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【感想】銀河英雄伝説Die Neue These 4話「不敗の魔術師」(1stシーズン 邂逅 ep4)

前回が「常勝の天才」フォーカス回だったので、今回は「不敗の魔術師」掘り下げ回。帝国側の抑圧と反発の歴史とは一転、「自由の国」に生きる若者の姿を噛み締めよう。

タイロン父ちゃんがまともに見えて困る

ワープから始まるの、好き!!
ノイエのワープシークエンスいろいろあるけど、20年くらい前なので少しやり方が違うっぽいのも、商船だからかフェザーンの船に近いデザインなのも面白いね。
ヤン少年のお声はフレデリカ役の遠藤さん。かわいい☺️
なぜかマトリョーシカあるなーと思ってたけど、先日Xで、後々出てくるキャラ(ロシア系のお名前持ち)とのつながりを示唆してたというのを見てなるほどと思った。銀河連邦後のルドルフの時代を経て、どうやってその文化が保持されていたのかは気になるところ。マーチ・ラビットにも「lapin」って書いてあったので(今後の話数で出ます)、フランス語系も生きてる。記録を頼りに復元したりしたのかな。その辺も考えるのとても楽しい。半分野暮だけど(笑)。

それはそうと、ヤン少年、聡明すぎないか???
子供向けの歴史の本読んで、そういう疑問を抱けるのすごいよ。
で、タイロンさんだよ。原作ではいろいろアレなエピソードを量産してる面白お父さんだけど、壺磨きのエピが入る余地がないため、至極まともな慧眼のお父さん像が佇立してしまう。
「民衆が楽をしたかったからさ」
子どもに目線を合わせてしゃがみ込みながらも、違う視点を誤魔化すこともなく、しっかりと子どもに伝える。気付かせる。声は入ってないけど問答はまだまだ続いてるので、おそらく最終的にはお金があれば嫌な奴の言うことを聞かなくていいんだぞ、というようなところへ話が逸れていっているんじゃないかとも思うけど(笑)。
何にしても聡明なヤン少年に答えを与えるのではなく、別軸の回答を気付かせるというやり方を取っていて、このお父さんから多大な影響を受ける環境で育ったなら「ヤン・ウェンリー」ができあがるのも納得、というのがわかってとても好き。もちろんヤンがヤンだったからそうなったんだけど、タイロンさんの影響がなければ多分もう少し違った考えを持っていたかもしれない。
いや、ヤンだから結局は自力でそこに辿り着くのかな。うーん。
何にしろヤン・タイロン、とても好き。

士官候補生ヤンの青春

本を取るための梯子(なんて言うんだ、あれ)を私物化するんじゃありません!(笑)。めっちゃらしいと言うか、取った本パラってしてる内に没頭しちゃったんだろうなーとかいろいろ考えられて面白い。
士官学校に入った時は手ブラで、制服あるから特に外に着て行く服もなくていいかーって過ごしてたんだろうな。このエピだけで察せられるものがあるね。いや、帽子までしっかり被って行かんでもとは思うけど、中途半端なものは逆に認められないとすれば、他の服がない以上仕方ないか。

ジェシカとの出会い。かわいいね。
原作だと事務長の娘として会ってるから(職場に娘がいるって何じゃ???)、出会いの場面が描かれてるの新鮮。
変な人から連想して、幼馴染から聞いてたヤン・ウェンリーに結びつくの、若干失礼で面白い。いや、変なんだけど。状況的にも合ってるんだけど(笑)。

貴重な一人称が「おれ」のヤン。いいね!!
何でおれのこと知ってんの!?からのその理由はもう少ししたら来るから一緒に待ちましょう、のやり取り、かんわいい。ジェシカの「うふふ」とかヤンの「んん?」みたいな小さな声での漏れてる感情かわいい。
ジェシカのちょっと遠慮のないところなんか、お嬢さまっぽくてとても良い。(お嬢さまを何だと思っているのか)。

ラップを待ちながら話してるところの空で、雲が流れるとともに形も微妙に変わっていってるの細え・・。
で、ヤンが挙げてる本全部読みたい。「ルドルフの料理番の日記」創作なのかノンフィクション枠なのか。

ラップー!!!!待ち合わせしてた幼馴染と級友がなぜか一緒にいて、びっくりはしてるけど変な勘繰りとかしないあたりがまっすぐでめっちゃいい子だな。困惑するヤンの「ええ・・」がマジトーンで笑う。鈴村さんのヤン、細かいところも生っぽいのが最高✨

