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相談者が耳を傾けやすくなる5つのこと(良い経営パートナーになるために)

私は常々、心理状態を考えて相談者に接しています。
おかげさまで、お客様からも「とても理解できました」「わかりやすかったです」と言われます。
また人間関係の相談にも、相手の気持ちなども添えて説明すると喜ばれます。
そんな経験から、今日は相談された時の返信のポイントを書きます。

お客様と話す上で「何を本当は聞きたいのか」など、話の本質ももちろんですが、もっと大事なのは受け取る姿勢を持ってもらうことではないでしょうか。

なぜそう思うかというと、どんなに大事なことを伝えようとしても聞く耳を持ってもらわないと、結果何も変わらない。伝わらない。
そんなことになれば、相手にとっても相談する意味がないと感じるでしょうし、アドバイスをしようと考えていた自分の労力も無駄になってしまいます。

士業である以上、法的なことを伝える専門的な立場と相談者に寄り添うことが求められます。

しかし法的な部分に終始しても相談者には届かず、また寄り添いに傾きすぎると法的な部分もなあなあになりかねない。
バランスが難しいですよね。

まず寄り添いの部分を「共感」だけにせずに立場や状況を考えて文章を考えたり、時間や電話メールなどの手法を選ぶことから始めると、「聞く耳」を持ちやすくなります。

特にこの仕事を始めたばかりだと、つい法律を言いたくなりますが、相談者は

・忙しい
・結論を知りたい
・パッと見て理解したい
ということがほとんどです。

経営者は忙しく時間も気持ちも経営に時間を使いたい(人事労務に時間を割きたくない)という状況です。
とはいえ困ってる。

人事労務に時間を割きたくない…って、本当は大事なんですけど中小の多くの経営者は残念ながらそう考えます。

そこで必要になるのは
1 労いのことば
2 結論を先に
3 箇条書き。複数の事柄があるときは番号
4 図解、表

そして
5 よりそう言葉

この5つで相談者は耳を傾けてくれます。

そんなこと知ってるよ

と思われる方は、この先は必要ありませんが、なにかしらのヒントがあればと思います(ˊ ᗨ ˋ)

1 労いのことば


すぐ回答しなくちゃ!!という気持ちが先にくると、これを忘れがち。
でも困ってるから相談しているのです。そのことに取り組まないと、と感じている相談者には、「大変でしたね」「難しい状況ですね」などを最初に伝えると、少し気持ちが楽になります。
私たちも、1人で考え悩んでいるときに相談した時に、最初に正しいことでもがーーーと言われると、心が後向きになりそうなこと、ありませんか?
例え正しくても(苦笑)

分かっているけど困ってるから相談してるんだよーーーーなんて心の声が聞こえてきます(;^_^A
なので相談者にも一呼吸おいてもらうためには「労う」ことが大事です。

2 結論を先に


これは基本中の基本です。
時間に追われている、時間=お金の経営者である相談者は、メールなどを読む1分も大事。
それなのに、一体どこに回答があるのか。
文章が長くなれば尚更、読む気もなくなります。
なので最初に結論は鉄則!!
結論までの道のりが長いと「何を言いたいかわからない」「で、どうすればいいんだよ?」とイライラします。←この時点で聞く耳はなくなっています。

またメールやチャットだと、相手がどのようなデバイスで回答を読むかわかりません。
結論が先!
これだけで相談者は、あとの文章も読んでくれる気持ちになります。

3 箇条書き。複数の事柄があるときは番号


相談内容を分解すると、いくつかの論点になっていることがあります。
相談者にとっては、全てが繋がっている様にみえることも、私たち専門家から見れば、いくつかの問題が絡み合っている。

そういうときは箇条書きです。
・このことはこう
・これはこう
など。

そのさきに、一つ一つを捕捉説明するなら番号をふる。
見た目もスッキリ。
また相談者も、従業員さんに説明しやすくなります。

常々大事だと思うのは、相談者さんは知りたいのではなく「誰かに説明したい」ので聞いてくることが殆どです。

なので、誰かに説明をする前提で私は説明をします。
なんならそのままの文章を引用してもらっても良いくらいに。
むしろ、誤解がないようそうしてほしいです。

なので相談内容を分解し、相談者さんが誰かに説明できる、そんな文章にしています。

4 図解、表


文章で説明をするのは大事ですけど、文章だけで説明すると、ゴチャゴチャしちゃう…
そんな事がありませんか?

また似た言葉が連呼されても、何が違うかわからない相談者さんは多いです。
例えば
所定外労働時間と法定外労働時間とか
所定日数と労働日数、法定休日と法定外休日…
他にもいっぱいあるのですが、何がどう違うのかわからないのでは、ご本人にとって前提が変わってきてしまいます。

そこで私は図や表を多用します。
面倒でも図解し表にし、法的な違い、考え方を説明します。

相談者は先に結論が知りたい、誰かに説明しなくちゃいけない、でも自分がしっかり納得いくように理解もしたい。
ここが本当に大事です。
相談者は、経営者ですから今後同様なことがあれば、自分でも判断できるようにしたいと考えています。
その時の指針が、私たち専門家の知識なのですが、毎回毎回同じことを聞くのは時間の無駄です。

なので自分でも納得して落とし込み、次回からは自分で応用したいと思っています。

5 よりそう言葉


あなたがここで一歩踏み込んだワンポイントアドバイスができれば、最高な経営パートナーになれます。

そして安心させてあげてください。
私は常に「大丈夫ですよ」「ご安心ください」などをつけて、今後こんなことがあるかもしれない、そのときは早めにこうすると良いですね、などを付け加えます。

2~4は、すでに皆さんもやっていることでしょう。
でも、真剣に聞いてほしいなら、1と5も大事です。
たった一言、ふたことで感謝されます。

ぜひ良い経営パートナーになりましょう(^-^)

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社会保険労務士
産業カウンセラー

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