェシカにほのかな想いを寄せていたと思うけど、ジェシカからの矢印を向けるのは違うと思うんだよね…。ヤンが振り向いてくれないからジャンに行ったみたいな表現されるとブチ切れる(某版を見ながら。許さんぞ…)。
ヤンは、未来を見ることだけではなく過去から続く現在であり未来であるという視点をジェシカに与えた人。かけがえのない、友人。大切な人。それは揺るぎない。でも、ジェシカが軍人の恋人として待つことを受け入れるか、悩んで迷って決めたのは、ジャン・ロベールと一緒に現在と未来を分かち合うため。
共に大切な人で、三人で過ごした時間も尊いものだとしても、それをただ「恋」に押し込めてしまうのは、あまりにも人間の関係性が単純すぎる。なので、わしはノイエの描き方が大好き。一人の人間として立つジェシカが、まずしっかりと描写がされている。誰かの添え物としてあるのではなく、舞台装置としてあるのでもなく(作劇上の都合は一旦おいてね)、生きている人としての存在感を大切にしてくれているのが伝わってくる。

非武装の市民集会に武装バリバリで乗り込んで来るなボケー!!!!!!!!!!!!
クリスチアン、憂国騎士団だったよね。トリューニヒトが事前に察知して逃げ仰たことも含め、潜入工作員じゃないんかなって思ってる。クーデターを失敗させるために市民集会にわざわざ乗り込んで行ってる。この辺り、密かにトリューニヒトから指示されてんじゃないかなあ。でないとわざわざ夕刻騎士団として顔出した意味がないだろうし。

警棒で頭殴ったら死にます。死にますって!!!!!
憂国騎士団で無抵抗な相手に暴力を振るうハードル下げまくった所為で、歯止め効かなくなってんのかな。どうやったらこの自分を正当化できるメンタリティになるんだろう。理解したくない。

ジェシカ…。出てきちゃダメだよ‥。
でもここで隠れてしまうような人なら、声を上げても誰も付いてこなかったんだよな。ジェシカ…。
凛とした問答ができるのは素晴らしい。でも、相手がね。

秩序がなんたるかは吾々が決める。

この傲慢さ。これは救国軍事会議のそれとも違うよぉ……。これは憂国騎士団の思考だと思う。

頭から行った…。あり得ない。武力を、戦う力を有した人間が、これほど容易く他人に対して攻撃的になれるという事実が本当に怖い。

死ぬ覚悟なんて、強要される方がおかしいんじゃい。
それに、ジェシカは非武装でクリスチアンの前にちゃんと立った。いくつの銃口が向けられていても、逃げなかった。その覚悟を、その勇気を、何だと思ってんだ。

ジェシカの体を支えることもままならない感じがとても辛い。
この状態でも毅然とした言葉を発することができる強さが、すごくもあり、しんどくもあり。美しい瞳。未来を見つめている瞳。

もう、しんどい。苦しい。輝きを失わない瞳が、辛い。まっすぐな瞳が、ジェシカそのものなんだよな。茶化していいような人じゃないよ。

ジェシカー!!!!!!!!!
警棒が折れたー!!!!!?????渾身の力込めすぎじゃ。図星刺されて反撃できない人間への暴力。カッコ悪い。カッコ悪いぞ、クリスチアン。本当、何なんだお前は。命を賭けたらどんなに愚かなことでもしていいのかと問われて、全力で体現すんな。馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!

構わん撃て!!!って命じたクリスチアンが真っ先に撃たれるの、ざまあ!!!!!!って思ってしまうわ、こんなん。やらされてたわけじゃない。自ら率先して愚行に走った者の末路に同情なんてない。
でも、もう失われてしまったものは戻らない。こいつの愚行の所為でジェシカは‥うう‥。

市民の反撃が、手を繋いで一体となって押し寄せる波となってるのな。これに銃を向けるの、兵たちはマジで嫌だろうな…。上官が部隊ごと救国軍事会議に入っちゃったとかありそうだし。全兵が救国軍事会議に賛同していたわけでもないだろうし。

ああ…。
なまじ市民も兵役で銃火器の扱いがわかっているから、武器奪われたら終わりなんだよな。そりゃ兵も人間だし、自分の命を守らないといけないけどさ…。それでも、やはり非武装の人間相手にその命令はさあ…もう、どうしたらいいんだよ、こいつら。

…犠牲者の数が多すぎる。「共に自由惑星同盟の市民であった」。きついぃいいいいああああああ。スタジアムの虐殺、本当辛すぎる。何だよこれ。
ジェシカ。最後まで瞳は前を向いたままだったね…。
写真、ジェシカとラップにだけ血が飛んでるのもしんどい。ヤン…。

救国軍事会議の面々の動揺っぷりも含めて、やっぱりクリスチアンは異質すぎるよ。
なぜだ、じゃないんだよ、グリーンヒルパパ!?というか、多数派になった事実などないだろうがよ。武力でねじ伏せて口を封じただけで、受け入れられたと思うのはイかれてんぞ????

似合わないサングラスにどうしたんだろうって遠巻きに見てる面々、おもろい(こういうところで笑っとかないと、全く笑えないよぉおお)。

ヤンの表情を映さず、ベレーを脱ぎ捨てる一連の流れ、胸に来る。
こんな状況でハイネセンへ。


しんどい!!!!!!!!
しんどいのに、次回予告が「惨劇」で慄く。
もう十分惨劇だったんだが!!!!!?????????

次回もお楽しみに!!!(ヤケクソ)

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