「それでか」
「何で睨む?」
「辛いことがあったのよ」

戯れる幼馴染、やめたげて(笑)。かわいいなあ。三人ともかわいいなあ😆
遠目だから確認できないけど(でっかい画面で見たら見れるかな)、めっちゃむっすーとしてそう。この辺のヤンは多分自分の感情は比較的素直に顔に出してる気がする。司令官の立場になると意図的に顔に出さないようになっていくから、こう、何と言うか・・・青春時代が確かにあったことへの安堵がある。その点ラインハルトは・・・いやまあ半身と常に一緒で生き生きもしてたからそれはそれでいいのかな。

まだまだ続くぞ青春の煌めき

ヤンを肴に話す二人の間で、のほーんと茶を飲んでるのがめっちゃヤン。
面白い話聞かせてよ!って無茶振りしてるけど、多分ジャンがあいつの話はいつも面白くて視点が独特で聞いてて飽きないとか話してたんだろうなと思うと、興味津々で食いついて行くジェシカ、かわいい。
唐突にルドルフの話をするヤンもすごい(笑)。没頭しながら読んでたの、ルドルフ関連の本だったのかな。ヤンって会話しながらも頭の一部では自分の考えたいこと考えてるようなマルチタスクなところがあるんじゃないかと思ってるから(時と場合にはよると思う)、継続してそのこと考えてて、話題振られてそれがぽろっと出てきた、みたいな感じかな。
話してるヤンを見てるラップの目がやさしい。保護者かな?(笑)。途中でジュース飲むのも一度聞いたことがあるのかもなって感じがして、何かいいぞ。

タイロン氏のモノマネが入ってそうなヤンの語り口。お父さんと話したことをしっかり記憶して考えてるんだなーって思ってグッと来る。お父さんが真摯に答えてくれたからこそ、こうやってヤンの素地ができてる。お父さんの変人エピ追加待ってます(笑)。タイロンさん大好き。

ジェシカがヤンとタイロン氏の言葉を受けて、一滴の色が混ざったような描写が好き。

模擬戦闘開始!!

シミュレーションでホロ(?)が艦橋を形成するのいいね。かっこいい。
ワイドボーン、この話だけだともったいないよね。原作外伝でもちょろっとだけ名前が出て終わっちゃったし。フジリュー先生版で掘り下げられてて面白かったな。

光点めっちゃ消えてるんだけど、全滅させるまで終わらんものなのかな。勝敗の判定が正直よくわかってない。旗艦が撃沈されなければいいのかな。
別働隊が少数なのは見過ごされるように、なんだね、多分。相当数の戦力を割いたら戦線が維持できないからと言うのももちろんあるんだけど。あんなちっぽけな艦隊に何ができる、という心理的効果で無視させる選択を促してる。
それにしても補給ができなくなったらシミュレーション上負けになるの、めっちゃしっかりした設計だよね(笑)。ヤン側の艦隊の補給部隊はどこにあったんだろ。

シトレ校長の目がやさしい。ここにも保護者候補が(笑)。
ヤンって天然の人たらしと言うか、ほっとけない雰囲気を醸し出してくるのでタチ悪いし、そこが魅力なのもすごくわかる。

くせつよキャゼルヌ先輩登場!!

学年主席を破ってしまったがために、才能に目をつけられてしまう皮肉。
キャゼルヌ先輩がこちらを向く時に、事務椅子のキャスターがきゅるって鳴るの、細かくて好き。あの、ころころときゅるっが絶妙に混じった、滑りの良さそうな音。こだわりを感じる(どこに注目しとんじゃ)

今後親しくなると「おまえ」「おまえさん」呼びになるので、キャゼルヌ先輩が「きみ」とヤンを呼ぶのが新鮮。
悪い顔してるなあ(笑)。先輩、意図的に悪い顔してるんだろうけど、過去にいろいろ誤解されてそうなエピをいっぱい量産してそう。開き直って露悪的に振る舞ってるところもあるんだろうな、ノイエのキャゼ先輩は。そういう印象を受ける。こういうキャラ、好き。んでもってやっぱり保護者候補(笑)。
ウマが合う、波長が合う。そう言う人たちをどんどん味方に引き入れて行く「隙」みたいなものがあるからこそ、ヤンはヤンなんだなあ。

ヤンの私服がようやく登場。ラップとジェシカがあれこれと世話を焼いて何着か服調達したのかな。士官学校って確か給料出るんだよね。お金は本代で溶かしてそうなので、それをちょっとだけでも服に使いなさいという教育的指導(おしゃれしろという意味ではなく、どこへでも制服で行くのはやめなさい、というレベル)が入ったのかもしれないと思うとにこにこしちゃう。
何だかんだで三人につるんでたんじゃないかな。

それはそうと、事務長の娘であるジェシカと、キャゼルヌ先輩に面識はあったのかな。原作だと事務長の娘と士官候補生が会う機会があるのがそもそも謎なんだけど(職場に身内連れてくるんか、事務長??)(2度目)(当時のトレンディドラマ的に、マドンナ扱いとしてお嬢さんが扱われるのは分かるが、現代の感覚では不自然なのでしっくり来ん)、原作通りだとキャゼルヌ先輩もジェシカと話す機会くらいありそう。何を話すのかちょっと興味あるので、どうにか機会を捏造できないか考えたいところ。

ジャンがいいやつ過ぎるよー!!!
休暇に実家においでって誘ってくれるの、絶対ご両親もいい人たちだ、これ。帰る場所がないヤンに気を使わせないようにジェシカも誘ったんだよって言ったり、いろいろ気遣いがすごい。

混ざり合う色

ジェシカとヤン、それぞれ少しずつ新しい色に触れて取り込んで変化していくのが、その描写がとても好き。
友人から疑問をぶつけられて、互いの立ち位置を見て、違いを考えて。真っ当なんだよな。眩しい。素敵。
ノイエの、人間として対等なところが好き。出会いを事務長の娘、学校のマドンナ的存在からシフトさせて、友人の幼馴染としたことで、異性に対する憧れの前に、人としての尊敬や敬愛がある。眼差しが素直。
それでも影響し合って、過去を見つめる人、未来を見ようとする人、現在を楽しんでいる人、それぞれの中に過去と未来、そして現在が根付いていくのが良い。ジャンが疎外されることもなくて、地に足のついた人として、現在を生きているのが好印象。ジャンという現在、現実の軸があるからこそ、過去と未来に思いを馳せる二人がつながるんだよなあ。
いいなあ。この三人の青春。好きだ!!!

同盟の士官学校にはちゃんと女性士官がいる(対比となるのが幼年学校の描写なので違うっちゃ違うんだけど)。

730年マフィアの瓶でにやっとしちゃうね(現在螺旋迷宮再読中)。他のラベルも絶対いろいろ仕込んでるはずなんだけど、読めぬ・・!!(笑)。Luna Rossa 赤い月?

軍人の恋人にはなりたくない。

これは本当に、一緒に戦場に行きでもしない限り、「待つ」ことを余儀なくされるんだもんね。何があっても公式報告や帰還報告を待つしかなくなって。大切に想っている人であればあるほど、それがどれだけ辛い立場になるか・・。
そう考えると、アンネローゼの立場も大変しんどいね。待つことしかできない人だもの。本人がどう思っていたかに関わらず、立場的に。弟たちにNOとは言わない人だし、だからと言って心配しないような人でもないし。恋人という枠ではなくても、大切な人を戦場に送り出すのはつらい。
戦場に行くのも、送り出すのも、どっちもごめんだよ・・。

フィッシュ&チップス超食いたい(唐突)

写真のシーン、声が入らないのがまたオツですな。いい写真!!!
それはそうと、資料だとラップよりヤンの方が背が高いとなってるんだけど、ラップの方が高い気がするな・・?(笑)※ヤン 176cm 、ラップ 173cm

「英雄」の誕生

どんどん行くねえ。士官学校卒業後、あまり間を置かずに前線エル・ファシル勤務。で、リンチのあれ。
騒ぐ民衆、青二歳の脱出計画責任者の登場、不満不安そうな声の民衆。現在のヤンなら出てきただけで民衆が安堵する。ヤン自身は何も変わっていないのに。実績や「英雄の称号」が人心にもたらす効果は確かにある。ので、英雄を前面に押し出してくるのは、市民の側には正直ありがたいものではある気もするんだけど、その英雄が虚名や作られたものであると言うことには常に留意していかないといけないんだろうなあ。安心を与えないと緊急時の民衆がパニックを起こす。その鎮静剤としての英雄。それは多分必要なもの。
戦意高揚のためのものは危険でも、そっちの作用は否定できないと思うなあ。

あのタイミングで喉詰まらす!?と思ったけど、報告聞いてちょっと安心してうっかり安堵の溜息を嚥下のタイミングでかましたとか言う、うっかりエピな気がしてきた。
少女デリカちゃんかわいい・・!!ヤンが失礼すぎて笑える。モテない、に説得力が出る瞬間だなあ(笑)。イケメンと呼ばれるキャラデザになった(らしい)ノイエのヤンでも、これは一部の人にしかモテないタイプの人だと納得させられるのが面白い。友達とか仲間とか、そういうのであれば無限にできるだろうけども。

失礼かまされた後でも、緊急事態に落ち着いて受け答えしているヤンを見て、信頼を新たにするデリカちゃん。聡明だなあ。あそこで怒ってもう知らない!ってしないあたりが、本当に良い子で素敵。
民間人の前でそんな指令受けて大丈夫?とも思うけど、こういう事態を想定しているし、ヤンのことだからこういう場面を見せることで、心理効果も狙ってそう。迂闊に見えることも計算してやってそうなところが怖いんだよなあ、ヤン。過大評価しすぎな気もするけども、「魔術師」なので、それも含めての魔術だと思うんだよな。

珍しく意見具申してたんだよな、ヤン。それで計画から下ろされて、逆に民間人300万人を脱出を完遂させる。ラップがヤンの気持ちを汲みつつも賞賛を送ってくれるの、いいよね。いいやつだよ、ラップ。

共通の思い出を持っている友達は良いね。
「おれはただ、歴史から教わっただけなんだ」
「わたし」になっていた一人称が、ラップと話す時は「おれ」に戻る。あの頃の思い出、考えたこと、色々なものに繋がっててグッと来る。過去から学んで300万人の未来を繋げたこと。それを現在を主軸に置いたラップに報告している図。いい。

宇宙桟橋が透けている空もいいね。あんな巨大なものが衛星軌道上にずーっと並んでるのか。落ちてきたりしないのかな。アルテミスの首飾りよりは内側だから、衛星軌道上ではないのかな。

ジェシカと最近会ってないんだーって言うラップに、会いに行けよと言うヤンの、優しさ穏やかさがとても好き。ヤンが手のひらで背中を叩いて激励するなんてこと、ラップ相手にしかしないだろうな。ヤンにならキャゼルヌ先輩とかがやってくれそうだけど。ラップとの対等な親友関係が出てて、いいね。

世話焼き先輩

キャゼルヌ先輩、シルバーブリッジにヤンが来るからっていろいろ手配手伝ってあげたんだろうな。波長が合う後輩にはとことん世話焼いてあげてそうなところが、万人に良い先輩とは言えないところなんだろうけども。
将官になったからキャゼルヌ先輩と同じ官舎街に引っ越してきたんだよね、これ。(ユリアンが来たのは大佐の時だったので将官用の官舎街というわけではないっぽい。誤認すまぬ)

広過ぎるとか言ってるけど、手配に先輩噛んでるなら分かってたことだよね?養子か結婚の話題を出すためだな??用意周到な先輩。結婚はすぐには拒否されると思って、養子を取らせる作戦を既に始めてそうだ。
酒のラベル剥がして酒を注ぐ丁寧な描写、好きだな。なんなら椅子を引いて座るところも含めて。

先輩手長いな!?届いたの、その距離(笑)。

この話してるのが24、5歳かな?エル・ファシルの時は21歳だったから何年か経ってるのね。
弟子に教わることの方が多いかもしれないが、でにやってしてるキャゼルヌ先輩がとても好き。こういう表情が似合うの、このキャラデザならではなんだよな。これで情に篤くて事務手腕最強で家族を大事にしてるのがまた堪らん。

ラップ、ディレクター巻きといい、ティーンのようなダウンベスト?と言い、この世界の流行最先端男子なんだろうか(笑)。
戻ってきたら正式に婚約する、というところにまだ躊躇いがあるように思える。戻ってくることを証明して、少しでも安心させてあげたいんだろうな。幸せになってよ。二人とも、ねええ。

物語が動き出す

半年くらい経ってもダンボールだらけの家。ヤンだなあ(笑)。
必要な箱しか開けてなさそう。食器類は元々少なそうだけど、酒を飲むグラスと紅茶を飲むセット、トースターとフライパンくらい、あとは読みたい本を見つけて開けて・・くらいかな。そりゃ埃も溜まるだろうよ。
食器棚にも見事に何にも入ってないもんね(笑)。

「誰だ、朝っぱらから」

養子が来ることはわかってたけど、今日だって忘れてるな、これ。
でもって多分ユリアンは家の前かちょっと手前までキャゼルヌ先輩が送ってくれてると思う。ちょっとした悪戯で一人で行かせてるような・・。
キャゼルヌ先輩はユリアンをヤンの元へ連れてきてくれた人だし、そのくらいの世話は焼いてくれてると思う。12歳の少年を、勝手に養父宅に行け、とは言わんだろうし。車中でどんな話したのかな。気になるなあ(すべて行間を読んだ妄想です)。

ヤンの声が全て素のトーンなのも好き。

ちょっと緊張した面持ちのユリアンで終わり!
ユリアンちっこい。かわいい。こんなに小さかったんだなって、48話まで観たあとだと感慨深い。

次回、第十三艦隊誕生。お楽しみに!

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